説明

ご近所さまのえちゃにて、CCさくらなブレストネタをポロリしてしまいました。
脳内展開図は「カードキャプターみつる」です!

映像はCCさくらですが、脳内設定がブレスト仕様に変わります。

・小学5年生で。
・幻界から帰って来た後で。
・ご町内で不思議な事件が起こります。
・カッちゃん曰く「三橋神社でヘンなことが起こるって ウ ワ サ !」
・不審に思いつつ行ってみるとやっぱり事件!そこでアヤちゃんが!
・手に持っているのはミニマムサイズの魔道士の杖&勇者の剣。「封印解除して!」
・わけもわからずレリーズしてみると(←笑うトコです)よくわからんモノに襲われるふたり!
・ミツルが動きを止めて、ワタルがトドメを刺す!すごい連携プレイを想像してください!(え?)
・正体は、現世まで紛れ込んだ常闇の鏡でした。(好きだな♪このアイテム)
・なんでこんなことに…考え込むふたりの前にジョゾ登場。「こにゃにゃちわー!」

第1話、完!


というわけで、2話から始まります。

「カードキャプターさくら」を知らない人でも普通に読めると思います。
魔法少女パロディを許せる方だけ、下スクロール、れっつご。















Release! (封印解除!)




「カッちゃん、昨日の怪我は大丈夫なの?」
「それがさぁ!三橋神社から出たとたんにすーっと消えやがんの!何の幻覚かと思ったよ。ミタニは?上手く逃げられたんだよな?」
「うん、まあ…怪我はしなかったよ」
「よかったー!はぐれて心配してたんだ!それで、アレはゆーれーなのかな!?」
「うーん…。でもカッちゃんが無事でよかったよ」

 登校途中のいつものおしゃべり。
 昨日、「三橋神社でヘンなことが起こるって ウ ワ サ !」を聞きつけて、ワタルはカッちゃんとふたりで下校途中に寄り道したのだ。たまたま出くわした芦川兄妹も合流して一緒にゾロゾロと。アヤちゃんは最近読んでもらった「オバケの本」がお気に入りで興味津々だった。
 真昼間に子供が4人もいれば、オバケも幽霊も恥ずかしがって出てこない!
 はずだったのに。

 突然かまいたちに襲われた。

 いちばん酷い目にあわされたのはカッちゃんで。
 そう広くは無い境内なのに、慌ててるうちにカッちゃんの姿が消えて、ワタルたちも心配していたのだ。

「おはよー!カッちゃん!ワタルおにーちゃん!」
「よぉ、芦川妹!ゲンキそうだなっ」
「カッちゃんもね!」

 賑やかな昇降口で芦川兄妹に会った。ニコニコ笑ってる妹とは対照的に、兄は憔悴している。
 ワタルも、気分的には同じだった。

「おい。ピンクの子ドラはどうした?」
「ジョゾ?説得して家に置いてきたよ…ずっと学校まで付いてくるって騒いでたけど。ミツルこそ、アヤちゃん何か言ってた?」
「いや…。説明が要領を得なくて。あの剣と杖はアヤのものらしい…」

 どうしてこんなことになってるんだろう。
 惰性で流れるようにそれぞれの教室へ歩く。
 ドアの前、廊下で2組の宮原が「芦川、三谷!」と名指しで呼び止めた。
 いつもの、人の良さそうな笑みに、僅かに好奇心を滲ませながら。



 そんなこんなで昼休みである。

「これ見て」

 図書室に呼び出されたワタルとミツルは、驚愕の映像に遭遇した。

『ワタルおにいちゃん!コレを、はやくー!』
『え?………勇者の剣!?』
『ミツルおにいちゃんも、ちからをかいほうするのっ!』
『…闇の力を秘めし鍵よ、真の姿を我の前に示せ!レリーズ!』
『ミツルー!この風っどうにかして止めないとっ』
『震えろ大地、障壁となり我等の敵を囲い込め』
『ワタルおにいちゃん、あそこ!』
『よーしっ!たあああっ!ヴィジョンへ戻れー!』

 デジタルビデオカメラの小さな液晶画面が静止する。

「ねえ、この小さい黒いの、常闇の鏡って言うんだ?」
「宮原…なんでこんな映像…」
「父さんが妹の幼稚園の入園式を撮るって買ってきたんだけど機械オンチでさ、僕が時々練習に使ってるんだ。昨日はたまたま三橋神社に行ったんだけど」

 これが「見ちゃったんだけど」というレベルなら「夢か幻だろ」で誤魔化すのに、バッチリ映像だ。
 それでも懸命に誤魔化すことばを捜しつつ、ワタルとミツルは互いの顔を見つめあう。
 説明待ちの宮原が、不審そうに書架の奥に視線を向けた。

「何、あれ」

 本がバサバサと床に落ちる。棚は揺れていない。自分たちの足元も揺れていはいない。地震じゃない。
 風も無いのに、ページがバラバラと捲りあげられ、その上にアリの行列が立体的なかたちを作っていく。

「ワタル!剣を」
「うん!」

 ポケットから綾紐の付いた珠を引っ張り出す。ワタルが静かに念じると紐の部分が剣に変じた。
 束を握りなおして、アリの行列からヒト形のバケモノになりつつあるモノを叩き切る!
 が、さっくり切れたそれは、崩れてなお他の本から文字を拾い集めて巨大化する。

「封印、解除!凍れる刃、彼の者を縫いとめよ!」

 ミツルの手に現れた黒い杖から冷気が吹き出し、天井まで届きそうな黒人形に氷を浴びせるが、それは一瞬揺らいだだけ。
 魔法が効かない。
 ワタルは焦りを感じながら、再び文字オバケを切りつけようとした。

「そんな適当やったらアカン!体力消耗するだけや!狙いを定めんと!」
「ジョゾ!?」

 窓際にふよふよと浮かぶ、ピンク色の生物、子供のファイアドラゴン。

「ワタル、来るぞ!」

 ミツルの声に我に返る。ずし、ずし、接近してくる。
 落ち着いて睨み据えると、眉間に白い輝きがチラリと見えた。
 迷わずに剣を構えて突進する。

「ええいっ!」
 ぴし!

 勇者の剣が眉間を突くと、光が音を放った。力が失われる。
 黒い点々文字がバラバラに砕けた洪水になり図書室中に散らばる。

「真実の鏡の封印はミツルがするんや!」

 ジョゾの叫びにミツルが進み出る。

「汝の在るべき世界へ戻れ!」

 杖の先で一閃すると、光が渦を巻いてしゅるん、と消えた。
 文字が一斉に本に帰っていく。
 ふぅ、ワタルとミツルは同時に息を吐いて、がっくり膝を付く。

「…すごい」

 後ろから、感嘆の声。
 宮原が、ビデオカメラを構えてる。一部始終録画した…っぽい。
 ジョゾがまた好奇心いっぱいに、宮原に近寄った。

「お、なんや?おまえもワタルらの仲間か?」
「あ、え、僕も仲間、なのかなぁ」
「わいはファイアドラゴンのジョゾ!よろしくなっ!」

 宮原は頬を紅潮させたまま、脱力してるふたりに声をかけた。

「ねえこのピンクのヤツ、スイッチどこ?リモコンどこ?電池は何で動いてるの?」





2話、終わり。(笑)









CCさくらファンのヒト、ごめんなさい。ジャンピング土下座。

2006.08.22


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