めーめーさんと皇女様



「オレが淹れた紅茶も美味しくなったよな。ソニックに教えてもらったんだぜ」
「このお茶を、皇女様にも?」
「そーなんだ。こいつをブレイズに淹れてやったらすごく驚いてさ。理由が解っただろ?」

 少し昔のこと。
 皇女様には一般に存在を伏せられている別胎の妹がいた。身分は隔てられたが、幼少より仲睦まじく育った妹姫。
 その妹姫が淹れる紅茶が何よりお好きだったそうだ。
 けれど。城内での事件に巻き込まれて妹姫は死んでしまった。

 そう思っていたのに、この屋敷でメイドとして働いていたとは。
 どのような事情で浮浪児のように生きていたのかもわからないけれど、生きて会うことができて、よかった。

 姫君たちの再会を喜んで話すご子息様は、「城内での事件」についてはご存じ無いのだろう。
 今、話すべきか、シャドウは迷ったが、結局は口をつぐんだ。

「アイツ、城へ行っちまうのかな? いつまでもここでメイドって身分じゃなかったもんな」
「ソニックが死んでいた方が都合のいい場合もあります。ここに留まるか否かは彼女が決めるでしょう」
「でも、アイツ今ブレイズの部屋行ってるだろ?」

 シャドウの息が止まる。
 噴き出す嫉妬の色をご子息様に見られぬよう、顔をそらした。








 ほのかにスズランの花の匂いがする。ブレイズの母親が好んだ香りだ。そしてブレイズもそれが似合う。
 やわらかな腕に抱きしめられながら、ソニックは目を閉じる。
 しゅるしゅると布地が動いて、メイド服が肩から滑り落ちてゆく。

「ソニック…死んだなんて信じられなかった…私がどれほどお前を探していたか、わかるか」

 やさしい口づけ。
 くちびるが離れ瞼を開くと、欲情に色付いた皇女が寂しさと厳しさの混じったまなざしでソニックを見つめていた。

「ブレイズ…ねえさま」

 今度はソニックがブレイズに口づけ、舌を伸ばして彼女を求める。それに応じて絡み合う器官からは、ぬるい唾液がぽたりぽたりこぼれ落ち、ソニックの胸元を濡らした。
 あの頃よりも上手になったと言われたかった。
 皇女の手がソニックの下着に滑り、コルセットの紐をほどいて落とす。現れた小ぶりな果実と、その先端にある粒を手のひらに包まれて、ソニックはシャドウとの情事を思い出して混乱してくる。

「…あっ…んんっ…やめ、シャ……」
「やはりあの男と寝たのか。…忌々しいことだ」

 ソニックからは見えづらい場所、胸のふくらみの下の方に赤黒い内出血の跡が2つ。
 ふくらみの先にある桃色の小さな粒をペロリと舐めて、ソニックが震えたところを指先で強くつまみあげる。痛みとそれ以上の官能にソニックが悲鳴を上げるのをブレイズは心地よく聞いて、シャドウが付けた所有印を上から消してゆく。
 ブレイズがガーターベルトにレースを掛けないように下着を下ろすと、ベッドにソニックを押し倒した。
 自身の秘所をソニックの顔に跨ぎ、彼女はソニックの秘所を下着の上から触れる。布地越しにもしっとり濡れたそこを、嫉妬含みの残念な気持ちでさすりあげる。

「あっ、ああっ! ねえさま…もっと、直にさわってください!」
「昔のままだ…かわいいなソニック。私のも舐めてくれ。もう、待ちわびてる…わかるだろう?」

 こくりとうなずいて、ソニックが奉仕を始める。
 以前はたどたどしかったが、今は女を知ったのだろう、ただ表面を舐めるだけではなく尖りを念入りに吸い上げ、ブレイズも歓喜の声を上げさせる。
 お返しにソニックの下着をずりおろし、愛液をあふれさせる場所にそっと白く長い指を沈めてゆく。短い悲鳴とソニックの奉仕が止まることで、感じていることがわかるけれど、あまりに抵抗なく指を受け入れたことはやはり少し残念でもあった。
 けれど、これなら。

「ソニック…ねえ、ソニック。あの頃ならここで終わったけれど、今ならその先へ行っても構わないだろう?」
「…んあ、…ね…ねえさま?」
「いいものがある。あの時から私はこれが手放せなくなったのだ」

 ブレイズがとりだしたのは、かつてソニックがブレイズの処女を奪ったときに使ったディルトだった。
 男性の形を模した滑らかな一端と、中央の柔らかな部分を過ぎて、沢山のパールで飾られた握りにもなる一端。

「こちらのパールの、大きな方をお前に挿れてあげる」
「あん…、あ、いやあ!!いっ、硬いぃっ……ねえさ、あああん!!」

 途中、抵抗があるけれど、ぐるりと張り型で中を掻きまわすと、ソニックの善がり声と一緒に奥へとずぶずぶ沈んでいく。
 半分まで沈めて、ブレイズも反対側のまるみを帯びた部分を、自身の中へ埋めていく。少しの振動でもソニックが感じて震え、それがブレイズにも伝わり、気が狂いそうな快感が二人の中心から生まれてくる。

「かわいい、かわいい、わたしのソニック…」

 やさしいブレイズの声に、ソニックの瞳から涙がこぼれおちた。
 何に対しての涙だったのか。あまりに多すぎる理由。
 皇女を、姉を、もう二度と傷つけてはいけなかったのに。

「ねえ、さまっ、はあぁっ」
「いいぞ、ソニック!もっと、んぁああっ!」

 ふたり、ディルトを深く飲み込んで、上と下の口で、水分過剰のキスを何度も繰り返す。

 今は、何もかも忘れてしまいたかった。











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ブレソニがどーしても書きたかった!の巻〜〜wwww

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