お笑い「週刊金曜日」
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「民主主義の自殺行為」か――「大阪維新の会」がダブル選挙制す

一一月二七日に投開票された大阪市長と府知事のダブル選挙は、橋下徹前府知事と、同氏が結成した「大
阪維新の会」幹事長の松井一郎前府議が、それぞれ対立候補に大差をつけて圧勝した。

 今回の二つの選挙では、橋下・松井両首長や「維新の会」が制定を目指す府の「教育基本条例案」が争点
に。学力テストの結果で学校別に競わせ、序列化と子どもたちの競争を煽るといった「目標」に従わないと、
知事が教員や教育委員を免職・処分できるという内容で、選挙前に教育学者ら九八人が「戦前のような教育
現場になる」と抗議の声明を発表していた。

 橋下氏は選挙期間中、「条例案」には一切触れない作戦を徹底。しかし当選後、五人の委員全員が「条例
案」に反対している府の教育委員会に対して「選挙の結果を重く受け止めるように」などと発言しており、今後
反対運動は正念場を迎えそうだ。

 さらに両首長は、職員を相対評価で下位評価に査定し、二年連続で最下位評価となった職員を免職できる
「職員基本条例案」も可決しようとしており、選挙後も「反ハシズム」の闘いは続く。

 ジャーナリストの斎藤貴男氏は、「大阪には『お笑い票』という、漫才師だろうが何だろうがテレビに出演する
”人気者”なら政策など関係なく投票する有権者が一〇〇万人いると聞いた。そんな土地柄なら今回のような
選挙結果になっても不思議ではないのだろうが、実に恐怖を感じる。橋下氏が圧勝できるなら、同じタイプの
人間が今後国政や地方議会にさらに登場してくる可能性もある」と、政策論より”人気”や”キャラ”を重んじる
大阪の選挙風土を問題視。また、今春、東京都知事に石原慎太郎氏が再選されたことについても斎藤氏は、
「『民主主義の自殺行為』とも言うべき現象が、最悪の事態を招くまでに行き着くのではないか」と危惧した。

(成澤宗男・編集部、12月2日号)

(引用終わり)
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「お笑い大学教授」にも書いたことだが、
一般論としてテレビによく出る人が選挙に強いのは大阪に限ったことではない。

現に「週刊金曜日」が活動の拠点としてる東京でも
タレント出身などテレビに多く出てる人の得票数は多いのである。

キャンペーンガール出身の蓮舫氏、お笑い芸人出身の東国原英夫氏
ワタミ会長で選挙直前まで報道情報番組でコメンテーターをしていた渡邉美樹氏の得票を見てみよう。

蓮舫氏        171万票(第22回参議院議員通常選挙の項目)  2010年 参院選東京選挙区 
東国原英夫氏    169万票(選挙結果の項目)              2011年 東京都知事選
渡邉美樹氏     101万票(上と同ページ)                2011年 東京都知事選
石原慎太郎氏    262万票(上と同ページ)                2011年 東京都知事選 

蓮舫氏は東京選挙区で過去最高の得票であり
東国原氏と渡邉氏の得票の合計は当選した石原氏の得票より多いのである。

一方、蓮舫氏が大量得票した同じ時の参院選の大阪では、
選挙区と比例代表で立候補したタレントは二人とも落選した。




これを見てなお、東京のメディアで
「大阪お笑い100万票」などとうそぶける連中の頭の中はどうなってるのだろうか。

(1) 実は蓮舫氏や東国原氏などタレント出身者が東京でも170万票も得票してることを知らなかった。
   つまり、週刊金曜日では政治に無知な連中が政治を語ってる。
(2) 大阪のタレントの得票と東京のタレントの得票が頭の中では結びつかないほど
   想像力が欠如してる連中しか週刊金曜日にはいない。
(3) 週刊金曜日の連中は東京のことは知らんふりできるほどの厚顔無恥である。

みなさんはどれが当てはまると思いますか。




記事タイトル【「民主主義の自殺行為」か】について。

「大阪では政策論は関係なく人気が先行する」
「だから大阪維新の会が人気だけで選挙に勝った」
本文でこういう意味のようなことが書いてあるが、これも真っ赤な嘘である。
むしろ今回のW選挙で政策論を展開してたのは大阪維新の会だけである。
だから大阪維新の会が勝ったのだ。

他のほとんどの政党・団体、多くのメディアは
政策論はそっちのけで橋下氏に対して「独裁」「ハシズム」などのレッテル貼りと
橋下氏の出生・生い立ちの差別的な攻撃しかしなかったではないか。 【注】(ページ最下部)

週刊金曜日や他のメディアはどんな政策論で維新の会の候補を批判したのだ?
週刊金曜日は一部メディアの差別的報道を批判したのか?

橋下氏が選挙期間中「条例案」に触れなかったというなら
なぜ橋下氏が「条例案」に触れざるを得ないような選挙戦や報道をしなかったのだ? 




政策論争で戦った大阪維新の会以外の
ほとんどの政党・団体が政策論そっちのけでレッテル貼りに終始し、
一部のメディアが差別的な個人攻撃を垂れ流し、
右・左関係なくほとんどのメディアがその両方を批判しなかった。

大阪維新の会を選択したことの結果がどうであろうと
こんな選挙で政策論争をやってた大阪維新の会が負ければ、
それこそ民主主義の自殺行為だということをメディアはなぜ理解できないのか。

そういう意味では、大阪の有権者こそが
民主主義の基礎になる選挙を殺そうとした狂気のメディアから民主主義を守ったのである。

その結果、もし大阪維新の会という選択が間違ってたとすれば、その責任は有権者が負えばいい。
それが民主主義だ。




【注】
いわゆる怪文書のたぐいではなく
一般メディアが候補者の出生や生い立ちを批判材料として使ったことが前代未聞であるだけではなく
それを他のメディアや人権団体が看過したのも本来は許されることではない。

これは、メディアや人権団体にとっていったい人権とは何なのかということを
考えさせる「事件」であった。

この「事件」以降、メディアや人権団体は
自分たちが「人権を守ろう」と言っても信頼されなくなってる危険性に気付いてるのか。

自分たちが自殺したかもしれないことに気付いてるのだろうか。




【関連】
お笑い大学教授



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