オルトさんの Has His Say

サステイナビリティというのがわかりにくいという読者からの指摘に答えて、
このコーナーでは日々のニュースをサステイナビリティの視点からコメントしていきたいと思います。


第10回 真の改革とは?

○○改革やXX改革とよく言われ、よく聞きますが、それらが本当に「改革」
の名前に値するものかどうかよく吟味する必要があります。

真の改革かそれとも偽りの改革かどうかを見分ける一番簡単な方法は、
その改革案に対する反対が強いか、弱いかで見分ける事が出来ます。

真の改革は強い抵抗や反対にあいますし、又、それらは避けられないものなのです。

なぜなら、真の改革は資源(人、物、金)を既得権益者(既得権益団体)から
奪い、奪った資源を新参者(団体)あるいは既得権益者以外の人(団体)に
振り向けることを意味するからです。

振り向ける割合によって、大改革(100%)、中改革(50%)、小改革(20%ほど)と
分けることができます。戦後、米国指導で行なわれた土地改革は大改革の典型的な例です。

したがって、抵抗を少なくする為に まずパイを大きくし、そして既得権益者への配分を
減らすやり方は改革とは言いません。

例えば、国債を発行することで まず取り分のパイを大きくし、発言力の弱い既得権益者の
取り分を減らし、発言力の強い既得権益の取り分を現状維持に保つことで、全体として
既得権益者の取り分を減らすようなやり方があります。
これは「改革」とは ほど遠いやり方です。

真の改革とは、国レベルでは、特殊法人、指定法人、認可法人などの再編や解体によってできた
余裕分(人、物、金)を21世紀に相応した新分野に振り向ける、あるいは減税することで、
法人や個人にその余裕分の使い方の選択肢をまかせることを意味し、
地方レベルでは外郭団体などの再編や解体を意味します。

より具体的には言えば、真の改革を行なえば、短期的には家族の一員、親族、知り合い、
友達の友達などの少なくとも一人が不利益を被る可能性が高くなります。もちろん、2〜3年後には
景気は本格的に回復するでしょうが... 
それでも あなたは次の世代のために あえてこの真の改革を支持しますか?
(5/29/2003)

オルトさん