(今までのお話とは絡まない、突発話です
(唐突ですが、わたみつみやあやでぶらぶらしてると思ってください)








エンカウント・キッス




 アヤはドジっ子だ。普通、あんなところで転ばない。階段の一番上。
 最初にすぐ下にいた宮原を巻き込み、亘を巻き込み、美鶴まで巻き込んで、一番下まで転がり落ちた。
「みんな、大丈夫?」なんて、亘があちこちぶつけたらしい手足や背中の痛みに耐えつつ、状況把握に体を起こすと。

 アヤと宮原の唇が触れていた。

 真っ白になる。思考能力低下。
 落ちてくるアヤを宮原が庇って下敷きになった、というのが本当ぽいけれど、見た目はアヤが宮原を押し倒しているようにしか見えない。
 しかも、


 事 故 ち ゅ ー !?


 恐る恐る、隣に転がっている美鶴に目をやれば、 魂 が 抜 け て い た 。

「あ、きゃっ、ご、ごめんなさいっ!」

 アヤが慌てて宮原から離れた。頬も耳もみるみる紅潮させて。

「いや、えっと、怪我、なかっ…たことないよな…


 大 怪 我 だ !!


 宮原まで照れて頬を赤くしてるのが、亘の次の行動を決定させた。
 つかつかと倒れっぱなしの宮原の側へ寄り(痛みは消えた)、シャツの襟ぐりを掴んで引き寄せて、

「許さないよ、宮原」

 低く告げる。
 一瞬で青ざめた唇に、亘がディープキスをお見舞いした。

「!!…んん、んんーーー!!!」
「わ、わたるさ…!!」
「亘!!」

 宮原の、口の中を亘の舌が存分に蹂躙し、どこか切れている血の味まで堪能してから、もう用は無いと言わんばかりにパッと手を離した。

「な、何、いまの…」

 混乱し脱力から抜けられず怯える宮原に、ふん、と亘は背を向けた。

「さっきの事故ちゅーを宮原の特別にしてたまるか」

 アヤと、亘と、どっちも適当ちゅーだ。
 そのひと言が、美鶴の魂を現世に呼び戻した。
 さすが勇者、自力で運命を変える男。
 亘は、いまだ倒れたままの美鶴に寄って、今度は軽く優しく、震える唇にちゅっとキスをした。

「 消 毒 ♪ 」








おわりスよ。







楽しかったんだよっ「妄想少女オタク系」がとっても!!

※うちのワタルさまは「超攻め」です。最強です。

2006.09.25


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