戦国無双シリーズ

メーカーオメガフォース/コーエーテクモゲームス
ハード3DS PSVita PS3 PS4他
ジャンルタクティカルアクション
備考主人公込みでフルボイス
公式サイトhttps://www.gamecity.ne.jp/sengoku/

はじめに

戦国時代を舞台に並み居る敵を打倒するタクティカルアクション、戦国無双。本作も、いよいよ視力を用いずプレイできるようになった、その方法と工夫をご紹介申し上げます。
シナリオ、ムービー、戦闘最中もフルボイスで、予てより視力障害と相性の良さそうなゲームだなと思っていたのです。
ただ1つ、戦場の移動要素を除いては。

概要

戦国無双もナンバーを重ねて一歩ずつ着実に歩み行いてまいりました。
城内戦が別マップからシーグレスになったり、佐藤信介氏演出のムービーが導入されたり、士気システムを廃止したり、チャージ攻撃を雑兵打倒に効果大な攻撃として差別化したり、携帯機で出た派生作の続編は前作よりシステムと内容の基本を踏襲した本当の改良版として発売されたり。
そんな進化の中、「キャラクター切り替え」のシステムが携帯機の1作目「無双クロニクル」より実装されました。
操作キャラを任意のタイミングで切り替えられ、未操作キャラは自動的に移動するシステム。
この「自動移動」は、遍く困難だった「広大なステージ内の移動」を視力を用いず実現できるシステムとなりました。
これは戦局によってコンピューターが未操作キャラの移動先を自動更新していく仕様により、多くの場合で「キャラを切り替えたらそこは最前線」となっている結果となることによります。
これと種々の音情報、震動情報を組み合わせたなら、各種ミッション達成ステージクリアは勿論、慣れてきたらゲージのたまり具合の確認、騎乗、戦技(一時的なキャラ強化などの特種技)発動、味方キャラへの移動指示などが可能になります。

複合ジャンルとしての本作の魅力

本作のジャンルは「タクティカルアクション」。
タクティカルの意味するところは、戦場全体を俯瞰し、どこへ向かい、誰と戦い、誰を救援するか、例示をいたしますとオウガバトル64やピクミンのようなRTS(リアルタイムストラテジー)の要素を含んでいることによります。
加えて初代プレイステーションで発売された「三国無双」は格闘ゲームでした。以後のシリーズは大小あれその系脈を継ぎ、敵将との戦いにおいてはいかにガードを崩し、どのようにコンボを繋ぐか他の工夫を都度行う面白さが楽しめます。
更に本作は、システムこそ毎回変われどキャラクターと武器の成長要素があり、万一敗走しても「次こそは」と思える、トライアンドエラーの楽しみがあるのです。少しずつキャラクタを成長させ、同時に繰り返しプレイでプレイヤーも成長していく理想的な循環が、これも自然に生まれるようにできています。即ちRPGのレベル上げによる楽しさです。
最近のシリーズでは、選択肢による分岐に好感度要素など搭載、歴史アドベンチャーノベルゲームとしての要素も獲得してまいりました。
これらが組み合わさることで、ある種この30年ゲーム史の総決算たるタイトルとしての面白さが本作にはあるよう思うのです。
描くは日本史遊ぶはゲーム史。そんな本作、ぜひ多くの人にプレイされること念願しております。

各作品雑感

これまで発売された作品で私がプレイしたタイトルの雑感を下記いたします。遊ばれる折、購入の参考といただけましたら幸いです。

  1. 戦国無双クロニクル

    3DS版の入手はこちら
    3DS本体と同時に発売。敵の数がまばらである一方、物語の面白さが格別です。
    なぜ直江兼続が徳川家康に断崖状を送りつけたのかが描かれる伏見城の戦い(東軍)、陶晴賢と毛利元就との厳島合戦発生の経緯、応仁の乱からはじまる戦国時代、北条早雲から孫の氏康が活躍に至る経緯を描いたプロローグが素晴らしい河越夜戦、大坂城の「真田丸」とは一体なにものでどうしてできたのか。そうして大坂城は冬の陣夏の陣と通じてどのように滅んでいったか。これら遍く大変国名にわかりやすく書かれています。
    演出もこれまた素晴らしく、謙信VS信玄の軍略合戦ムービー、本能寺の変ラスト信長VS光秀ムービーは大変素晴らしく、特に後者は信長の苛烈な政策の故を思わせる示唆を含んだ名シーンであります。本能寺の変ステージが難しいこともその場面をなお盛り上げていました。
    マシンスペック故の動作のゆっくり具合、敵の脱出地点到達阻止ミッションの難しさ、イベントシーンのオートモードが無い、関ヶ原西軍で最終的に主人公一人のみ操作せねばならないなどのいくつかの残念な点こそあれ、それらを覆して余りある魅力に溢れた1本です。
    ※なお、処理落ちや動作遅延は本体の3DボリュームをOff(一番下)にすることで改善されます。

    物語として本作を楽しまれる場合に大変おすすめの1本です。

  2. 戦国無双クロニクル2nd

    3DS版の入手はこちら
    無印クロニクルの純粋なアッパーバージョンとなります。
    無印で収録されていた全てのシナリオがそのまま収録、ムービーも全て収録。
    ここで注目いただきたいのが、体感3倍へと増えたこのクロニクル2ndに収録の追加シナリオにおいて、そのクオリティーが全く減じていない点です。
    浅井の章の裏主人公と言うべき活躍をする斎藤龍興の描写万般、無印ではただ暗愚なる大名としてのみ描かれていたのに、小田と戦い凋落して以後の彼が更に描かれることでその絶望からの復帰にまつわる物語の、なんと美麗なる描かれ方だったことでしょう。
    藤堂高虎と斎藤龍興の間で繰り広げられる「民」の議論、とあるシナリオの好感度イベントなのですが双方の「立場の違い」から交わされるこの内容、本当にどうしたことだろうと思うほど、その具合が気持ちの良いあんばいです。ご存じの方には、テイルズオブジアビスのルークとティアの会話、中盤以後のそれを思い起こしていただくと少し近いでしょうか。もうこの2人将来結婚するんじゃないかと思いました。
    ダウンロードコンテンツとして提供される追加シナリオもどうして熱い、ゲームは達成感を味わうことにその楽しみがありますが、その達成感を未来への希望へとつなげる、人生のスキルへと昇華させる勇気をいただけるシナリオがある、これをお伝えいたします。そのシナリオの名は「新旧無双決戦(新参連合軍)」。
    このシナリオをクリアしたときの政宗の台詞を全ての本作プレイの皆様、いえいえ、全てのゲーム好きの皆様に一聴いただきたい。震えました。畢竟、我々が歴史を学ぶ意義はまさにここにあるのではないかと思うお言葉。
    難易度も広く、ボリュームも多彩にて末永く楽しんでいただけます。ぜひ、お手持ちの3DSへおひとついかがでしょう。ゲームもシナリオも両方珠玉です。
    後述の戦国無双4と全く違う意味で、初めて本シリーズを遊ばれる作品としておすすめいたします。

  3. 戦国無双クロニクル 3

    PS Vita版の入手はこちら 3DS版の入手はこちら (ご利用はNew 3DSを推奨)
    PSVitaと3DSで発売されたタイトル。戦国無双4で新登場のアクションをフィードバックし、キャラ育成もやり込み甲斐のある内容となり帰ってきました。
    Vita版はVitaTVを用いてテレビであそべる、敵の表示数が多い、追加ダウンロードコンテンツがスクリーンリーダー利用で容易に購入できるといった面から、画面を目視せずプレイをご予定の場合はVita版をおすすめいたします。
    すれ違い通信での追加ポイント獲得の可能性から3DS版も選択肢に入りますが、その場合はNew 3DSでのプレイを推奨いたします(敵の出現数が段違い、処理落ちも低減されている)

    本作では分岐シナリオが重視されています。武将との好感度を上げれば追加シナリオが解禁される構造で、不足は城下町の茶室で補えるようなっております。
    城下町といっても実態はメニューなので、中身さえわかれば視力を用いず利用できますからどうぞご安心下さい。

    戦国無双4ではよくわからないお人となっておられた信長様、本作では桶狭間の戦いの後徳川家康との会談において、その苛烈な責めにて今川を滅ぼした理由がとても明快に語られます。なのでそれ以後の彼の政策も、賛否はともあれ納得の叶うものとなっているのはとても素晴らしいことです。
    その思想が体現される意味で面白いのが浅井長政のIFシナリオ。もしもで浅い朝倉連合軍が勝っていたら。そんな流れでスタートするこのお話しに出てくる信長さんは、大変本作の彼らしい描かれ方がなされていてたのしいかぎりです。

    ゲームとしては、どの味方武将も加入時のレベルが5に固定されている要素があります。育てる楽しみがある、育てるまで時間が掛かると両面のある構造ですが、主人公を軸にして闘うことである程度のフォローが叶うようになっています。そうした工夫をしている内、味方も強くなっていくようできているようです。

    演出面ではムービーが一切無い点が残念、その分戦いで得た資金を武器改造に使う、お茶会に使う、これらを工夫できる点が気に入っています。
    一気呵成に遊び尽くすよりか、末永くゆっくり楽しむ1本のようです。
    クロニクル4を待ちながら、ゆっくり楽しんでいこうと思います。

    ※最新版にアップデートすると、練武ポイントを現金に還元するレートが大変上がりますのでおすすめです。

  4. 戦国無双4

    PS4版の入手はこちら PS3版の入手はこちら PS Vita版の入手はこちら
    PS4,PS3,PS Vitaで発売。環境があればロード時間、敵兵の描画量よりPS4ダウンロード版をおすすめいたします。
    まずナンバリング作品にて爽快感重視な親切設計。神速アクション(三角ボタン)での巻き込み性能ははじめての実装にて大変強力。そこで敵兵の頭(詰め所頭や旗持兵など)を打倒したなら「シュー」とのSEで了解可能なので、敵武将との戦いとそれ以外の立ち回りを切り替えて楽しむ面白さがあります。
    PS4ではオプションボタン、PS3,PSVitaではセレクトボタンでキャラ切り替え。PS4のパッドボタン(他機種ではスタートボタン)でのメニューからはキャラ切り替えの他、戦技の利用、中断データの保存などが行えます。
    残念な点として、物語において各武将が「何故闘うのか」があまり描かれていない点があります(はっきり描かれていたのは徳川家康、島津豊久、北条氏康辺り)。いつ何があった、その結果どうなったといった出来事は描かれているので、まず「触り」を楽しむよう構造されていたように思い起こされます。
    まずアクションが気持ちよいので、はじめてのプレイにおすすめいたします。

  5. 戦国無双4-Ⅱ

    PS4版の入手はこちら PS3版の入手はこちら PS Vita版の入手はこちら
    PS4,PS3,PS Vitaで発売。こちらも環境があればロード時間、敵兵の描画量よりPS4ダウンロード版をおすすめいたします。
    クロニクル、および4無印の新キャラの個別エピソードをまとめた1本となります。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
視力を用いずにこうしたアクション要素のあるタイトルが遊べるのは、とても珍しいことで、だからこそぜひ体験をいただきたいのであります。
一般論から本作のUIを考えると、戦闘中のフルボイスは、文字情報を読まずアクションに集中するため、キャラ切り替えは移動のみの場面を減らしてより戦略的に闘うため。自動馬乗りは自分の馬を探し回る手間を緩和するため。
これらの目的が視覚障害を解決することと、結果的になった。
ボイスが不要の場合はOffにでき、キャラ切り替えも一切利用せずにクリアできます。その意味で、旧来のプレイ方法を否定しているわけではない点がまた素晴らしいのです。
ゲームオーバーになりながら、そして物語を楽しみながら、この面白いアクションと育成と戦略を堪能いただく切っ掛けといただけましたら幸いです。
  それでは、今日はこのあたりにて。


視覚補助情報

基本的なゲーム部分の遊び方

    立体音響を頼って交戦
  1. 徐々に四方八方どちらにも攻撃がヒットしなくなります
  2. 操作キャラを切り替えます。(PS3,PSVitaはセレクトボタン、PS4はオプションボタン)
  3. そうすると、コンピュータによる自動移動によって多くの場合に最前線のど真ん中にいるわけです。

テクニック

戦国無双4 クロニクル3共通

  1. R1の特種技。攻撃速度アップに攻撃力アップ、追加攻撃に周囲のキャラのHP回復と、それぞれのキャラ固有のアクションがここに割り当てられています。
    さて、チャージ攻撃(四角 四角 四角 三角)などで出る技がヒットしている場合に限り、左記の三角を出した後でR1を連打すると、隙無く特種技を使うことができます。
    ある程度難易度が上がってきたら大変効果的ですのでぜひ試してみてください。
  2. キャラ切り替えの直後に丸ボタンで無双奥技を出そうと思った場合、通常は1秒ほどの待ち時間を要します。
    しかしL1のガードボタンを押しながらキャラ切り替えをやることで待ち時間無く奥技を出すことができます。ぜひにお試しをいただけましたらと思います。

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