ステンレス鋼

1.ステンレス鋼とは

ステンレス鋼は、鉄をベースにその中にクロム単独、あるいはクロムとニッケルを含有させた合金鋼です。普通の鋼と違って、耐食性が優れているのは鋼材の中に含まれているクロムのためです。鉄に対してクロムの含有率が11%以上になると、耐食性が出てきて、18%になると、さらに耐食性がよくなります。この耐食性がよくなる原因は、クロムが酸化しやすく、容易にきわめて薄い緻密な酸化被膜を形成して、不働態化し安定するからです。  また、クロムと同じように合金として添加されているニッケルやモリブデンは、不働態被膜を改善して強化する働きをしています。

2.ステンレス鋼の種類

ステンレス鋼は金属組織の上から次のように分類されています。

(1) オーステナイト系ステンレス鋼

(2) フェライト系ステンレス鋼

(3) マルテンサイト系ステンレス鋼

(4) 二相ステンレス鋼(オーステナイト+フェライト)

(5) 析出硬化型ステンレス鋼