渋滞損失額     07517

おそらくほとんどの人は、交通渋滞の経済的損失を考えると東京都及び首都圏は、
単純な総額だけではなく、人口比や経済規模比で見ても全国でもっとも損失が大きい地域だと思っているでしょう。
もちろん、管理人もその一人でありました。

しかし、このたび、東京都及び首都圏の交通渋滞の経済的損失は、
対全国の人口比・物流比で見ると、むしろ少ないことを示す資料が見つかったので、
ここに報告します。

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国土交通省 国土技術政策総合研究所
http://www.nilim.go.jp/lab/pcg/tokyo/tokyo-infra.htm
「東京圏における社会資本の効用」について
8.東京圏の社会資本の課題

該当部分の画像化  緑の枠内       元ページ (PDFファイル 72P
渋滞による損失額
全  国  : 年間約12  兆円
首都圏 : 年間約 2.8兆円
東京都 : 年間約 1.2兆円

(引用終り)
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渋滞による損失額で、首都圏が全国に占める割合は23%、東京都が全国に占める割合は10%であり、
人口を基準に見ると、ほぼ人口比どおり(東京都)か、むしろ少し軽いくらい(首都圏)です。

また、首都圏には全国の物流の約30%が集中しているので、(1 ページ最下部)
物流を基準に見ると首都圏の渋滞は、はっきりと軽いのです。
物流の30%が集中してるのに、渋滞による損失額は23%なのですから。

これは、これまで東京都及び首都圏で重点的に道路整備に投資されてきた結果、
すでに「物流は30%なのに損失は23%」まで状況は改善しているということでしょうか。(ページ最下部)

あるいは、もう一歩踏み込むと、最初から物流の集中が目的で重点投資した結果、
ということでしょうか。

いずれにせよ、渋滞による損失が大きいから東京都及び首都圏で重点的な道路整備が必要であるという、
マスコミによって誘導されている空気(印象)は、完璧に嘘であることは分かります。


【関連】
無駄な高速道路〜はじめにかえて





【注】
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2006/02/20g28204.htm

>物流においては、首都圏内での貨物輸送量は年間約16億トンに達し
>
全国の約3割を占める一大貨物輸送地域となっている。

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