明日は夏至。ロッカ村の夏祭り!
仕事も前倒しで済ませ、久しぶりの休暇を楽しむ準備は万端。
でも、こういうときに限って、何か起こるんだよなぁ〜。
…というエヴァンの予感は見事に的中する。


再会の前の再会


残り火のような夕日が落ち空が藍色に染まる頃、一台の軍用トラックがエヴァンの家の前で止まる。
運転席のドアが開き、下りてきたのはガタイのデカイ強面の男。
ドアをガンガン連打する。
「おい!エヴァン、居るか!?」
久しぶりに聞くダミ声…。叩き壊される前にドアを開ける。
「なんだよ、ブランドル!突然来やがって…」
「ちょっと来い!エピネの鉱山までダイブしてくれ!」
「はぁ?…ちょ、ちょっと待て!」
「急いでんだよ!早くしろ!」
「その前に説明しろ!!」

キレそうになるブランドルを落ち着かせつつ話を聞くと。
ここから近いエピネにある鉱山で落盤事故が起こった。仕事が終わった直後で鉱夫はみな無事だったが、何故か子供が坑道にまぎれ込んでいて閉じ込められてしまった。
付近の基地にいたブランドルを含むノーチス軍が事故処理にあたり、なんとか子供を保護したところで、新たな落盤が起こってしまい、今度は数人が閉じ込められてしまった。新しい落盤はかなりひどくて、表から掘り進むのにはかなり時間がかかる。
鉱夫達の話によると、坑道の奥にジオゲートが作ってあり、地導師ならば行き来はできる。閉じ込められた人を救うには、そこから進んだ方が早いだろう。
だが、夜間はモンスターが出る場所があり、鉱山勤めの地導師は老齢でそこまでは行けないという…。

「軍本部に戻って地導師を呼んで来いと言われたんだが、オマエの方が早いと思ってな。ということだ。手伝え!」
「だー!もう、わかったから!そういうコトなら装備くらいさせろ!」
急かすブランドルを外で待たせ、しまい込んでいた荒事用の道具を引っ張り出す。
かつての探索行で使っていた道具のほとんどは人手に渡してしまったが、こんなことも(あったらイヤだがひょっとしたら)あるかも…といくつか取っておいたのが正解だった。
星剣シルバーシャリオンと光糸のリスト、マナエッグを数個。急いで身に着けて外に出ると、すでにブランドルは待ち切れずに地脈の上に立っていた。
「エピネ鉱山だな?じゃあジオゲートを開くぜ!」
「間違えんなよ、地導師サンよぉ」
「るせぇ!ダイブ!」
大地に現れた地脈の門が輝き、青白い光が二人を包んで…消えた。


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