「セシウムさん」と「JAP18」

2011年8月4日に東海テレビでいわゆる「セシウムさん」問題が起きた。
問題の経緯 (リンク切れの場合の画像化

東海テレビはその日のうちに謝罪し、放送した番組を打ち切り、
8月30日に検証番組を放送した。

また、テロップを作成した制作会社社員は懲戒解雇処分になった。

この事件はほとんどのメディアが報道し、
一ヶ月以上たった9月半ばでもグーグルニュース検索には
まだ200件を越えるヒットがある。





9月8日、フジテレビの『それでも、生きていく』というドラマで
小道具の架空雑誌に「JAP18」と書かれた場面が放送された。

衆知のように「JAP」という言葉は国内だけではなく国際的にも
日本に対する侮蔑語・差別語として広く認識されている。

東海テレビの「セシウムさん」に劣らず問題のある言葉である。

にもかかわらず新聞・テレビ系列だけではなく出版系の週刊誌さえも
まったく報道していない。

グーグルニュース検索ではわずか5件のヒットしかなく
そのすべてがネットメディアである。




もちろん当のフジテレビは「JAP18」を認めていないし
関係者に対するいかなる処分も発表されていない。

不祥事を起こした企業の対応としては
東海テレビのほうがはるかに優秀であり
フジテレビはその足元にも及ばないにもかかわらず
既存メディアの報道では東海テレビの批判しかない。




この二つの問題に対する既存メディアの報道の違いは
フジテレビは東京にあり、東海テレビは東京にない、
これしか考えられない。

東京のメディアにとっては政治的イデオロギーの違いよりも、差別よりも優先するもの、
それがお互いに利益を共有している東京の面子なのだ。

東京こそが日本最大の利権であり、日本最大のタブーなのである。




【注】
このサイトのテーマから離れるので取り上げなかったが
「JAP18」の「18」にも意味があるのではと指摘されている。
http://www.j-cast.com/2011/09/10106886.html?p=all




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