マムシの兄弟恋愛す


QさんとZさん、本当に女に縁が無い。
自分たちはカッコイイと思っているのだが・・・本人たちに自覚症状が無い。重傷だ。
QさんとZさんが、大学にやってきた。いきなり私を捕まえると。
「おいXX今日は、ええもん見た」「何を見たんですか?」と私。
「めちゃ別嬪や、のーーZ」
「せや、Qが今日見付けよってん、ダイエーの中にある化粧品売場の女や」
大学の駅の直ぐ近くにダイエーがあり、裏口に面している裏道が大学の通学路になって
いるのだ。その裏道から化粧品売場が見える。
売場で働いている女性の事を話題にしているのだ。
マムシの兄弟は、その女性を見るのが楽しみになった。
今日は、見れなかった、とか今日は見たとかが、毎日の会話になった。
しばらくして、Qさんがメチャクチャ機嫌よく大学にあらわれた。
「おいXX聞いて!聞いて!」
「先輩、うれしそうですね。何かあったんですか?」
「せや、今日、ダイエーの女(名前も知らなかったのでダイエーの女と呼んでいた)と
目と目が会ってな、手振ったら、振り返してくれてん」
いやはや、単純なものである。Qさんの事を選手としてしか知らない人はびっくりする
だろう。あんな「えぐい」プレーするのに・・・
その日練習が、終わったときQさんが「XX今日告白する。付いてきてくれ」
「あの笑顔は俺のものや」本当にノーー天気である。
私は、告白場面に付合わされるはめになったのだ。
待ち合わせの場所へ行くといつもいるZさんが居ない。?
「先輩Zさんは?」いつも一緒なので不思議に思ったのだ。
「あほ、振られてみ、あいつのことやから、言いふらすやろ」
ちゃんと振られたことを想定してはる。まんざらバカじゃないな。
現地到着!!
いたいたーー2人いる。「どっちですか?」「あほ可愛いほうに決まってるやんけ」
どちらも可愛いのである。
「右や、右や」「顔の丸いほうですね」「そや!」
なるほど先輩は、こんなんタイプやねんな!
そうこう言っているうちに向こうが私達に気ずいた。笑っている。
ええ雰囲気やーーー 向こうも意識している。
あれQさんが居ない??
恥ずかしがって隠れたのだ。
「先輩何しているんですか?」
「あほ、恥ずかしいやんけ」
「えっ、恥ずかしい言うても先輩今から、告白するんでしょう?」
「わかってる、はよ行けよ」
「はよ行け?って何処に?」「せやからダイエー」 「?」
「えっーーーぼくが行くんですか?」「せや電話番号聞いてきてくれ」
やっとここでQさんの魂胆が解ったのだ。
この人は、本当に女に弱い。男には断然強いのに。(ホモじゃないよ)
男に対する強さの半分でもあれば、学生生活もピンク色に染まるのに!!
先輩の命令は絶対だ。(特にこの人は)無理へんに拳骨と書いて「兄弟子」は角界。
身代わりへんに告白と書いて「先輩」はラグビー界?
「本当にいくんですか?」「たのむ上手いこといったらマクドおごるから」
ここで私はすかさず足元を見た「シェイクも?」「つけるつける」取引成立。
「あのーーすみません」クスクス2人して笑っている。
「私、ОО大学のXX申します。外におられるのは先輩のQさんです」
買物篭下げたおばちゃんが、怪訝な顔してみてるーー
「先輩Qさんが、お知り合いになりたいと言っております。ゆっくりお話をしたいので
 よろしければ、後程電話いたしますので、電話番号を教えて頂けませんか?」
まだクスクス笑ったまま、手を振っている。
食い下がった。マックとシェイクがかかっている。
「先輩は、純情であまりこんな経験がなく、ほんとにいい人なんです。」
純情を強調した。「本当なら自分で来なくてはいけないのですが、お願いします。」
ダイエーの女は、笑いながらメモを書いてくれた。
「ありがとうございます」ダイエーを後にした。
案外あっさりいった、向こうも数日間意識していたんだろう。
メモには、名前と、電話番号が書いてあった。 後に解ったことだが、
ダイエーの女は、S堂の社員で週2回このダイエーに来ており
 点々と巡回する販売員だった。
 地方から出てきており(中国地方だったと思う)京都の社員寮に住んでいた。
 年は、Qさんと同じで田舎から出てきて2年目だった。