AMAKARA's LOVE MATE 3
洋楽ラブ・バラード



 本当はそのときそのときでお気に入りの、テレビなんかでよく見る好きな女性のベスト3を発表しようと思って作ったこのコーナーなんですが、写真を集めたりするのが面倒なのでこの世にある事象の中からなんでもベスト3にしてしまえという風に変えます。いいかげんですな。
 さて、今回の御題は「洋楽ラブ・バラード」ベスト3です。僕には全然似合わない世界ですが、強引にやってしまいます。
(ご注意)
 僕は英詞などというものは自分でリスニングするなり詞を読むなりしてみて自身の脆弱な単語力と文法力で頭の中で作り上げた勝手な解釈が正解だと思っている人間なので、以下の歌におけるイメージ、詞の解釈は全くもって自分の世界のものです。だからそれが実際は違った意味だったり見当違いの解釈だったりしていても突っ込まないように!



第3位
XTC
harvest festival(apple venus volume 1収録)

 ピアノとストリングスと、少しのリコーダで彩られた、牧歌的で
しんみりとした曲です。

【バンド紹介】
 英国ポップスゴリゴリのバンドなんですが知りませんよね勿論。個人的には世界一好きなバンドです。英国のスウィンドンというところ出身です。柄の悪いところなんやそうです。デビュー当時はくせのあるポップスで、かつ売れるための無理矢理パンク(当時はパンク・ムーブメントの真っ只中)という曲調でしたが中期から段々パンク色が消え、ポップスに転じてゆきます。労働歌とか反戦歌とか哲学的な歌とかばっかりでラブソングなんぞほとんど作っていません。甘くて苦い大人の恋なんちゅなもん描いてません。だからまれにしかないこの人らのラブソングは不思議と素敵な歌が多いです。悪役を演じる役者が街でちょっとでもいいことをするとメチャメチャいい人に思えるのと同じ理論ですな。古いバンドで、オリジナルアルバムは12枚を数えますが最高ランクはイングリッシュ・セツルメントの全英10位です。ただ、年を取っても作曲能力は全然衰えていません。そういった意味ではまだまだ現役のバンドです。この曲が収録されているアルバムは全曲がアコースティック&ストリングスで、非常に耳当たりが良く、リラックスして一枚を通しで聴けます。

【詞紹介】
 農園の収穫祭の様子を歌っています(そのまんまやね)。結婚式が行われるのですが、そこに新婦のことを好きな男が遠くから式を眺めています。で、その新婦がこの男をじっと見つめるわけですな。その向けられたまなざしが男には「本当はあなたのことが好き」という風に受け取れたわけです。「そのまなざしだけで自分は何年でも充分に過ごすことができる」と思って、男は旅に出ます。それが僕の脳内でのこの歌の解釈です。

【曲紹介】
 ピアノ一本をバックに静かだが力強いボーカルで、リフをワンコーラス。次のリフは途中でリコーダがお遊び風に入りますが、これはおそらく「フール・オン・ザ・ヒル」のパロディでしょう。そこにピチカートを主としたストリングスが加わって2番のサビ。ドラムのロールも入って段々と伴奏が厚みを増してきます。次の瞬間、中サビでポーンと転調して伴奏の厚みを全部取り除き、逆にボーカルの厚みをグッと増やします。アンディ・パートリッジという人がボーカルなのですが、この中サビは彼の持つ声の美しさのエッセンスが抽出されていて、聴いていると鳥肌が立ちます。特に出だしの「AND WANT A YEAR 〜」のところなど、天にも昇る気持ちになれます。空も飛べそうです。

【似合う風景】
秋。農園。夕暮れ。


第2位
chicago
hard to say i'm sorry(chicago 16収録)

 非常にオーソドックスな大人の夜のバラードです。

【バンド紹介】
 よく知りません(こんなことでいいのか)。イメージですが昔は結構荒くれな難解パンクバンドだったのではないでしょうか。しばらく低迷というか人気が落ち着いている状態が続いたのですがこの曲の大ヒットで再びスターダムにのし上がります。見事なカムバックでした。これ以降はボーカルのピーター・セテラの声の伸びを生かしたバラードを主体とするバンドに変身し、人気を博しています。関係ない話ですがこのピーター・セテラという人はカーター大統領に顔が似ています。

【詞紹介】
 大人の男と女がうまく付き合っていたのに知らぬ間にすれ違いから仲違い。でも僕を抱いて、素直にごめんって言えなかったけどやっぱり君と愛を育むよ、ってなどうしようもない歌詞です多分。でもこれでいいのです。ベタなんです要するにこの歌は。ベタがいいんです。よって歌詞は無難でありふれたこの線で充分なのです。捻った歌詞だったりしないほうがいいのです。

【曲紹介】
 ピアノとシンセベースとストリングスのからなるシンプルな伴奏の1番と、ドラムが加わってそれにバンド的要素が追加されるダイナミックな2番、最後はギターソロからストリングスに抜け、ピアノで締めくくるという非常によくできた構成の曲です。恐らくは売らんがための設計図通りの構成なのでしょうが聴いている方はコロッとこれに騙されます。それとボーカルのピーター・セテラの声が非常に美しい。これだけきれいな声だとバラード向きなのになんで難解パンクのようなことをやっていたのでしょう。この曲もやはり空を飛べるポイントがあって、「AFTER ALL〜」の部分です。2番で1回、2番で2回出てきますがそれぞれに違う味があって、どれでも空が飛べます。これを読んで「どんな曲だろう?」と思ったあなた、残念ながら絶対に聴いたことがある曲です、聴けば「あ〜あ〜!はいはい!」となるほど有名な曲です。

【似合う風景】
夜景。港。河口近くの川岸。


第1位
pogues
anniversarry(pogue mahone収録)

 アイルランド民族音楽風の非常に美しい曲です。

【バンド紹介】
 ちょっとややこしい表現ですがアイリッシュ民族パンクとでもいいましょうか。使っている楽器が民俗音楽で使われているもので、基本的にはアコースティックなバンドなんですが曲調は結構荒くれています。シェイン・マカバンという人が中心になって活動していましたがアル中でクビになりまして、新しいボーカルを加入させて活動を続けていましたがあまり売れませんでした。おまけに新しいボーカルもアル中になってしまい、現在は解散同様の状態となっています。作られる曲の特徴としては、民俗音楽が前面に出ているので、ボーカルラインよりリフや伴奏の方が印象に残ることが多いです。

【詞紹介】
 記念日の歌です(そのまんまやね)。うーん。実はこの歌、あまり歌詞をじっくり見たことがないのです。あまりにも書くことがないのでちょっと歌詞カード見てみます。なるほど。どうやら記念日の気候と風景を朝から順を追って描いているみたいですね。歌詞に「STRANGERS FROM DELHI TO DUBLIN」という一節が見えるので移民の歌なのかもしれません。サビは非常に単純「僕の心に愛をこめてあなたに捧げます、あなたの心を僕に下さい」アイリッシュの雰囲気にたゆたいながらこの歌詞ですから単純ですが味わいがあります。

【曲紹介】
 いきなり心つかまれますよイントロから。笛(ケーナか)やらストリングスやらバンジョーやらギターやらウクレレやら木でできている楽器という楽器がぎっちり詰め込まれています。変な言い方ですが木の温もりが感じられます。聴いていると体中の力が抜けます。とにかくリフの美しさですね、やはりボーカルラインより伴奏ですこのバンドは。サビはコーラスで女性の声も入りますがこれが非常に効果的です。前述の通り歌詞は単純ですが言葉の響きがメロディによく乗っています。空を飛ぶポイントは歌が全部終わった後、曲が終わるまでかなり長く後奏が続きますがそこの部分ですね。とにかく素朴で美しいです。

【似合う風景】
草原。晴れた空。白い雲。

 バラードっちゅなもんはあまり聴かないのですが、そういう人間が聴くバラードはやはりちょっと違った変なセンスの選曲になってしまいますね。ちなみに次点は

the beatles
oh!darlin

the police
every breath you take

です。普通はこっちのが上ですよね。ホントひねくれものだと自分でも思います。

(2003年8月9日)


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