申し送り

看護婦の仕事で「申し送り」というものがあります。
深夜から日勤、日勤から準夜へその勤務帯に起こったことを
申し送るんです。

この看護という仕事で、申し送りはつまずくもののひとつです。
本来、10分以内で終了させなければならない作業ですが
私、最高で・・・1時間かかったことがあります

さらに、私は申し送りが「トラウマ」になりましたから

得に深夜の申し送りの体勢は
日勤のスタッフとリーダーが私を取り囲むのです
そして、私の言うことを聞いている


かなりのプレッシャーです

一人一人の深夜帯の状況を話しているんだけど・・・
緊張しているから、ぽろぽろと抜けるんです
そのぬけた点を的確につっこんでくる先輩たち

そして、例えば・・・・
Hさんです。痛みとガーゼ汚染の方診ていって下さい。
痛みの方は準夜でメナミン、アタp筋注しています。
血圧は122/70、深夜でも3:00にメナミン、アタp筋注しています。

ということを言うと・・・
先輩「メナミンの効用と副作用は?」と突然、質問されます
全くそんなの、カウンターです。
突然聞かれて、思考停止するんです。
頭真っ白だし、身体はほぼ
「燃え尽きちまった・・・真っ白によぉ」

って感じなんで


それで「えーっと・・・」と言っていると
先輩「もういい、あとでレポート書いて」と冷たく言われる

それが、何回もあるんです

時間がかかると、朝一で手術があったりすると
日勤の人も時間があんまりないことも知ってます

そうするとね

トントントントントン


机をボールペンで叩いているんですよ


それが聞こえるからさらに焦る

ある先輩なんか、聞いてるとは思えない・・



何とか終わると・・・
「あんた、なんでこんなに遅いのよ」

あんたらがよけいなこと聞くからだよ

「もうちょっと、練習してから話せばいいのに」

ゴメン、あのくそ忙しい夜勤帯でそんな時間があると思いますか
あるわけねーだろ



先輩によってはある程度送ればいいけど
怖い先輩になるとつっこみまくる先輩もいる
そういう先輩になると
胃に穴があきそうになります

私が風邪を引いて、声もかすれて、せきが止まらず
話すのも困難な状況で
申し送りをしなければならない状況でした

ゴホゴホゴホ

「akkiy君、聞き取りにくいんだけど・・・」

「す、ゴホっすいません ゴホっ」

何とか・・・申し送りを終了させたが・・・

やり忘れたことはないかと思って・・・病棟を回っていると
病室で先輩方が話していました

「ちゃんとしゃべれってちゅうーの」
「ほんまむかつきますよね」


などのかげ口が・・・クリアに聞こえていました
私は自分のその時、出来る限りのことをしていたのに・・・
そこまで言われているんだ・・・


・・・涙

このかげ口は・・・氷山の一角なんだよね・・・

この時からです、人が怖いって思ったのは

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