認知心理学実験用ソフトウェア

ここでは,Excel VBAやVisual Basicを使ったいくつかの認知心理学実験プログラムを紹介しています。解説文もありますので,利用してみてください。

Excel VBAの基礎  >>

Excel VBAの基本的な書き方を解説した下記の文書のPDFです。
心理学におけるExcel VBAの利用 その1 ―VBAの基本文法―
関西大学社会学部紀要 2008 Vol.38 No.1 191-221

ストループ効果実験プログラム

ストループ効果とは,Stroop,J.R.(1935)によって発見された現象で,例えば「赤」という文字を青色のインクで書いてあるものを提示し,その文字の色(この場合は青)を答えるという課題を行うと,青インクで書かれた四角を提示し,その色(この場合は青)を答える場合に比べ反応速度が遅くなるというも のです。これは,「赤」という言葉の情報処理とインクの色の情報処理との間に葛藤が生じ,それによって反応の遅延が起こり,このような葛藤を認知的葛藤と いいます。ストループ効果の実験方法としては,今挙げた文字の色を答えるものだけでなく,いろいろな課題が考案されています。下にいくつかの例を挙げてお きます。

  • (1)数字がいくつか書かれているものを提示し,数字の個数をこたえるもので,「7」という数字が5つ書かれていれば5と答えるといったもの。
  • (2)基点に対して文字が上下左右どこに書かれているかを答えるもので,基点の下に「上」と書かれていれば下と答えるといったもの。
  • (3)高い音(175Hz)で「low」あるいは低い音(110Hz)で「high」といい,その音の高さを答えるもの。
  • (4)蛇恐怖症の人とそうでない人に「毒蛇」,「這う」といった言葉を書いたものを示し,その文字の色を答えてもらうと,蛇恐怖症の人はそうでない人より,反応が遅れるといったもの(情動的ストループ効果)。

以上のようにいろいろな課題が考えられており,このストループ効果による研究は,認知,発達,人格,臨床など多くの心理学の分野で行われています。
ここでは,Excel VBAで作成した文字の色についてのストループと上記(1)の数字の個数のストループ,(2)の文字の位置のストループの3つのプログラムを紹介します。 下記参考文献の私の論文に使用方法と作成方法の詳細がありますので,参考にしてください。 ソースプログラムを改変していただいても結構です。少し工夫すれば,情動ストループのプログラムなどもできるかと思います。 使用上何か問題がありましたら,メールでお知らせください。

参考文献
久本博行(2007)心理学におけるExcel VBAの利用 その2 ―ストループ効果の実験プログラム―
関西大学社会学部紀要 39(1) 61-96

MacLeod,C.M.(1991) Half a Century of Research on the Stroop Effect: An Integrative Review. Psychological Bulletin 109 2 163-203
水野りか(2004) Webを介してできる基礎・認知心理学実験演習 39-42 京都 ナカニシヤ出版
嶋田博行(1994) ストループ効果 東京 培風館
Stroop,J.R.(1935) Studies of Interference in Serial Verbal Reactions. Journal of Experimental Psychology 18 643-662
Williams,J.G.,Mathews,A.,MacLeod,C.(1996) The Emotional Stroop Task and Psychopathology. Psychological Bulletin 120 1 3-24

音声認識ソフトウェアの応用  >>

Excel VBAで音声認識ソフトウェアを利用する方法について書いたものです。音声認識ソフトウェアを使った実験を考えておられる方は参考にして下さい。

ライセンスについて

このホームページにあるソフトは自由に使っていただいて結構です,ソースプログラムも公開していますので改変して利用していただいても構いませんが,できれば引用文献にここに挙げている関連の論文,書籍を挙げてください。

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