尼崎競艇場徹底ガイド(新)


1.競艇場まで

 尼崎競艇場に行く方法は大きく分類して3つの方法があります。

1.阪神電鉄「尼崎センタープール前」下車、徒歩約5分
2.阪急電鉄「塚口」下車、無料バスで約20分
3.JR「立花」下車、無料バスで約10分

 詳しくは競艇場のHPを参照して下さい。なお、車による来場はお奨めできません。地方にある競艇場のように、渋滞するから、という理由は当てはまりませんが、場から遠い私設の駐車場で1日千五百円、間近にある私設だと数千円します。公設なら千二百円ですがちょっと遠いです。尼崎競艇場は交通の案内表示に全く出てきませんので、いかに場が車での来場を嫌がっているかがわかろうかというものです。電車で来て、ゆっくりと楽しまれた方がよろしいかと思います。


2.ファンロード
 まずは阪神電鉄「尼崎センタープール前」駅で降りる。すべてはここから始まります。改札へ降りると、景気厳しき折、柱の広告スペースに空きが目立ちますが、その中で燦然と、質屋の広告が輝いています。初めての、アコム♪でも、どうする?アイフルーでもなく、「質屋」です。なにかを預けないと、お金を貸してくれない「質屋」です。ここへ通う常連の中には、最早担保なしでは融資を受けられない人がいるということの証なのでしょうか、皆さんも注意しましょう。
 さて、改札を出て左手には、尼崎競艇場直通の通称「ファンロード」があります。近代的なデザインで、採光も考慮された明るい連絡通路です。上下左右がぐるりとコンクリートとガラスで囲われているので、雨風に身をさらすことなく競艇場へ到着することができます。ここは帰り道に名称が変わります、そう「オケラ街道」です。非常にベタで、いいですね。記念やSGなどの特別競争があるときは左側壁に出場選手の顔写真パネルがズラリと並んでお出迎え。一般競走のときは、お魚の写真が並んで水族館風です。階段が見えてきたらファンロードは終わり。テクテクと階段を下りると、以前は右手に巻きズシを売っているおばちゃんがいたのですが、今はいません。どうされたのやら。中央では「そうごうばんどうでえ」とこれまた声を出すおばちゃんがいます。この人は「総合版」という予想紙を売っています。「総合版」とは、スポーツ紙の予想した買い目がすべて載っているといういわば「他力本願」を地で行く予想紙です。左手には軽食堂兼呑み屋と、こちらは自力の予想紙3紙(ダービー、ニュース、研究)の販売店が軒を連ねています。外向前売り窓口を左手に見て、いよいよ正面ゲートです。


3.入場
 尼崎競艇場の入場ゲートは、駅にある自動改札機のようになっていて、機械に直接百円玉を放り込んで入場します。7レースぐらいに行くと、出てくるおっちゃんが再入場券を「ほれっ」と言って渡してくれることがあります。ありがたく受け取りましょう。また、朝イチに行くと案内ガール(正式名称知らず)のおねえさん方が丁寧にお辞儀して出迎えて下さいます。通りすがりに「けっ、うわべだけ頭下げやがって」と、身もフタもない言い方をするオヤジもいますが、知らん顔しましょう、でも言ってることはたぶん真実ですが。入場したら、なにはなくとも出走表、ここのは一般競走でも紙質はいいものを使っています。左へ行けば、暇つぶし用のパラダイスターン、マンスリー競艇ニュース、時期によっては選手手帳などの無料配布物が入手できます。荷物が多い方は、右にある手荷物預り所へ。ただし、傘は預かってくれません。身軽になったら、とにもかくにも安住の地、すなわち座席を取りに行きましょう。


4.観戦ポイント(新館2マーク側)
 観戦ポイントはいくつかありますので、順次紹介していきます。

新館1F(2マーク側)
 入場して左手の建物沿いに進めば目の前に全国屈指のまくり水面、尼崎センタープールがその姿を現します。水面に相対するのが白亜の豪華スタンド、2マーク側からスタートラインにかけての雄大な建物は新しく、快適です。1階の屋外スタンドは水面が近く、春秋のすごしやすい季節に最適。ピットアウトからコース取りの駆け引き、進入まで一連の流れが目の前で繰り広げられます。もちろん無料。水面に近い分迫力はありますが低い位置にあるため少々見にくいかも。

新館3F(2マーク側)
 その上の屋内席は3階にあります。入るためには建物手前にある長いエスカレータか階段を使います。ここも一般席なので無料。全面ガラス張りで冷暖房完備です。また、割と高いところにあるので、進入や2マークの攻防が全体的に良く見えます。夏冬の厳しい季節にはこちらでひんやりと、またほっこりと観戦されては如何でしょうか。
(注)
 この新館3F一般席は、2マーク側と大時計側で舟券の購入方法と喫煙ルールが違います。

2マーク側
購入方法:マークカードをおばちゃんに渡して購入
喫煙  :可能
大時計側
購入方法:マークカードを自動券売機に投入して購入
喫煙  :不可


5.観戦ポイント(新館大時計側)
新館1F(大時計側)
 スタートの瞬間を体感したい、という方はこちら。目の前に大時計があり、また大画面も正面にあるので、スタートの瞬間はナマで、レース全体は大画面で見ることができます。ただし、前述の通り1Fは位置が低いため、レースは見やすくありません。また、大時計そのものが邪魔になります。おまけにその周りには電飾だとか百葉箱なんかもあって見にくさ倍増。あまりおすすめ出来ませんが、大時計マニアの方はどうぞ。メリットとしてはスタート正面=ゴール正面なのでいち早く結果を知ることが出来ます。でも競艇でゴール前、といわれてもあまりうれしくありませんけどね。

新館3F(大時計側)
 ここはおすすめです。1Fと同様スタートの瞬間はナマで見ることができますし、ターンマークの攻防は大画面で見ることが出来ます。ガラス張り、冷暖房完備、高所にあるという点は2マーク側3Fと同じで当然無料。禁煙だから空気もクリーンです。デメリットを挙げれば投票が自動券売機だということ。空いているときはいいのですが混んでくるとプレッシャーは相当なものです。正確に記入されている分はもちろん購入できますが、記入に間違いがあるとその分はカードを突き返されます。心臓の弱いあなた、間違えた分を塗りなおして購入を続ける勇気はありますか?ありませんよね、その場合はあきらめましょう。いや、俺は順番を主張して買いたい舟券はすべて買うのだ!という方、がんばって下さい。ただし、後方からの罵声はハンパじゃありませんぞ。だから早めに買うか、面倒だけども購入だけは手売りの2マーク側でするかのどちらかですね。


6.観戦ポイント(特観)
新館5F(特観)

 長いエスカレータで3階へ上って、さらにもう一度エスカレータを使って5階まで行くと、そこが特別指定席です。2席1組でテーブル付き。テーブルの中央にはモニター画面も設置されています。3連単をはじめ新舟券の発売で一気に舟券の種類も多くなりましたが、手元のボタンでパチパチと画面を切り替えることにより、知りたいオッズをすぐに見
ることができます。相当高いところにあるので、水面が一望、とまでは行きませんがそれでもかなり水面全体を見渡すことができます。ソフトドリンクは無料、オレンジジュースがおすすめ。大時計側奥には庭園があります。ここはいいですよ、リラックスできます。2マーク側が手売りで喫煙可、大時計側が自動券売機で禁煙なのは一般席と同じです。


7.観戦ポイント(立ち見)

立ち見スタンド

 ここは強烈です。きらきら光る水面を左手に、白く輝く新スタンドを右手に1マーク側
へ進むとやがてスタンドは途切れます。それに代わって今までの景色とは全く異なるモノトーンというか、ワーシップグレーというか、華やかさとは無縁な光景が目の前に現れ、昭和40年代へタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。空が晴れていてもこのあたりだけ曇っているんじゃないかと思われるほど空気が一気に重くなります。ここの席(というか席はない)、わけがわかりません。まず場所ですが1マークとスタートラインの中間地点で、低いところにあるため、展示航走のチェックがしにくく、スタートの瞬間や1マークの攻防がはっきり見えるわけでもなく、1マークの立ち上がりは見えるものの、大勢が決するバックストレッチのスリット裏までは見えません。あと、恐ろしさすら感じる中途半端な勾配。ところがこんなところに朝イチに来て、新聞を敷いて場所取りをしているオヤジがいます。なぞです。ぜんぜんわけがわかりません。取り壊すとかいううわさは聞きませんが、取り壊されたときのために、記念に1レースぐらいここで観るのもいいんじゃないでしょうか。バクチで首までどっぷりと漬かったオヤジたちがうごめいています。


8.観戦ポイント(旧館)

旧館3F

 尼崎競艇場の観戦ベストポイントはここです。建物は古いですが、適当な高さにあり、
競艇の華、1マークの攻防をはっきり観ることができます。当然無料。吹きさらしなので夏は暑く、冬は寒いのですが、だからこそ逆に迫力満点の爆音を感じることができるのです。スタートライン付近からだんだんと大きくなるモーター音はターンマーク手前で最高潮となり、それに伴って緊張感もだんだんと高まってくるため、心臓が早鐘を打つようにドキドキしてきます。スロットルオフの静けさの後、再び爆音とともに激しい1マークの奪取戦が繰り広げられます。展開がバッチリとハマッて自分の買った2艇が他艇を振り切り、バックストレッチへ向かって走り去って行くさまを目の当たりにしたときなんて、ああた、ほんまにもう、競艇やってて良かった!ですよ。一度でもこの快感を味わったらもうやめられません。それとここの席はなぜか空いていることが多く、ゆっくり行っても十分座れます。とまあこれだけを書くといいことずくめのようですが、そうはいきません。まず雰囲気が立ち見スタンドのそれと変りません。あと観るときはいいとして購入するときが問題です。一階まで下りて買うわけですが、います、ノミ屋が。若くてそれなりの格好をしているとまず声をかけてきます。でもまあ、無視するか、ごめん、といって断ると次からは声をかけてきません。コーチ屋は私自身の経験ではいないです。っていうかいまどきコーチ屋なんているのか?ま、窓口が手売り販売だし、特に混んでいることもないので、やはりここはおすすめです。


9.観戦ポイント(かぶりつきで行こう!)
水面 2マーク側
 ここの競艇場は、2マークからピットに至るまで、よく見えるようにレイアウトされています。水面際の立ち見では選手の整列や敬礼のシーンも見ることができます。2マークがとても近く感じられ、6コースの選手がスタートラインに向かうときなど、本当に自分の真横を通過する感じです。また、2マークで握って回る選手がこちらに飛んでくることもあり、水しぶきがかかることもあります。選手間では、待機行動中にヤジや声援が一番よく聞こえるのはここだといいます。つまり、ここから声援を送れば、それは選手に届きます。とにかく選手を間近に感じたい方は、2マーク、おすすめです。


10.観戦ポイント(ロイヤル)
番外 新館7F(ロイヤル)
 ここだけは一度も行ったことがありませんので、知識として知っていることを以下に書いてみます。なぜ行ったことがないかは読んでみればわかります。

1.年会費は20万円(最近12万円になったらしい)
2.一回入場するごとにさらに3千円必要
3.ビジターの場合は会員同伴の上、5千円必要
4.マークカードの配布とか購入はおねえちゃんがやってくれるら
  しく、飲物なんかも運んでくれるらしい。

 だれか行ったことがある方、情報下さい。


11.エキサイティングルーム(ファンクラブ会員席)
 ホンマのホンマはここが実は最上の席なのです。机と比較的ゆったりした椅子があって、1マークの攻防が高いところからよく見えます。おまけにガラス張りの冷暖房完備、窓口も1分以上並んだことがありません。ただし席に限りがあって先着順で5、60人しか入れないので朝早くに行く必要があります。ついでにいうとここエキサイティングルームの常連オヤジ達は非常に「濃い」です。ちょっと近寄りがたいところがあります。
 ここは会員席なので利用する為にはまず尼崎競艇ファンクラブに入会しなければなりません。年会費五千円ですがタイトル戦以上だと入場券が郵送されて来ますし、特観の指定席券が2枚特典で付いてきます。パーティや抽選会等のイベントも盛り沢山で元はあっという間に取れます。例年3〜5月ぐらいに募集がありますので、尼がホームプールで月イチかそれ以上のペースで来場される方は是非会員になってみて下さい。そして僕と一緒に行って常連オヤジ達に対抗しましょう。


長々と書きましたが、お好みの観戦ポイントは見つかりましたか?席を取ったら、いよいよ出陣です!


12.展示が始まるまで
 出陣!といきおいこんでみたものの、朝イチから来られた方は本番まで間がありますよね。しかし、退屈はさせません。まず、昨日行われたレースのダイジェストが流れますが、注目はそのオープニングです。エキサイティングレース!と銘打ってクラッシュシーンが連続して放映されます。エキサイティング!ゆうてる場合ちゃうやろと思ってしまうシャレにならないような大クラッシュも流れます。引き続きレースダイジェスト、今日の舟券作戦の参考にしましょう。
 その後、1、2、3R出場選手によるスタート練習が各2本づつ行われます。進入想定にお役立て下さい。なお、これより先に10、11、12R出場選手によるスタート練習が行われますが(一般入場者は見ることができない)、その模様は当該レース発売前に放映されます。1、2、3Rのスタート練習は朝イチから来ている客のために。10、11、12Rのスタート練習は本場に遅くまで残っている客のために。気が利いていると思います。
 それが終わったら、なにはなくとも朝に来た人しか聴くことができない「熱き鼓動(勝手に命名)」を聴きましょう。

♪ちゃらららちゃららら〜ん(エレキギター)
♪ゆめを〜(かなり中略)探してる〜♪
♪じゃじゃん!(エレキギター)
選手たちの、熱い鼓動が聞こえる!(せりふ)

この曲が流れている間、場内テレビおよび大画面には兵庫支部選手のピット風景やレースの映像が流れています。星野政彦選手の笑顔が印象的です。あとは、1Rの展示航走を待つばかり。「大変長らくお待たせ致しました。只今より、第1レースの出場選手を、ご紹介致します」きたきたきたきた〜!がんばりまっしょい!


13.スタート展示
 尼崎のスタート展示は、1Rの場合は展示航走の直前、それ以降は当該レースの前レース締切5分前に行われます。例えば2Rのスタート展示は1Rの発売中に行われ、締切5分前に開始される、という具合です。実況はなく、スタート区分の放送がありスリット写真が放映されますが、これらは当該レースの展示航走後にVTRで詳しく放映されますのでそっちを見れば充分です。締切前であたふたしているところへ無理に生で見る必要はないと思います。


14.食事(松竹梅)
 さて、安住の地を定め、実際に舟券を買ってみて窓口の混み具合、オッズを見る場所など舟券購入の感覚をつかんで落ち着いたらメシにしましょうか。舟券成績別、松竹梅の各コースを紹介します。


 もう勝って勝って笑いが止まらないという方は新館2Fのレストラン、水月へ行きましょう。ここはレストラン風の造りでゆったりとできますが、ラーメンが500円でカツカレーが850円します。ほかにも定食などが各種取り揃えられております。ごゆるりとどうぞ。ちなみに僕は行ったことがありません。


 ま、ぼちぼちやってますわ、というくらいの浮き具合の方、最近まで場外発売の専用窓口があった大きなレンガ造りの建物が新館の裏にありますが、さらにその裏に5件ほどが軒を連ねる食堂街があります。そのほとんどはシャッターを閉めたままです、一軒だけ開いている店があります。そこの日替わり定食が800円。僕が行くときはなぜか煮魚がメインで、あとは小鉢と味噌汁とご飯。ポイントはご飯で、これが大盛りなんですよ。競艇場というロケーションで腹いっぱい食って800円。これはいいですよ。


 ちょっと沈み気味、もしくはあまり腹が減っていないという方には同じ店のラーメンが400円。少し前までは隣の店でもラーメンを扱っていて、正直なところこちらの方が味はちょっと上でしたが、新館のレストランに吸収されて500円になっています。当時、このうまい方のラーメンは店の中で食べなきゃいけませんでしたが、今も売ってるほうの店は外で立って食べることができました。外でラーメンすすりながらオッズなんか見ていると雰囲気がなんともいいんです。だからその日の気分で味を選ぶか、雰囲気を選ぶか選択できたんですが、いまはこの店だけ。ま、味の違いといってもたいした差はありませんからお気になさらぬように。


15.食事(かれすすき)
かれすすき
 松竹梅の下が何なのかは知りませんがこの表題で合っていると思います。もうメシを食う財力も気力もないという方、尼崎には強い味方がおります。そう、多幸焼です。見た目はたこ焼き以外の何者でもありませんが、中にたこが入っていません。代わりにこんにゃくが入っています、だから蛸焼きではなく「多幸焼」。6個100円、味はおいしいです。しょうゆとソースで100円ずつ買うのがおすすめ。あとは立ち見スタンドと1マーク側スタンドの中間地点裏にある食堂のごぼてん。2本150円でやわらかく煮込まれていて、だしがごぼうの芯までしみ渡っています。からしを付けてほうばりましょう。ここまでの範囲で食べられるだけ食べて、あとはタダ茶をガブ飲み。後半レースに望みをかけて、なんとか人並みの松竹梅の方々と肩を並べられるようになりましょう。多幸焼やごぼてんは「おやつ」としては最高ですが、それを「食事」とカウントしなければならないところに、「かれすすき」の悲しさがあります。もうひとつ、実は僕食べたことがないのですが、喜久屋という食堂のお好み焼きがうまいそうです。また実際食べたらレポートします。


16.舟券作戦(スタートまで)
 さてさて、今までは観戦重視の案内をしてきましたが、これからはちょっと舟券購入をメインに据えて、尼崎競艇場の水面特性などを紹介します。

水面
 水質は淡水です。波がほとんど立たない静水面です。広さそのものは広くもなく狭くもなく、標準的なところじゃないでしょうか。若干BS側が広く、HS側が狭くなっています。風はゆるい向かい風、つまりまくりごろの風が吹いていることが多く、これまでの条件を考え合わせれば静水面、広いBS、向かい風とその名の通りセンターが強いセンタープールとなるわけです。

ピットから
 1マークと2マークのほぼ延長線上にピットがあります。小回り防止ブイまでの距離があまりないので、ピット離れの差は出にくいと思います。内規でイン艇は2マークから正面に向かっていくらの距離(旗2つぶんだったかな?)以上離れてはいけないと決まっているので、懐を充分に取ったインというのはありえません。外側は助走距離があまり取れないのでタイミングが難しいといいます。

SKS
 ここの競艇場は独自のフライング防止システムを採用しています、その名もSKS(スタート感知システム)。住之江で使われているFKS(フライング警報装置)もフライングの防止という意味で目的は同じですがシステムが違います。FKSはフライングになるであろうタイミングを自動的に計算するので、「鳴ったのに放らなかったら必ずF」です。一方SKSは、選手が練習中に自分の起こし位置から、スリットに至るまでの時間を自動的に入力させた数値を使用するので、練習時と本番で起こしの位置や風向き、エンジンの調子などが違えば信頼できるものではなくなってしまいます。つまり「鳴ったのに放らなかったけどFにならなかった」ということが起こりえます。操作が難しいらしく、遠征勢には嫌う選手が多いようです。強豪、植木選手もこれにはてこずったとか。助走距離が変動するイン水域よりもはっきりした助走距離が取れるアウト側の方がこの機械は扱いやすいような気がします。


17.舟券作戦(スタートから)
1マーク
 BSが広いため1マークは思い切り全速で握って行けます。まくりの効く水面なので、外からでもレースになります。選手の側からすると5コースまでなら充分勝負権はあるそうです。ただし、競艇の哲理であるインの優位性はゆるぎません、コース別勝度数は142356の順。インが最強であることに変わりはないのです。1マーククリア後、立ち上がってからのBSは内側の伸びがいいようです。6コース進入の選手が最内をずっぼーんと差してBS伸びきり、穴をあける、ということもちょいちょいあります。

2マーク
 逆転は結構あります。さすがにアタマは1マークで決まることが多いのですが、ヒモは2マークを周ってみないとわかりません。よほど離されていない限り、わーっと2マークに殺到して、くるっと周ったら5位からヒモになっていたなんてことも珍しくありません。だから「ヒモがちがったー!」となっても、2マークまではあきらめてはいけません。逆に「できたー!」となっても、2マークまでは気が抜けません。注目の選手など あくまで自分の経験と感覚でですが、センタープールで強い、といえば星野政彦でしょう。特にインを取ったときなどは鬼のように強い印象があります。星野のイン戦になりそうなときは堅くてもちょっとだけ買って細かく増やし、穴になりそうなレースで勝負!という運用の仕方がよいかと思われます。あとは兵庫支部長の西島洋一。なにげに連に絡んで来ます。人気薄のときにヒモか3着を人気選手との組み合わせで買う。どうにも買えないと思っても押さえで元返しとなるように買うのがよろしいかと。高配になることが多いので見切って来るとなんとも悔しい選手ではあります。


18.お帰り
 帰りにでも見ればいいかといったものは、まず選手の顔写真。正門入って左ですから帰るときは右手になります。入り口に近い方が今節、遠いほうが次節出場選手です。ここの写真、古いです。黒髪短髪時代の山崎智也なんかが見れたりします。来ればの話ですけどね。その選手写真掲示板と水面との間ぐらいに普通の掲示板があって、以前はここにボートが展示されていたのですが今はありません。あとは滝の広場ぐらいですかね、といってもここの滝壷にはハズレ舟券、スポーツ紙の切れ端、出走表などがたくさん浮かんでいて、きれいな状態を見たことがありません。さ、帰りましょうか。JRか阪急で帰る方は左手に無料バス乗り場があるのでご利用下さい。阪神で帰る方は右に曲がって今度は「オケラ街道」を進むことになります。その手前に、行きにはいなかった、道端で細かい手品を見せたり、レースの評論をしたりして、話で引っ張った挙句、最終的に出目乱数表のようなもの出してきて売る人がいます。話ぐらいは聴いてもいいでしょう。買う?ご自由に。ファン通路への階段を少し左へ外れてみると大概ヤクルトおばちゃんがいるので「ジョア」でも飲みながらちょっと愚痴ったりすると多少は癒されるかも知れません。帰りは行きとは逆の、左側の壁沿いにあるシュールな未来ボートの絵を見ながら歩きましょう、しばらくすると「なにかを訴えかける動物たち」と題された、なにを訴えているのかわからない動物が描いてある絵があったりします。
 今日も1日楽しかったですね。電車が動き出すと、センタープールが車窓からチラッと
見えます。余韻に浸って帰りましょう。

−了−

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