翌る日Qさんは、Zさんに鬼の首を取ったがごとく、自慢げに吹聴していた。
当然私のことは隠して。
Qさんは、1日中機嫌が良い。練習中も初デートは何処にしょうかなーなんて
喋りかけてくるのだ。(まだこの時点では、電話をしていない)
練習終了後、Qさんが「今日カメとこで集合」
(カメとは、私の中学の同級生で、Qさんの高校の後輩。例のダイエーの前の
マンションに偶然、高校時代に引っ越しをしていた。当然ラグビー部であった。)
Qさん、Zさん、カメ、私、4人が揃った。
Qさんはすんなり電話番号が聞き出せたので、もううまく行ったと思ってる。
私達に自慢したいのだ。
9時を過ぎたので帰ってくる時刻だろうとなり、私達をカメの部屋から追い出した。
10分くらいたった頃。うれしそうな顔をしてリビングまでやってきた。
聞きもしないのに「来週初デート決定!!!!」と大きな声で発表。
私とカメは「よかったですね」と言ったが、Zさんはすかさず。「片割れ段取り頼むわ」と
懇願していた。Zさん、ナンパの計画を立てるのはいつもZさんである。
少しでも、女を引っ張れるチャンスがあれば見逃さない。
これで本当に、Wデートでもできれば瓢箪から独楽でそれなりにラッキーなのだ。
ダイエーの女は、平日が休みである。当然Qさんは、授業があり練習もある。
当然、予告風邪引きを宣言し、都合よく風邪を引いた。
デートは、梅田だった。お決まりの喫茶店→ 映画→ 食事→解散だった。
翌日、誰が風邪ひいてんねんと言うぐらい上機嫌で大学にやってきたQさんは、
私達を集めて、最初から最後までデートの一部始終を語るのだ。
「先輩、キスぐらいはしたんですか?」と聞くと。
「あほ、あせらずゆっくりとせんな失敗する。まっ、もろたようなもんやけどな。」
「次は決めるでーーーー」世界はこの人を中心に回っている。
何やかんやといいながら、初デートから2、3週間が過ぎてしまった。
2回目のデートの約束を、取り付けたQさんは、またしても上機嫌。
作戦を練る事になり今度は、Zさんと共に寮までやってきた。
今度は、京都で待ち合わせだ。ああだ、こうだと言いながら結局適当にやるわ。
になったしかし、キスの場所は吟味した。デートの最終コースは植物園になり、
薄暗くなった植物園のベンチで、キスをする作戦になったのだ。
デート当日の夜、報告会を開く事になり、カメのマンションで待った。
夜、暗い顔したQさんが帰ってきた。何かあったなと一同フリーズ状態になった。
(もしかして、キスが出来たのでそのまま植物園の草むらに押し倒して・・・・・)
結局、詳しいことを聞けぬまま、飲みに行こうになって駅前の飲み屋に行った。
酔いも回りはじめ、あほな事ばかり喋っていたら、Qさんも落ち着いてきたのか今日の
事を話しだしたのだ。
要約すると、植物園にまでは計画どうり、辺りが薄暗くなり人気もまばらになってきた。
キスをしょうと、手を肩に回し掛けたとき彼女が泣きだしたのだ。
Qさんはびっくり(誰でもや)しばらくして彼女がとつとつと話しだした。
つい最近まで付合っていた人がいて、振られた形になっていたそうな。
その彼が、Qさんと2回目のデートの間にやり直そうと言ってきたらしいのだ。
彼女は、まだ彼のことが好きでやり直したいからもう逢えないとの事だった。
私は、マジでこんなんありーーと思った。
当時女性と付合ったことの無い私は、彼女の精神構造を疑った。
今では、そこら辺にごろごろある話だけども。
Zさんが、「俺の話も流れやなー」(こんな時に何を言うてんねん。)
とりあえず、しこたま飲んで、カメのマンションで雑魚寝することになりその日は寮に
帰らなかった。
朝、起きるとQさんが居ない。大学に行くには早すぎる。
Zさんが、「ショックで自殺でもしてんちゃうか」と朝から縁起でもないことを言う。
(と言いながらZさんは、マジで心配していた。)
大学へ行くとQさんがいたので一安心。
Zさん、「何処行っとてん?」
Qさん 「ちょっとな」
Zさん 「何処やねん?」
Qさん 「土手で考えててん」(大学の横に1級河川があった。)
Zさん 「何時からや?」
Qさん 「5時ぐらいかな」
Zさん 「お前、日の出見とったんか?」
Qさん 「せや」
Zさん 「お前、日の出見て泣いとってんやろ」
Qさん 「泣いてへんわ!」
Zさん 「あほ、俺ついていって見とったんやぞ!」(うそ)
Qさん 「えっーー」
Zさん 「やっぱり泣いとってんや」
Qさん 「なんや、かまかけたんか?」
2人はプロレスを始めだした。