2002年6月6日 
アフガニスタン人バセルさんの難民不認定異議申し立て裁判の報告

                          第九回公判を傍聴して
                            文:米辻妙子
    
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前回と同様バセルさんへの尋問の続きでしたが、被告指定代理人(国側)が代わりました

尋問
 「被告指定代理人」より、尋問の主旨は、難民認定申請の為に提出したワハダットカード(ヒズミ イスラミ軍の兵士であることの証明カード)そして写真に特に集中し、それは実兄のギアスさんの尋問の時の繰り返しが多く又前回と同じくバセルさんのパスポートの生年月日が違っていることも繰り返し尋問されました。

 「原告指定代理人」より、バセルさんが婚姻届けを提出したこと(橿原市役所へ提出したが、受理されず法務局に書類が回され半年はかかるとの返答)、現在アフガニスタンへ帰国したら、恐ろしいかどうか又暫定機構ができているが平和を信じられるかどうかというものでした。

 「裁判官」より、主に家族にかんするもので
   1・家族写真を撮ったことがあるか。
   2・家族はどのように連絡をとっているか。
   3・バセルさんの結婚について家族に報せたか。
等が尋問されました。

UNHCR難民に認定されたことについて
 前回、裁判所からUNHCRに調査書をだしましたがまだ裁判所に届いていません。

次回7月11日は、書面の取り交わしで傍聴はありません。
次次回は、7月11日以降にお知らせします。

6月20日は、「世界難民の日」です。「難民申請者というもう一つの少数者、そして難民認定制度に対するわれわれの無関心の代償を今、アフガニスタン難民が支払わされている現実」(世界難民の日:大阪シンポジウム実行委員会趣意書より)を支援者である私達も含めて向き合うのでなければ、アフガニスタンの忘れ去られた内戦と同様忘れた難民を生み出します。世界の標準的な難民認定実務からはるかにかけ離れた日本の難民認定制度の下で、多くのアフガニスタンの庇護を求める人々が不安定なままです。バセルさんは、裁判開始以来2年2カ月が経過しましたがいつ判決が下りるかわかりません。それと同様に、今年カトリック社会活動大阪教区センターで扱っているケースも軒並みに不認定になり入管に収容される一方と報告されています。