邪念入りプレイ記録 その14

それから。




それから。

エヴァンの部屋。
椅子に座ったまま、ベッドの上に置いたちいさなカケラを見つめている。

どすどすと足音が近づいてブランドルが勢いよくドアを開ける。
「さ、お帰りの準備はいいぜ。まあ軍の命令から自由になったからって、この先はどうすることも無いけどな。今回のことも、やってるうちは大変だったが、終わっちまったらあれでもけっこう楽しかったんだな!これでたわいのない日常にもどるってのも何か味気ない気がしてるんだから…」
聞いてるんだか聞いてないんだかのエヴァン。
「おい、どうしたい大将?ガラにもなく感傷的になってんのか?まあヤルことはやっちまったんだ。後はリーダーらしくイッパツぶってくれりゃ、おれたちも気持ちよく帰ることができるんだぜ」
やることはやった…んだけども。
「…ブランドル、おれは約束しちまったんだ…」
「はぁ、なんだって?」
つい、と立ち上がってベッドに歩み寄り、カケラを見つめるエヴァン。
「おれは、あいつのことをわかってやらなきゃならない…」
カケラを手に取る。
「その石のことか?それが『クァン・リーの心』だっていうおまえの話は聞いてるがよ…。石を見てばかりいたって何もおきやしない。しょうがないだろ?」

カケラを振ってみる。
鳴らない。
「…こいつは欠けているんだよ。その欠けたものを手に入れれば、あいつのことをわかってやれる気がするんだ…」
カケラをポケットにしまう。

「おかしなことを言い出すヤツだな。だいたいその欠けたもんがあるとして、どこへ行きゃいいってんだ?エスカーレにあったあの変な回廊はもうなくなっちまったんだぜ?」
「あいつは自分を『作られたもの』って言った…。ならあいつが生まれた時、生まれた場所で、心の一部が失われてたに違いないんだ!」
もう決めた!とばかりにブランドルに向き直って笑む。
「おれは、そいつを探してみたい!」
「…へっ。あいかわらず身勝手だな、エヴァン。ま、いいさ。おまえにやりたいことができたってなら、ちょうどいいぜ!まだまだ暴れられるってことだからな。おまえがひとこと言えば、みんなも喜んで協力してくれると思うぜ!」
即答に近くそう言われて、ちょっと戸惑ったりして。
「いや、おれは自分が納得したいだけで、みんなを巻き込むつもりは…」
「結局クァン・リーの話なんだろ?おまえが『解散』って言わない限り、この話は終わらないんだよ」
そう言って出て行こうとするブランドル。扉の前で立ち止まって。
「おまえみたいな無鉄砲なヤツが、ひとりで勝手に走り出したら、逆におれたちの方が心配になるだろ?」
扉を開けて、出てゆく。
腰に手を当てて、呆れたように照れたように笑うエヴァン。
「へっ!もうちょっとマシな言い方は無いのかよ!」


それから…。
エヴァンの個人的で、身勝手で、自由で、新しい冒険が始まります。






続きは、まだ書くかどうか決めてません(笑)
書きたいんだけども…。
この先のゲームをやってない人に、読まれるのがイヤンなのですよぅ〜。
最後までやった人なら簡単にわかるパスワード制限、とかにするかも。えへへ。


とりあえず、前半戦は終了です♪
長々とお付き合い、ありがとうございました。





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