無駄な高速道路 〜 はじめにかえて

旧日本道路公団の高速道路には二つの種類がある。
高速自動車国道と一般有料道路で、前者は「幹線」や「動脈」と表現されるものであり、
旧国鉄在来線の「○○本線」に相当するものである。

高速道路網をある程度全国に行き渡らせるということは、
利益が出る出ないに関係なく、国家にとって必要なことである、
つまり「無駄な高速道路」の議論では、国家の幹線たる高速自動車国道は「無駄」の対象にはならない、ということを
議論のベースしてよいのではないかと思う。

では、どういう高速道路が「無駄」の対象になるのかと言うと、それが後者の一般有料道路である。
道路公団民営化の報道においても、公団の放漫経営の事例として議論されたのが、この一般有料道路である。
一般有料道路には、次のような特徴がある。
@
高速自動車国道と違って、国全体から見て不可欠な道路ではない。
A
地域高速道路的な存在である。
B
建設に国費が投入されている。

「熊しか通らない高速道路」
この言葉で悔しい思いをした人も多いだろう。
石原伸晃と東京マスコミはこの言葉で、無駄な高速道路が多いのはある特定の地域であるとイメージ誘導したのだが
もちろんそれは嘘であった。

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これは、これ以上の高速道路の建設に慎重な人が作った資料であるが、
http://www.e.u-tokyo.ac.jp/~iwamoto/Docs/2003/KosokuDoroKensetsunoZehihenoHoron.pdf
この中から一般有料道路の項目を抜き出してみると次のようになる。

http://www.eonet.ne.jp/~0035/douro.jpg
道路名の右の数字が、この資料における利益・損失である。

これをさらに関東圏と非関東圏に分けると、次のようなる。
http://www.eonet.ne.jp/~0035/douro.htm

そこで、関東圏・非関東圏それぞれの利益・損失をプラスマイナスすると、次のようになる。
関東圏       マイナス  1401
非関東圏全体  マイナス  1228

どこに損失が多いのか、一目瞭然である。
「熊しか通らない高速道路」の地域より関東のほうが、ずっと無駄な高速道路が多いのである。

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このHPでは、このように全国紙・キー局ネットワークその他の東京マスコミによる
嘘・印象操作・イメージ誘導を一つ一つ検証しています。


管理人が大阪在住なので、どうしても大阪に関する話題が多くなりますが、
そういう意味でも、この全国的なテーマである【無駄な高速道路〜はじめにかえて】を
アップすることができてほっとしています。

おそらく、報道を中心としたマスコミ情報に接して、何かおかしいと感じたり、
腑に落ないと感じたりしている人は多いでしょう。
その「何か変だぞ」という嫌な感じの理由が、以下のページで判明したと思っていただければ幸いです。

堺屋メモというのは、堺屋太一氏『東大講義録』から引用させていただいた文章です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062113791/249-4714104-3364334
ここのテーマと直接関係するのは最後の50ページほどですが
それでもマスコミではほとんど語られることのなかった事例が満載です。

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