a d (calc-derivative
) [deriv
] コマンドは、
ユーザーに変数を指定するよう促して、
スタック top の式の導関数を計算します。
通常、指定した微分変数以外の変数は定数とみなされます。
つまり `deriv(y,x)' (訳注: y を x で微分) はゼロになります。
ハイパボリックフラグを付けると
tderiv
(全微分: total derivative) になって、
変数の微分はそれが「定数」と判っている場合以外、
つまり、独立変数である場合以外はゼロになりません。
(特別な組込み変数 pi
は、
const
宣言された変数のように定数と見なされます。宣言 参照 。)
数値接頭引数 n を付けると、このコマンドは n 階微分を計算します。
三角関数を扱うとき、まず m r で radians mode に切りかえましょう。 360度法での `sin(x)' の微分は `(pi/180) cos(x)' になってしまって、 予想した答と違うでしょう。
代数式中で deriv
関数を直接使う場合は、
`deriv(f,x,x0)' と書くと、
x=x0
における f の x についての導関数を
表すことができます。
微分される式が Calc の知らない関数を含む場合、
その関数の導関数はプライム(アポストロフィ記号)を付けて表現されます。
例えば、`deriv(f(2x), x)' の答は `2 f'(2 x)' で、
f'
は f
の導関数を表します。
ユーザーが Z F コマンドで定義した関数については、
ユーザーが f'
を定義していなければ
Calc は定義式に従って関数を展開します。
例えば、Z F を使って `sinc(x) = sin(x)/x' が
定義されているとしましょう。
ここで式 `sinc(2 x)' の微分を取ったら、
式は `sin(2 x) / (2 x)' に展開されてから微分されます。
しかしながら、もし `sinc'(x) = dsinc(x)' とでも定義されていたら、
Calc は答を `2 dsinc(2 x)' とします。Programming with Formulas 参照 。
多変数関数 `f(x,y,z)' については、
第1引数についての導関数は `f'(x,y,z)' と書かれ、
他の引数についての導関数は `f'2(x,y,z)', `f'3(x,y,z)' となります。
高次の導関数は、例えば `f'''(x) (f
の2階導関数)とか
`f'''2'3(x,y,z) (f
を各引数で1回ずつ微分した導関数)
のように判りやすく表現されます。
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