ガンダムシードで!
ワタルが赤で、ミツルとミヤハラが白で、カッちゃんがメカニックなネタ話!

・・・ごめんなさい。(先に謝る)











PHASE-#03 忍び寄る影





『命令だ。アールマティを落とせ』
「…できないよ、ミツル」
『オシリスを奪われるわけにはいかない。アレが連合の手に渡ればどういうことになるか』
「わかってる!…わかってるけど」
『ワタル、今動けるのはお前の機体、ブレイブだけだ…』

 光点が遠ざかろうとしている。
 あの艦には、幼馴染のカツミが乗ってる。それに、ワタルは未だに信じられなかった。アカデミー時代からの先輩で、ミツルとも信頼を築いていたはずのミヤハラが、重要機密を奪って逃走するなんて。

「何か、理由があるはずなんだ…僕はそれを確かめたい。命令はそれから受ける!」

 ブレイブの翼が白く輝いて、暗闇の宙を切り裂いた。高速形態で機体に纏いつく微粒子が電気反応を起こして青く輝く。
 ナスカ級アールマティがぐんと近くなる。

『アールマティ、聞こえるか。バルバローネ艦長、ミツル・アシカワだ。直ちに貴艦の全機能を停止して投降せよ』

 ミツルの呼びかけに応じるかのように、ナスカ級の速度が落ちた。ワタルがホッと息を吐いた瞬間、『危ない!』ミツルの叫びが届く。
 無音の宇宙空間に、光が満ちた。
 アールマティのメインエンジンが火を噴いたのだ。すぐ側まで接近していたブレイブがその煽りを受けて体勢を崩す。

『遅いよ、アシカワ。オシリスは貰ってく』
『…ミヤハラ、いつからZAFTを裏切っていた?』
『出会った頃には、ね。ごめん、キミを裏切りたくはなかったよ』

 ワタルは一定の距離を保ちつつ、アールマティの前方に回る。ブリッジも炎につつまれている。カタパルト付近も、爆発らしい白い発光が見える。

「カッちゃん…カッちゃんは!?」
『その声は、ミタニだね。まさかキミが赤を着ることになるなんて、あの頃は思いもよらなかったけど』
「ミヤハラ!部下も見殺しなのか!?ミツルだって…ミヤハラのこと信じてたのに!」

 誘爆に紛れるように、アールマティから黒い粒が転がり落ちる。脱出ポッドだ。8機、ほぼナスカ級クルーが全員乗れる数。

「た、助けなくちゃ」
『ワタル、罠かもしれない。近寄るな!』
『助けないと、艦の爆発に巻き込まれちゃうよ。ミタニ、キミはいつも情に流されてアシカワに減点食らってたよね。オレは許しちゃってたけど』
「どうして、ミヤハラはこんなことする人じゃなかった!」
『怖い人がいつも怖い顔してるわけない…そう教えたのはオレだった』

 士官アカデミー時代、厳しいミツルの隣で、いつも穏やかな微笑を湛えていたミヤハラ。こんな状況では逃亡者を撃つのが正しいと、そう教わったじゃないか。
 なのに、ワタルの指はトリガーから外れて、動きの遅いポッドを拾って爆発圏外へ機体を動かしてしまう。

『いい子だ、ミタニ。…最後に教えてやるよ』
「…投降してくれ、ミヤハラ」
『アシカワに伝えて。妹、生きてるってさ』

 アールマティが真っ赤に輝いた。暴走したエネルギーが戦艦をバラバラに破壊してゆく。

『ワタル!ポッドを連れて射線から外れろ!陽電子砲を撃つ!』
「でもミヤハラはナスカ級から出てないよ!?」
『オシリスにはミラージュコロイドが搭載されてる。爆発に紛れて逃げたはずだ』

 アラームが無くなる場所までブレイブで離れると、すぐ後ろをオレンジ色の濠流が抜けた。アールマティに最後の引導を渡して、さらに暗闇を走り、小さな爆発を作った。モビルスーツほどの丸い炎。

「オシリス?やったのか、ミツル」
『…ワタル、帰投しろ。任務完了だ』

 ミツルの冷静な声。
 親友に裏切られていた、親友を撃った、そのショックも感じられない。
 いつも通りの冷たい声。

「了解、しました」

 ワタルはひどい徒労感に襲われながら、スロットルレバーを握り締める。
 ふと、レーザー回線で届いたメールが目に入る。ポッドの中のカツミからだった。

 −−−
 ワタル、助けてくれてありがとな
 −−−

 とりあえず、今は、この安堵を抱きしめて、バルバローネへ向けてブレイブを駆った。




中途半端に終わるのです。









え、もちろんミヤハラ生きてますってば。
3話で死にそうなキャラのくせに!
30話くらいで殺したいキャラだよね。そんで続編で仮面なの。笑

なんかまた、自分だけ楽しい話で申し訳ない。
固有名詞は傍らにあったソウルハッカーズ攻略本から借りました。


もっと面白いブレストでZAFTなのは→こちら

2006.12.05


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