めーめーさんとおともだち



 うわああー!
 がしゃーん!

 勉強の休憩中だったご子息様に気分転換用の珈琲を出しながら、シャドウががっくり項垂れる。

「シルバー様、今度はどんな悪戯をしたんですか」
「別に。ちょっとランプの油を零しただけさ」

 対照的にご子息様はとても楽しそうだ。メイドのソニックに悪戯を仕掛けては、怒ってケンカしにくるのが嬉しいのだ。
 大怪我をさせるような悪戯じゃなくて、ちょっと気を付ければかわせるトラップなので、シャドウやルージュはすぐに気付くのだが、ソニックは初回は絶対引っ掛かる。

「お屋敷の貴重品などは壊さないように」
「わかってるよ。皿に限定してる」

 かつては人を招くことも多かったらしいこのお屋敷の食器棚には、使われなくなった皿がぎっしり詰まっている。
 棚の方が食器の重みに耐えかねそうな事態で、まとめて捨てようという話もよく出る。それを聞いたご子息様が「処分の手伝い」を始めたのだが。

「皿以外の、グラスなどは壊さないように」
「グラス? オレは関係ないぞ。ソニックが壊してるんだってば!」

 あの不注意者め。舌打ちしたい気分を押し込めて、当初の目的だった電報をご子息様の手元に置いた。

「…ん? エキドゥナ……? ナックルズがうちに来るのか!?」
「ご主人様と何かご相談があるようですね」
「やった! 友達なんだ! 遊びに来てくれるって本当だったんだ!」

 跳ねまわりたいほど嬉しそうなご子息様に、早く勉強を終わらせなさいと申し上げてから、シャドウは部屋を辞した。

 そして先程、モノの割れる音のした方へ向かう。
 サロンにつながる小部屋で、それを見つけた。
 割れた陶器の破片を塵取りに集めて、絨毯の上に小さなカケラでも残っていないかと四つ這いに…頭だけを絨毯すれすれまで近づけ尻を高く上げている、青いハリネズミのメイド。
 パンツがまるみえだ。…凝視すれば、二つの柔らかな丘に挟まれた泉の湧く谷まで見えてくる。

「ソニック」
「あーシャドウ? またシルバーの悪戯に引っかかっちまって…もう落ちてないかな?」

 シャドウを振り返らずに、まだ破片を探して床を確かめているソニックの、尻の動きに理性が死んだ。
 サロンと小部屋を仕切るカーテンをシャッと締めると、ソニックの尻の後ろにかがみこむ。

「不注意すぎるぞ」

 そういって、まるみえのパンツの上からシャドウが噛みつくような愛撫を始めた。

 部屋の外には、割れた破片のぶつかりあう音だけが時々洩れた。







 その日はルージュのメイクが完璧だった。
 お客様のお相手はご子息様、サポートはシャドウとルージュでするというので、ソニックは掃除をサボりつつ広間の窓から人が動く波を覗いている。

 すっかり親友のエミーからたくさん情報を貰っている。
 お客様は最初お二人の予定だったけど、パチャカマ様が急なお取引の為に来られなくなったこと、当家にいらっしゃるのはナックルズ様だけだ、ということ。
 エキドゥナ家は貿易をやっていて外国の話に興味があること。ナックルズ様がフランスで育ったご子息様の話を喜んで聞いてくださるので、社交界で不慣れなご子息様の親しい友人1号だ!ということらしい。
 ご子息様に案内されながら、当主ロボトニック伯爵の居室、っていうか研究所に移動してゆく一行に、ソニックは手を振って見送る。

「あいつ、ビックリするだろうな。伯爵が城勤めだった頃、散々悪戯してたから」

 伯爵との商談が一発で成功するとは思えない。イライラしながら何度も伯爵に頭を下げるナックルズ様が容易に想像できる。
 伯爵が満足するまで遊ばれるだろうから、きっと滞在は長くなる。身を隠しておくのが不可能なら先手を打つべきだ。ソニックは急いで掃除道具を片付けて、厨房へ向かった。
 とっておきの紅茶を出せば、あいつは絶対気づくのだ。
 頃合いを見て茶器の準備を整えサロンに続くサンルームに行くと、思った通りナックルズ様は複雑すぎる表情。
 ソニックは笑いだしたいのを堪えて、お茶を淹れたトレイを部屋の隅に控えていたルージュに渡した。

「アンタと当主が知り合いだったなんて知らなかったぜ」
「オレだって知らなかったさ! 昔はずっとあだ名で呼んでたんだ。クソッ、今更アイツに頭下げるのかよ…」

 頭を抱えるナックルズ様と、その様子が面白くて笑顔のご子息様の前にルージュがお茶を並べる。
 いつも通りカップを手にしようとご子息様が身動きし、揺れる空気でその香りがナックルズ様の鼻を動かした。

「ん? この香りは…?」

 慌ててひとくち飲んで、それを運んだルージュの腕をがっしり捕まえた。
 これにはさすがにルージュもちょっとビビる。

「この紅茶は、お前が淹れたのか?」
「ち、違うわ。これは、新しいメイドの子で」

 ルージュがナックルズ様の腕を解こうと後ろを振り返った先には、部屋の隅でおとなしく控えている青いハリネズミのメイドがいた。
 ナックルズ様は白目をむいて倒れそうな勢いで飛び上がって驚いた。ゆっくりとした動作で、右手の人差指をメイドに向けて口をパクパクさせる。
 そのメイドは、といえば、ビックリするほどの悪人顔でナックルズ様に笑いかける。

「何か言ったら、アノコトをバラす」

 今度こそ、倒れそうな程、顔面を蒼白にしてナックルズ様がへたり込んだ。
 サプライズが強すぎたかな?とソニックが舌を出してサロンから消えると、本当に卒倒したらしいナックルズ様を介抱するご子息様とシャドウ・ルージュの叫び声が屋敷中に響き渡った。







 その後、数日は静かなもの。
 ナックルズ様は自ら所有する貿易船の航海距離を伸ばすため船に武装を施したく、以前国の軍備を一手に引き受けていた伯爵に設備の設計などを頼みたかった。
 けれど、相手は子供のころは知らずにいたずら三昧を仕掛けていた相手。ここぞとばかりにネチネチと嫌みの仕返しを毎日聞かされ、交渉の返事を延ばされている。
 イライラする上にさらに悩みを深くしているのが青いハリネズミのメイドだとわかるのだが、それもあえて避けている様子。
 気晴らしになっているのか、ご子息様を相手に散歩ばかりなさっている。
 当のソニックもナックルズ様のことは知らぬふりをする。「アノコトをバラす」の呪文は絶対だった。ソニックはエキドゥナ家を失墜させるほどのネタを握っているのだ。今さら言わないでくれと懇願するより、平穏な日々を継続させる方が良策だ。特に、ナックルズ様にとっては…。
 さすがにお客様の滞在中にはエッチなこともせず(ルージュは毎夜お客様のところへ行ってるらしい…とエミーが教えてくれた)、とりあえずソニックはおとなしく、ときに騒がしくメイドをやっている。
 一度シャドウが件の発言について問いただそうとしたのだけれど、ソニックは強い意志を持った瞳で、

「言えない」

 そう一言。それ以上は聞けなかった。
 …シャドウが気圧されたのだ。
 嘘は言っていない、それを信じるしかなかったし、嘘はないと信じたかった。







 じりじりと滞在の日々が伸びてゆく。
 その日は、ご子息様とナックルズ様が敷地内の森に出かけていた。
 メイドたちが屋敷でお帰りを待っていると、ご主人様の研究室から子狐の少年、テイルスがおずおずと出てきた。彼の生活パターンは深夜から明け方が活発になるので、昼間に顔を合わせることは珍しい。

「あの、お客様はどちらにいらっしゃいますか?」

 はにかみながらも丁寧な口調に、同僚なのになあとソニックが苦笑する。

「お客様ならご子息様とお散歩だぜ。何か用か?」
「はい。これをお渡ししたいんです。ボクが作りました」

 テイルスが差し出してきたのは、金色の懐中時計…裏側には小さな羅針盤も仕込んである。あの伯爵の助手が作ったのなら、仕掛けは他にもあるかもしれない。

「森に行ってるから、渡してきてやるよ」
「そうですか! ありがとうございます。ボクはまた研究に戻らなくちゃいけないんです」
「熱心だな。あの伯爵と一緒で楽しいか?」
「フフ…。頭脳は世界最高です」

 苦笑した子狐から懐中時計を受け取るとそれをポケットに入れ、ソニックは森に向って走り出した。
 花の庭を抜け、植栽の整った林を過ぎると、人の手があまり入っていない森がある。
 この季節でナックルズ様が好む遊びといえば、と考えながら細い小道を駆けゆくと、小さな湖沼にかかる桟橋へたどり着いた。そこにあるべきものがない、ということは。

「おおい」

 と呼ぶと、割と近くの雑草の影から「おおい、ソニックか?」とご子息様の声がする。
 しばらく待っていると、オールをきしませながら、二人が乗ったボートが桟橋に近づいてきた。

「釣れたか?」
「俺が1匹で、ナックルズが3匹。もう逃がしたけどな」

 ご子息様が投げたロープをソニックが受け取り、桟橋の杭に引っかけると、舟のふたりが上がってくるのに手を貸した。
 どれほどの大きさの魚を釣ってその時の様子がどうだった、と楽しそうにおしゃべりを続けるご子息様と、それに応えるナックルズ様。とても仲良くなったのを、ソニックは胸の奥で喜ぶ。
 ふと、からっぽになった舟にキラリと光るものを見つけた。ご子息様が身につけている金輪のブレスレットだ。釣りの時にはずしたのだろう。
 ふたりはお喋りしながら屋敷への道をゆっくり戻り始めている。
 水は嫌い、というか、怖いのだが、忘れものを取りにボートに乗るくらいなら大丈夫だろう。風に流され桟橋から離れかけたボートに、えい、と飛び乗った。

「おわああっ!!!」

 パシャンと大きな水音。ソニックの立てた波でグラグラとボートが揺れるのを船縁を掴んで堪え、ころんと転がるブレスレットを捕まえた。
 ホッと一息つくと、今度はさっきの衝撃でオールが一本流されそうになってるのが目に入る。慌ててその端を押さえようとして、

「バカ! ボートで立ちあがるな!」

 ソニックに気付いたナックルズ様が警告を発したが、僅かに間に合わない。ボートが大きく傾いで、ソニックが水面に投げ出された。パニックになったのか、意味不明なことを叫びながら落ちていく。

「おーい、そこはそんなに深くない! 足がつくぜ!」

 ご子息様が苦笑しながら言う。ソニックの運動神経や、とっさの判断力を知っているから、いくら水嫌いだとはいえ落ち付けばすぐに上がってこられるはずなのだ。
 が、隣にいたナックルズ様は顔色を変えて桟橋まで駆け戻り湖に飛び込んだ。
 すぐに溺れるソニックに手が届いたが、パニックは収まらなかった。足がつく深さとはいえ、清水は冷たく、湖底は泥で滑り、漂う水草が体にまといつく。

「いやだ、こわい、しにたくない、つめたい、し、しぬのはこわい」
「大丈夫だソニック! オレが助けてやる!」
「いやだああ!! あああーー!!!」

 震えながらもがき続けるソニックを抱き寄せて、それでも叫び声が止まらない。
 ナックルズ様は小さく舌打ちをひとつして、ソニックの口を唇で塞いだ。かすれて消える声、その奥へ息を長く吹き込んだ。
 桟橋の上でオロオロと様子を見ていたご子息様が硬直する。
 ナックルズ様が仕掛けたキスは少しずつ深くなり、恐怖で見開かれていたソニックの瞳も、緊張がほどけてとろりと溶けた。

「落ち付いたか?」
「sorry...」
「世話かけさせんなよ」

 怒った顔をしながらも、ナックルズ様はソニックを横抱きに抱え、浅瀬から湖を上がった。
 森の道まで戻ると、ソニックが身じろぎをして降りようとしたが、ナックルズ様は抱き上げたまま放してくれない。

「お前、まだ震えてるぞ。歩けないだろ? それより手に何持ってんだ?」
「ああ、シルバーのブレスレット…舟の中にあって…それで」
「だとよ、シルバー。あのパニック状態で手放さなかったコイツを褒めてやれよ」

 ナックルズ様の茶化した声で、ようやくご子息様の硬直が解けてきた。それでも心に何かギクシャクしたものを抱えたまま、ソニックからブレスレットを受け取る。

「ありがとう。これ、大事なモノなんだ。…ナックルズ、ソニックはオレが連れて行こうか?」
「そしたらお前まで濡れちまう。面倒だからこのまま屋敷まで戻ろうぜ。ボートはオールが取れちまったのか?」
「ああ、後で直しておくよ。…じゃあ、オレ先に屋敷に戻って、アンタたちの着替えと風呂を用意させておくから」

 言い終わらないうちに、ご子息様は森の道を走って行ってしまった。
 ナックルズ様がクツクツと笑う。

「シルバーを脅かしちまったか。あんな浅いトコで溺れるヤツなんかそういないからな」
「…わ、るかった」
「お前が謝ることじゃねえよ」

 ざくざくと、森の落ち葉を踏みながら歩くナックルズ様の、服の襟もとにソニックはそっと手を伸ばして捕まった。
 大きくなったな、と、昔の記憶が蘇る。もう二度と会うことはないと思っていた、大切な友…。

「オレは…お前が死んでたほうがよかったと思ってた。あんな騒ぎは、もう二度と」
「わかってるさ、ナックルズ」
「でも今は違う。ソニック、お前が生きててよかった」

 ソニックの頭が傾いて、ナックルズ様の胸にぴたりとくっついた。濡れた服が互いの体温を奪う中、そこだけは、命を灯す熱が暖かかった。
 やがて、ナックルズ様の足音が、土を踏む音、石畳を踏む音に変わり、止まった。

「なあ、ソニック。ここん家の執事がすごい殺気出してオレを睨んでるから、もう歩け」
「うおっ!? ちょ、マズ!」

 ナックルズ様がすっかりリラックスしたソニックを下ろすと、確かにシャドウがこちらにあるいてくる。表情は無表情に近いのに、何この殺気!?ってほど、空気が震えている、気がする。

「お客様、当家のメイドがご迷惑をおかけしました。温かい風呂を用意しておりますので、風邪など召されないうちにお部屋へどうぞ」

 深く一礼するシャドウに「助かる」とだけ声をかけて、ナックルズ様は客間へ向かった。
 後に残ったソニックには、小さく耳打ちする。

「ボクの部屋のシャワーを使っていい。着替えてこい」

 相変わらずの仏頂面。しかし、瞳は先程までと違う感情を漂わせていることにソニックは気付いた。嫉妬ではない。ナックルズ様と何かあったと解っていても、それを聞かない。
 だから、つとめて明るい笑顔で、

「心配掛けてごめん、シャドウ」

 そう言ったけれど、作り笑顔はバレていた。
 今は、水の冷たさよりも、落ちた時の怖さよりも、シャドウの何も聞かない優しさに震える思いだった。
 生きていて、よかった、と…今頃になって思うのは、きっとシャドウのせいなのだ。







 翌日。
 伯爵がとうとうナックルズ様の依頼を受け入れることになり…ソニックを助けたことでようやく昔の悪戯を許してくれる気になったらしい。
 その気が変わらないうちに、と慌ただしく設計や製造に駆けまわることを決めた。屋敷を去るのだ。
 ご子息様はとても残念そうに、それでも不満な顔を見せずに、ナックルズ様の荷造りを手伝った。
 ひと月にも満たない滞在だったが、兄弟のように遊んだことはふたりとも忘れられないだろう。

 馬車が屋敷に到着し、ご子息様やルージュ、他の使用人も集まってナックルズ様との別れを惜しんでいると、要領の悪さピカイチのメイドも駆けよってきた。

「コレ! 渡すの忘れてた!」

 急いで手渡したのは金色の懐中時計。テイルスから預かってポケットに入れてそのまま…水に入ってしまった。
 懐中時計を受け取ったナックルズ様はネジを引っ張ったり、小さな仕掛けボタンを見つけて弄っている。

「ごめん、壊れてるかも」
「水に濡れたくらいじゃ壊れない。明りの無い嵐の船の上でも時間がわかるようにだとか、海賊に襲われた時の武器になるようにしてくれとか、いろいろ注文付けて作って貰ったんだ。あの助手は…テイルス、だったか? ありがとうと伝えておいてくれ」

 時計を胸ポケットに仕舞うと、ナックルズ様はソニックに軽くハグをする。親しい友人にするように。
 次に、ご子息様とももう少し強めに抱き合って、握手をして離れる。
 そして、メイドのルージュにも。驚いたルージュがぱっと距離を取る。困惑しながらも、女性の色香を漂わせる視線でナックルズ様を見つめ、それから誰も聞かなかった爆弾を落とした。

「ねえ、ナックルズ様はその小娘のことを、どう思っていらっしゃるの?」

 素性ではなく恋愛関係か!?しかしなかなか鋭い質問!
 実は旧友とも言えないので、どうするのかと思っていたら。
 なんと、ナックルズ様は手のひらをぱっと広げ、それをソニックの胸の上に置いた。メイド服の上から、ふくらみを探るが、布の加減で胸があるっぽい部分はぺしゃりと潰れた。ナックルズ様がニヤニヤ笑う。
 ビックリして硬直してるソニックをそのままに、今度はルージュの胸の上に。まさぐるようなことをせずとも、柔らかな弾力が手のひらをはじき返してくる。

「オレはツルペタよりもこっち方が好きなんだよ、ルージュ」

 ルージュが可笑しくなって笑いだした。本気とも冗談ともつかない、メイド相手の戯れだとしても、十分な告白だ。
 刺激が強くて、頬を真っ赤にしたご子息様を小突いて、ナックルズ様は馬車に乗り込んだ。

「またな、シルバー!」

 そう言ってナックルズ様が乗り込んだ馬車は、緑の多い高原地帯を走り去って行った。
 馬車の姿が見えなくなると、ご子息様と使用人たちは散り散りにそれぞれの想いを抱いて場所へ戻っていく。
 ソニックはちょっと半泣きになりながら屋敷のハズレへ走っていく。
 不要な食器を使ってご子息様が悪戯する前に、隠すなり処分してしまおうと、シャドウは朝からずっと倉庫を片付けていたのだ。

「シャドウ! 手を貸してくれ! 手を!!」

 そう叫んで倉庫に飛び込むが早いか、ソニックはシャドウの手を取って、それを自身の胸の上に置いた。
 倉庫の埃で汚れた手袋の跡が、黒いメイド服にくっきり着くが、そんなことをソニックは気にしない。

「…一体何の真似だ?」
「消毒だ! なあ、シャドウ? 胸は大きい方がいいか?」
「んな…!?」
「揉んだら大きくなるって本当か!?」

 シャドウが絶句から復帰すると、ソニックの必死で訴える瞳を覗き返す。バカバカしいと思う気持ちがため息になり、 たまらなく愛おしい気持ちが頬を緩ませてゆく。
 シャドウが行儀悪く足で倉庫の扉を閉め、ソニックの胸をまさぐりながらキスをする。
 決して大きくはない、寄せて上げなければ谷間もできない。けれど、シャドウが触れればビリビリと全身を震わせ、そこからシャドウの身体の奥にまで感電が広がってくるのだ。
 布越しに固くなった粒を摘まんで、ふらつくソニックを抱きしめると、片づけ途中の古い皿がシャドウの背後でパリンと割れた。いっそ、全部割ってしまおうか。
 ソニックのささやかな胸に顔をうずめると、シャドウは悪い悪戯を思いついたように笑った。

「胸を揉んで大きくしたいのなら、ボクがやってやる。それだけでは済まないが、いいな?」

 シャドウの指が、メイド服のボタンに掛かった。

・・・

 入口の閉じた倉庫から、陶器の割れる音が時々洩れた、…とかなんとか。














.




R15程度でした。笑

ナコソニもいいですね。
でも、シャソニが一番好きなんです、すいませんwwww

ああ、ばらされちゃ困るネタは幼児期の悪戯で、ナコが描いたニセモノの名画を、パチャパパが目ん玉飛び出る値段で売ったのだ。バレると絵画の目利きができないと知れ渡るので(本職は宝石鑑定)、ソニが機転を利かせてこっそりホンモノの名画と入れ替えてやったという。
・・・
っていう話を誰かかきませんか?wwwww 自分、力尽きるです〜


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