「あんたが?」
ガウリイは歯を食いしばり目の前に立つ男をじっと見つめた。
男とは過去に旅をした事があった。
ひょうひょうとしたその姿に似合わず実力がある事も知っている。
少なからず助けられた事もある。
でも今はそんなこたぁどーでもいい。
ガウリイは唐突に男に掴みかかったが既の所で男がその腕を掴み阻止した。
少しでも力を抜けば腕が折れそうなほど互いに力がこもる。
「いきなりなんだってんだおめぇ・・・」
「オレはあんたの所為で地獄を見たんだぞ!」
「・・・地獄ってあの時のことか?でもおめぇ・・・」
「違うっ」
ガウリイが激しく頭を振った。
「オレが・・・オレがバレンタインをどれだけ楽しみにしてたと思ってるんだ!」
「あ?」
男の腕から力が抜けガウリイはその隙に胸ぐらを掴み自分の方に引き寄せた。
「あんたの所為で!」
「お前・・・まさかアレに引っかかったのか?」
ぷっ。
男が吹き出した拍子に火のついていない煙草がガウリイの横を飛んでいった。
「し、信じられね〜〜〜」
胸ぐらを掴まれている事も忘れゲラゲラと腹を抱えて笑う男にガウリイがぶち切れた。
剣を抜いて男に斬りかかった。
「死ね!
死んでオレに詫びろーっ」
「ありゃ冗談で・・・」
「知るか!」
「分かった。謝るから勘弁しろ」
「今更謝ってなんかいらんっ。
オレの・・・オレのバレンタインを返せ〜〜〜〜〜っ」




「あら、お父さんとお客さんは?」
「さぁ?2人で仲良く走って行っちゃったわよ」
「まぁ元気ねぇ。
それより叫び声が家の中まで聞こえてたわよ。
リナ、からかうのも程々にしときなさいね」
「はーい、アイツがちゃんと言ったらねー」






おわし。



これ読んでからF3を読めば2回楽しめます(違)






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