Ulala's Swingin' Report Show・G-X 2




 エレベーターを降りて、星辰の回廊音楽に合わせて全員がステップ踏みつつ行進していると。
♪ずんずんつんつんつんつん・・・・・・
 音楽がだんだん小さくなっていく。
 そして。
「あーっはっはっはっは!よくここまで来られたね!誉めてあげるよ!」
「その声は、クァン・リー!?」
 エヴァンが声の主を探して辺りを見回す。
 すると、前方にスクリーンと立体映像のごとき少年の姿が現れる。
「もっともっと躍らせてあげるよ!ふふふふふ・・・・・・」
「ま、待て!」
 スクリーンの映像が消えると同時に、ルティナが…大きな皿を持って現れる。
「何で皿なんだ!ルティナ!?」
「これで花笠音頭を踊れという指令だ!失敗すると皿が落ちて、私のアタマが割れるぞ!」
 大真面目…というよりも殺気立っているルティナに、思わず一同ガックリと頭を抱える。
「エヴァンさん、大惨事の気配がギュンギュンします!ここは踊って踊って救出しかありません!」
「…わかった、うらら。おれも大惨事っつーか、負けると絵的にマズイような気がする!」
「了解!!」

♪ちゃんちゃんちゃかちゃかちゃんちゃかちゃ〜
 あまりに雰囲気が違う三味線と一泊遅れるリズムに、時折しくじってしまう。
 その度にルティナの刺すような視線と割れそうになる皿にドキドキしながらもなんとか…。

「最後まで踊れました〜!」
「ちょーっとヤバかったぞーうららっ!…でもこれで、ルティナも…えっ!?」
「ああっ!ルティナさんがムクムク復活です!」
「一人で花笠音頭は寂しい!召喚っ!」
 ルティナが大皿を大きく振り上げタンバリンのように叩くと、アルカダ特殊部隊兵が20人、いきなりルティナの後ろに召喚されてしまった。
 全員が大きな皿を持っている。
「なんつーことを…」
 本格的にアタマを抱えるエヴァンたち。だが、ガックリしているヒマは無い!
「うらら、全員まとめて救出だ!」
「わかりましたー!」
『盆踊り対決よっ!』

♪ちゃんかちゃんかちゃんかちゃんかどどんどどんっ!
 北海音頭・炭坑節・秩父音頭・阿波踊り・河内音頭・東京音頭・郡上節・佐渡おけさ・花笠さんさ踊り・おばQ音頭・アラレちゃん音頭・ちびまるこちゃん音頭…
 和太鼓と三味線にエレキギターなんて音も混じったりしながら。
 連続で次々に踊る一同。
 ルティナ率いるアルカダ特殊部隊たちの動きはビシビシと一糸乱れぬ鋭い動きでエヴァンたちを圧倒するが、やってるうちに双方どんどんハイテンションで踊り狂う。
♪ぱぱんっぱんっ!ぱぱんっぱんっ!!
 最後はドラえもん音頭で締めくくられ、合いの手までビシっと合う。
「くぅっ!あたしの負けだ!」
 がっくりと一瞬うなだれるが、その直後にはエヴァンたちの後ろに転送されて、うってかわって全員と勝利ダンスなアルカダ特殊部隊たち&ルティナ。
「すごくすごい勢いで救出大成功です!!」
「やったぞうらら!最後にもういっちょ合いの手でキメるぞ!」
「了解ですっ!」
 総勢30人。くるりと回って大きく手を広げて〜〜
エヴァン ぱんっぱんっぱんっ!
一同   ぱんっぱんっぱんっ!


「あーっはっはっはっは!なかなか良かったよ!」
 またまた正面にスクリーンと立体映像うんぬん。
「あっコラっ!クァン・リー!出てこい!」
「キミたちのようなヒトが、ここまでやるとは正直考えてなかったよ。でも…これならどうかな?」
 クァン・リーが指をパチンと鳴らす。
 当然この展開で出てくるのはバトル・クロイツ…。
「てめー!また洗脳されやがったか!?」
「障害…排除…オレは…踊って踊ってダンシング!!!」
 ダンシング・バトル・クロイツだったか!
 あまりのコトにエヴァンがガックリ。
 うらら大慌て。
「なにやってんですか!エヴァンさんっ!」
「…なぁ。どーしてもアイツも助けなきゃいけないか?」
 ちょっとナミダ目だったりするエヴァン。キモチは解る。
「で、でも!」

クロイツ「攻撃・攻撃・攻撃・攻撃・攻撃・攻撃・攻撃攻撃攻撃」!!!!
エヴァン「うおっうおっうおっうおっうおっうおっうおおおおお」!!!!

「クロイツ!なんでおればっかり当てんだよっ!」
 文句垂れるエヴァンを無視し、クロイツがパチンと指を鳴らすと、ノーチス軍の兵士たちがゾロゾロと召喚される。
 兵士たちの腰には何故かエンシャントギアがっ!
「ま、まさかっ!」
「コレはワタクシが発見、改良したエンシャントギア・フラフープです!おおぉぉぉ〜これこそ古代文明のシンピ〜〜!」
 悦に入ってるスペクトもまた腰のエンシャントギアを激しく回転させている。
「すごい発明です!でも、中の歯車が当たりそうですが、痛くないのでしょうか!?」
「うらら…とりあえず、踊ってフラフープ攻撃をかわそう」
「了解!」

兵士 「右」「左」「下」「上」「右」「左」「下」「上」「攻撃」「攻撃」「攻撃」!
うらら「Right」「Left」「Down」「Up」「Right」「Left」「Down」「Up」「Chu」「Chu」「Chu」!
兵士 「右右左左」・・「攻撃」!
うらら「RiRiLefLef」・・「Chu」!
兵士 「上上下下」・・「攻撃」!
うらら「UpUpDownDown」・・「Chu」!
兵士 「右上左上右下左上下上下」・「救出」!
うらら「RiUpLefUpRiDownLefUpDownUpDown」・「Hei」!

 ひゅんひゅんひゅんひゅ〜んと飛んでくるエンシャントギア・フラフープを踊ってかわしながら叩き落し、最後にはまとめて救出成功!
 踊らされていたノーチス兵達もエヴァンたちの後ろに転送されて、全員で勝利のキメポーズ!
 そんな様子を鼻で笑うクロイツ。いや、マジで変だもんな。
「ふ。役立たずのクズどもめ。だが、オレが勝利する!剣竜召喚っ!」
「げっ!」
「とてもすごく強そうな武器が出ました!どうしますか?エヴァンさん」
「どーするもこーするもっ!…踊るしかねーだろー!」

♪ででででででででじゃっじゃっじゃぁぁぁぁんっちゃらららららららーららー
 音楽がCOMBAT4だったりする。
「コレで踊るのか!?」
 即ツッコミ入れるエヴァンだが、ダンシング・バトル・クロイツの動きは「武富●ダンス」並みに激しい。
「クロイツ中佐、ダンスが上手です!」
「あたり前だ。高級士官クラブには毎日出入りしていたからな!」
「…それってそーゆークラブじゃねーだろー!!」

クロイツ「右」「右」「右右」「左」「左」「左左」・・「攻撃」!
うらら 「Right」「Right」「RiRight」「Left」「Left」「LefLeft」・・「Chu」!
クロイツ「右右右右左左攻撃」!
うらら 「RiRiRiRiLefLefChu」!
クロイツ「上上下下下下攻撃」!
うらら 「UpUpDownDownDownDownChu」!
クロイツ「上攻撃」「下攻撃」「右攻撃」「左攻撃」・「上上下下右左右左攻撃」!
うらら 「UpChu」「DownChu」「RiChu」「LefChu」・「UpUpDownDownRiLefRiLefChu」!
クロイツ「上」・・・・・・・・・「救出」!!
うらら 「Up」・・・・・・・・・「Hei」!!

「く…くぅ…オレがエヴァンごときに踊り負けるとは…」
 ガックリと膝を付いたクロイツは、次の瞬間エヴァンの隣に転送されてしまう。
 これで総勢50人くらいかな。
「なんでオマエがおれの隣なんだよっ!」
「ふっ。やはりオレが負けるわけがないのだ。クァン・リーなどに操られて踊るなど…おれのダンスはこんなものではないっ!!」
「ステキでしたよ!クロイツ中佐もエヴァンさんたちも!では、全員でキメまーす!」
♪じゃっじゃっじゃ〜〜んっ!
全員「Right」「Left」「Up」!

 不機嫌そうなクァン・リーの声が響く。
「…ちょっと踊り足りなかったのかな?割りに肉体的要素はいい方だったけど、多少いじった程度じゃダメだったね…」
「こらこらこらこら!そーゆーモンダイじゃなくて…」
「それじゃあそろそろ本気で踊るとするかな。オタノシミはこれからだよ!!」
 エヴァンのツッコミは激しく無視するクァン・リーがそう言った直後、いきなり全員…今50人位…の立つ床が消えて、どこかに落っこちてゆく。
 左が落っこちて、右が落っこちて、真ん中が落っこちて。
「うわぁぁぁ」「きゃぁぁぁ」「どぇぇぇぇ」
 叫び声の中でひときわ響くうららの声。
「チャンネルはぁぁぁそのままぁぁぁ!」





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