京さん(OVER LAND)のブレポタネタの後、ついつい続いてしまった!
日記からネタをサルベージ!








こっく○さん





「ミヤハラもパトローナス使えるんだろう?」
「まあね。子供の頃にも呼んでたし、実体化もそう難しくはなかったから」

 こともなげに言うミヤハラに、ミツルが「あんないい加減な呪文で」と毒づいた。ということは、ミツルはミヤハラの守護者を見たのだろう。
 優等生同士はやってることもとんでもない。
 ワタルはミヤハラにも素直に尊敬の眼差しを向ける。ミツルにはそれが面白くない。

「子供の頃って、すごいね。どうやってそんな高度な魔法を使ったの?」
「マグルの遊びなんだ。守護霊さんとかキューピットさんとか、いろいろ呼んだよ」
「へぇ!守護霊がミヤハラを守ってくれるの?」
「じゃなくて、質問攻めにする。守護霊さんはともかく、コックリさんは恐かったなぁ、帰ってくれなくて」



 小学校の教室に放課後残った3・4人が頭を寄せ合って低級霊を呼び出す遊び。
 一箇所だけ窓を空けて、「お入りください、きてください」と願うと、指先で突付きあう10円玉がすっと動くのだ。
 何故かミヤハラが参加しているときには100%動いた。「魔法使いだったから」なのだが、その理由を知ったのは小学校も卒業する頃だった。
 思えば、いつもミヤハラの身の回りでは怪現象が起こっていたモンだ。



「そのコックリとかいうヤツを呼んでみろよ」
「コックリさん!さんをつけないと、怒られる」

 思いつきで言ってみたミツルだったが、ミヤハラの反応に顰めていた眉が解けた。
 ミヤハラが手を焼いたというその現象、どんな霊魂がやってくるというのか。
 ミツルのパトローナスの相手をさせるのに丁度良いじゃないか。(ワタルにそれを見られたくは無いが)

「魔方陣?っていうか、表を作らなくちゃいけないし、10円玉じゃないと動かないし」
「マグルの子供が用意できるほどの魔方陣なら、ワタルでも作れるな」
「それは酷いよ、ミツル!」
「ニッポンの硬貨ならグリンゴッツへ行けば両替してくれる」

 畳み掛けるとミヤハラは目に見えて動揺した。

「と、とにかく準備が大変だから」

 ミツルが極上の笑みをワタルに向ける。蕩かすような甘い声。

「ワタル、お前もやってみたいだろう?守護者を呼び出すのも、俺が手伝ってやるから」
「う、うん。…イザという時でも、ミツルのパトローナスがいれば平気だよね」
「コムラも呼んでやろうな。アイツ、攻撃魔法を使いたくて痺れ切らしてるから」
「そうだね、カッちゃんも…。って、ミヤハラ、大丈夫?」

 あまりにも本人を無視した語り合いLOVEに、卒倒しかけたのだ。

「俺の頼みは聞いてもらえないようだ。ワタルがミヤハラに頼んでみてごらん?」
「ね、いいでしょう?ミヤハラ!コックリさんを呼んでください!」

 ワタルの、両手を開くお願いポーズに、ミヤハラは今度こそ卒倒できた。



 数日後、ハロウィンの夜に誰も来ない場所「禁じられた森」で、高レベルの霊魂と戦うことになるとは、このときワタルは考えもせず…。









おしまい。多分今度こそ本当におしまい。












あ。つながったつながった、ハロウィンにコックリさんが。(笑)



2006.10.24(2007.02.07)


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