[濾過]

17.外部密閉式濾過器

ここではどのような濾過システムを構築すればより良いものになるのか、と言うことを考えていきたいと思います。
ただし、これは私個人の考えであり、こうで無いといけないと言うものでは決してありません。
濾過システムにはいろいろな方法があり、いろいろな考え方があります。
多額の投資を行い、水族館のような設備を整えていらっしゃる方もおられるとは思いますが、ここではごく一般的に「水草水槽」を楽しむためにより良いであろうと思われる一番低コストでメンテナンスがしやすく、スペースをとらない様な濾過システムを考えていきたいと思います。
 
したがいまして、水槽上部の照明設備の設置場所の確保とCOの強制添加を考えた場合のその効率の問題、そして、その濾過能力を考えた上で「水草水槽」には最も適しているであろうと言う判断から、ここで言う濾過器は外部密閉式を前提に考えます。
その他の濾過システムにおいても維持していけないわけではありませんので、ここに書かれていることを応用して頂ければよろしいかと思います。
 
外部密閉式の濾過器は一昔前までは海外ブランドのものしかなく(代表的なものはエーハイム社製)近年になって、やっと国産ブランドのものが登場しました。それまでは独占市場であったことなどから、とても高価なものであったようです。
いろいろな国産ものが登場してきて、幾分最近では価格競争も起こりバーゲンなどで安く購入できるようになったようです。
業界筋の話によりますとその販売価格は発売当初の半分以下である、とも言われています。
これからもきっといろいろな改良などが施され、さらに価格が下がっていき、アクアリウムにおける濾過器の代表となるでしょう。
 
さて、いろいろな種類がある外部濾過器ですが、各社、長所短所があり使用してみないと分からないことばかりです。
選択するポイントとしては、やはり安いにこしたことがないのでしょうが、価格だけで選ぶのはちょっと単純なような気がします。
だって、初めて購入するときにはずいぶんと高いように感じられるかも知れませんが、モーターなどを含めた消耗品の交換だけで、おそらく、水槽がある限り使用できるのですから、そのコストは微々たるもののように思います。
当然、定期的な、かつ、適切なメンテナンスは必要ですが・・・。
 
選択するポイントとして重要なものを少し上げておきます。
  1. 同一クラスの他社製の製品と比べてその濾過能力(毎時、何リットルと言うように表記されていますが、これはポンプの能力を表しています。)が優れていることと、濾材がたくさん投入できること。
  2. 運転時のモーターやインペラー音が可能な限り小さいこと。(別に気にならない方は無視しても良いでしょう。)
  3. 密閉性に優れ水漏れなどが起こりにくいこと。
  4. いざというときに、たやすく消耗品などの部品が手にはいること。(濾過器は年中無休の心臓部なんですから2〜3日ぐらい・・・とはいきません。)
  5. 濾過槽内で必ず水流が一方通行する事。(濾材を通過する前の水と後の水が少しでも混ざらないこと。)または、その確率が最も高いもの。
この5点ぐらいでしょうか・・。予算に合わせて出来るだけ背伸びをして、無理をして購入されることが後々のことを考えると、ベストな選択になるかも知れません。ただし、以上のようなことは使用してみないと分からないことが多いので、しっかりと下調べする必要があると思います。
また、よく言われることに「1ランク上の濾過器を選ぶ」、と言うことがあります。
これは余力のある状態で水槽を維持管理できれば万が一の事態に遭遇した場合にもその被害を最小限度に抑えることが可能である、と言う理由からです。
例えば、夏場の急な水温上昇によってかなりのダメージを受けてしまった生物濾過でも、もともと十分な余力がある濾過器であればさほど急を要する事態にはならなかったり、汲み上げ能力の高いポンプを装備した濾過器が何かの理由で水量が落ちたとしても大事には至らない、等と言うことになるからです。
要するに馬力がある車で急な坂道を上っていくのと、そうでない車で同じ坂道を上るのとではエンジンにかかる負担やそのスピードに差が生じてしまう、と言うことです。
ただ、この外部濾過器は1ランク上のモデルになると(水槽の大きさに合わせて販売されています。)極端に価格が高くなるようです。
私がお勧めする方法をとるならばその必要はありませんので、前もって書いておくことと致します。