[濾過]

25.濾過器のメンテナンス(2)

<物理濾材のメンテナンス>

これは必ず定期的にメンテナンスしなくてはいけません。
しかし、これは何に気を使うわけでもなく、流水でジャバジャバと洗えるのです。
とびっきり綺麗にして上げましょう!
以上・・・・・・。

<生物濾材のメンテナンス>

生物濾材のメンテナンスには細心の注意が必要です。
なんせ、バクテリアを飼育している訳なのですから流水でジャバジャバは出来ません。
また、定期的な水換えの時に一緒に行うのもあまり良くないでしょう。
水換えと水換えとの間を見計らって行います。
まず、水槽水をバケツに取り、その中で、ネットなどに入れた濾材を静かに沈めて軽くすすぐ程度でおしまいです。
出来ればダストが多少残るようにしたいぐらいです。
また、一度に全部の濾材のメンテナンスを行うよりも2回に分けて半分ずつ行う方が得策です。
いかにバクテリアにダメージを与えないようにするかを考えて行いましょう・・・。
 
メンテナンスの時期ですが、使用状況にもよりますので一概には言えませんが、プレフィルターを使用している場合などはほとんど必要がありません。
なにか濾過能力に変化があったときや、亜硝酸やアンモニアが検出されたときなどの他は基本的にさわらないのが生物濾材です。
ただ、濾材の更新は必要であると思います。
したがって、1年以上使用していて、かなりダストもたまってきて、濾材自体が目詰まりしたような状態であると判断されたときに、またはかなり変色していたり形状がつぶれてきたようであれば、濾材を新しい物に更新します。
故に、メンテナンスと濾材の更新は見てからの判断になります。
実際に濾材を見てすすぐ程度で戻すか、新しい物に更新するかの判断をすることとなるのです。
当然、対照となるのは生物濾材の総量の半分が限度です。
ですから、生物濾材をメンテナンスしようと思ったならば、いざというときのために前処理を済ませた新しい濾材を用意しておいた方が良いでしょう。
 
セットするときにはメンテナンスしなかった濾材を水流から見て先にセットし、メンテナンスした方や更新した濾材はその後にセットするのが基本です。そうすることによっていち早くバクテリアが移り住んでくれるようになります・・・。
 
ちょっと一言・・・・。
生物濾材のメンテナンスは、例えば、「1年以上経過しているから」行うものでもありません。
何も問題なく、順調で水質が安定している状態であればメンテナンスの必要はありません。
ただ、必要でないのに部分的なメンテナンスや濾材の更新を行うことは、順調で問題のない濾過システムをさらにこの先維持しようとする行為であると思います。
したがって、「出来る限りさわらない方が良い」ものをあえて部分的にでもメンテナンスする事に対して矛盾があると思われるかも知れませんが、生物濾材の機能が低下したり短期間の間にバクテリアが激減したりしてからでは「遅い!」と言うことも言えるのです。
これらの時期を判断するには、何よりも経験がものを言いますが、生物濾材の様子をフィルター本体を通して覗いてみたり、実際に取りだしてみるなりして、かなりダストがたまってきている状態や濾材自体が黒くなってきていたり、つぶれている物が発見されたときは迷わずメンテナンスをするべきです。
例え水質が安定していて、何も問題がない状態の時にでもです。
そうすることによって、起こり得るかも知れない事態を事前に回避できるもののように思います。
また、何も問題がない状態の時であるが故にメンテナンスが出来る、とも言えると思います。
 
何か濾過に関して不安材料があるときに生物濾材をメンテナンスすると、よけいに状態が悪化することもあります。
私の個人的な目安としてはプレフィルターを使用している場合は1年に一回程度チェックする、物理濾材と同じ容器にセットして使用している場合は物理濾材のメンテナンス2回につき1回程度チェックする、と考えています・・・。
何も問題がなければ引き続き使用します。

<ウールやスポンジなどを入れている場合にはその交換>

これらは「濾過槽を開けたら必ず交換する」ぐらいの気持ちで差し障りありません。
案外と濾過器からの流量低下の原因は濾材と濾材を仕切っているスポンジや格子状のもの、濾過器の最終部分にセットしているものの目詰まりによって起こります。
物理濾材は定期的に洗浄してゴミを取り省きますから、その時にこのようなスポンジ類やウールなどの詰め物も新しいものに交換するようにしましょう。
洗浄して再利用できるものは流水で洗うなり、水槽水で洗うなりして使用できるようです。

<水流の調整>

先にも少しふれましたが、「水草水槽」では水草が大きくたなびくような強い水流は必要ありません。
また、その様な強い水流はレイアウトを乱したり、何よりもひげコケの発生につながります。
しかしながら、水槽全体を循環するような水流も必要です。ここが非常に難しいところだと思います。
水が回らないような部分が出来てしまいますと、らん藻などが出てきたり、その部分の床が嫌気的な環境になり水草の生育に支障が出てきたりします。
レイアウトにもよりますが、程良い水流を確保するためにはそのレイアウトごとの対応が必要であるかも知れません。
シャワーパイプや出水口は決められた位置に設置しなくては行けないものではありません。
我が家の水槽に合った、またはその時のレイアウトに合った位置を探りながら設置すればいいものです。
また、吸水口との関係も考慮して考えなくては成らないでしょう。
1つのアイデアとして、可能であるならば、定期的に取り付け位置を変えていくのも良いと思います。
とは言っても、どこでも良いわけではありませんが、もし、90pクラスの水槽であれば、右からの水流と左からの水流を交代交代にするなどと言う方法も良いのではないでしょうか・・・。
60センチ以下の水槽では取り付けられる位置がほとんど固定してしまいますのでその様なことはあまり出来ないかも知れませんが、90p以上になるとわざと60センチクラスの濾過器を2台使用して、左右からの水流を作る場合もあります。
また、その様な濾過システムにすることによってメンテナンスも気軽に出来るようになり、水質もより安定します。
90pには90〜120用の濾過器で・・、だけが選択技ではなく、60p用を2台、と言う方法も良い濾過システムのように思います。
 
強すぎる流量の調整はシャワーパイプの穴を一回り大きくすることでほとんど解消できます。
また、シャワーパイプからの水流は先に進むにしたがってたくさん出てきますので、エンドキャップに穴を開けてやるのもいい方法ですし、穴の数を増やしてやるのも良いでしょう。いろいろと考えてやってみて下さい。
ほんの少し流量を落としたい場合などはホースに付いているタップを全開にせず、少し閉めた状態にして使用することもできます。
ただし、あまり閉めすぎたりしますとポンプに付加がかかったりしてポンプの寿命を短くする原因や、濾過槽内での水流の滞る所などが出てくる場合もありますので、気を付けて下さい。