めーめーさんとゆめみるおとめ



 ふたりで使う、使用人部屋。
 やっと仕事を終えたふたりのメイドが帰ってきて、味気ない部屋にぱっと花が咲く。

「今日も疲れたわねー。ホンット、シャドウったらこき使うわよね!」
「そうだなー。窓枠磨きのやり直しを2回もさせられたぜー?」
「あんなとこ誰も見ないわよねー! あ、ソニック、背中のボタン外してー」

 エミーがエプロンを外しながら、ソニックに背を向けた。
 いつも通り、メイド服のボタンを外してやると、明らかに胸のあたりの締め付けが楽になるのがわかる。

「エミー、胸大きくていいなー」
「やだー!太った!?」
「No! No! 着やせしてるじゃないか」
「ソニックはほっそりしてていいわよね」

 脱いだメイド服を壁のハンガーに吊ると、エミーはソニックのメイド服を脱がせてくれる。

「でも、せめて出るトコが出てほしいんだけどさ」
「あらー? シャドウはソニックの胸が好きなんでしょー?」
「ええ!? な、なんで?」
「フフーン。…証拠が、ここに!」

 ソニックの肩から落ちるメイド服と一緒に、エミーは下着まで引き下ろした。あらわになるふくらみの、その下側にキスマークが二つ。

「お、わあっ! 何!?」
「見えづらい? おっぱい、ぐーっと引っ張って覗いてみたら?」
「えー? お…、おー! あった。そういえば、よくシャドウがここに吸いついてるなーって思ってたんだ」

 エミーが楽しそうに笑う。エミーの方が年下なのに、ソニックに対してはいつも姉気取りなのだ。
 ソニックもメイド服を壁に掛けて、下着の上にパジャマ替わりのシャツを一枚羽織る。
 が、エミーはどんどん脱いで行って、パンツも脱いで、あっという間に裸族の人だ。

「なあ、エミー。やっぱり、パンツくらいは穿いた方がよくないか?」
「どうして? 洗濯物が増えるじゃない」
「それは、そうなんだけど…」

 確かに、エミーの洗濯物は少ない。なんだかんだと汚してしまうソニックとは正反対に。
 一度だけ、ソニックもエミーの真似をして全裸で寝てみようとしたのだが、どうにも恥ずかしくなって、気づけばシーツが濡れて、余計な洗濯物が増えてしまったのだ。

「なーんか、エッチな気分になったりしないのか?」
「…わたし、彼氏いないもん。あーあ、ソニックが男の子だったらよかったのにー! 最初に見た時、絶対男の子だと思ったのよ!」
「お屋敷に連れてこられた時か? あの時は男のカッコしてたもんな」
「でしょー? 可愛い男の子が来て、絶対猛烈アタックよ!って決めてたのに、次の日には女の子になってるんだもの。ガッカリ」

 これにはソニックも苦笑するしかない。最初から女だと見抜いていたご子息様がスゴイ。
 ってゆーか、エミーはソニックみたいな男の子が好みだということは。

「なあなあ、ご子息様は? 恋愛対象にはならないのか?」
「えー? 確かにご子息様もかっこよくて可愛いけど、わたし年上のヒトの方がいいなあ」
「じゃあ、シャドウは?」
「いやよー! 真面目すぎるし、怒ったら怖いし。なんでルージュもソニックもシャドウがいいのかしら」

 エミーがシャドウを恋愛対象から外した理由に笑いながらも、続く言葉に、ああ、やっぱりなーとソニックは思う。
 シャドウは女慣れしてる気がしたけど、相手がルージュだったら納得だ。

「シャドウとルージュって長く付き合ってた? 知ってる?」
「わたしがお屋敷に来て1年くらいだけど、その間ずっと恋人っていうよりはセフレでしょ?」
「それも、ルージュがシャドウを食べちゃうような感じ?」
「そうそう! 満足させなさいよって感じ!」

 それで、シャドウが完全にルージュを満足させてたら、セフレじゃなかっただろう。
 ルージュの要求は高そうだし、前にお屋敷に滞在していたお客様は、ひょっとしたら絶倫の域だったりしたのかもしれない。

「ルージュ強いなあ。オレなんか、……満足しちゃうのに」
「それはソニックとシャドウの、カラダの相性がいいんじゃないの?」
「エミーって…ホントに彼氏いないのか?」
「いないってばー! 誰か紹介してよ。かっこよくてかわいくて、賢くて優しくて、わたしをずーっと甘やかしてくれるみたいな彼氏!」

 言いながら、エミーはホワワ〜ンと夢を見る。
 小柄でかわいくて、ソニックよりずっと女の子っぽい身体つきで、オシャレも上手。
 だけど、なんで彼氏がいないのー? っていうと、やっぱりエミーの押しの強さが原因なんじゃないかなーとも思う。言わないけど。

「いつか必ず運命の人を見つけるんだから! それまでにいっぱい自分を磨かなきゃ」
「オレも自分でおっぱい大きくしよう…」
「あ、わたしが教えてあげたソレね、好きな人に揉んで貰わなきゃいけないんだって!」
「…あんまり大きくならないぞ」
「…実行してるのね」

 がっくりと肩を落とすソニックに、エミーはちょっぴり同情してしまうけれど、シャドウの好みは感度のいい子、って言うのは教えてあげないことにした。
 エミーがランプの明りを小さく絞ると、おやすみなさいの合図。
 隣同士のベッドにふたりしてもぐりこむ。

「わたし、思うんだけど。裸で寝るよりも、シャドウのシャツを着て寝るソニックの方がエッチな感じじゃない?」
「な、なんで!?」
「だってー! 彼氏に抱かれて眠るみたいじゃない? うふふ。おやすみっソニック♪」
「お、お、お、おやすみ…」

 明りを消して、エミーはすっと眠る。眠ったふりをする。
 そうして、しばらくすると、ひとりエッチに更けるソニックの、押さえがちの乱れた呼吸が聞こえてくるのだ。
 あー、うらやましいなーわたしも彼氏欲しいなー。と思いつつ、まだ見ぬ彼氏を相手にエミー自身も乱れる様子を想像してみる。
 けれども、それもエミーには結構難しいのだった。














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R15程度かな?

こんな会話する女子友達っているよねえ?www
この二人にルージュを混ぜたら、またまた濃い〜〜だろうなあwwww


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