eoさんの旅ノート  ワイルドフラワーの旅
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5日目 9月17日
 今日も快晴。
 朝食は電子レンジでチンした冷凍キッシュの半分とメロン。紅茶も。川と海が見えるテラスで食べる。 空気も気持ちいい。
 8時頃、予約していたKalbarri Scenic Coach Tour のマイクロバスが宿に迎えにくる。
 The Loop,The Z Bend,Natures Windowなどを巡るコースである。 バスは更にいくつかの宿から客を拾い、満員の客を乗せてカルバリ国立公園に入った。

風景
 The Z Bend

 大きくZ 型にうねってゆったりと流れる川 Murchison River。
 川底と渓谷を僅かに見せて、樹々が周りをびっしりと埋めている。

 私たちは高台にある展望台からそれを眺める。

 小ザックを背にして川辺の方に降りていく人々がいる。
 渓谷を歩くトレッキングなどのコースもあるようだ。よく見れば、川辺にも人の姿がある。

 川辺の岩や水が明るい陽を浴びて、キラキラと輝いている。
 時間があれば、こういう渓谷のトレッキングも楽しいだろうな。


花 花

 バスの駐車場から展望台へ歩く道では、いくつかのワイルドフラワーが見られる。  

 ワックスフラワー(?)の潅木がピンクの花を満艦飾につけて・・・いたであろうな、ということが充分に想像されるような、ピンクの花の名残がそこここに寂しい姿を曝していた。
 通る道の両側にピンクの花の名残がびっしりと続く。満開であればどんなに見事だったろう。

花 花
 

 この辺りでは、ワイルドフラワーの盛りはもう過ぎたのだろうか。
 ワイルドフラワーを見ることを主目的にした私たちの旅はまだ前半。 これから以降の後半のコースでこそ、たっぷりワイルドフラワーを見るつもりだったのだ。少しばかり時期を逸したのだろうか。
 ちょっと不安になる。

 次の見所 The Loop に着くと、まずはティータイム。紅茶とパウンドケーキ数種類。

風景  
 The Loop は一箇所から全体を展望するのではなく、20分ほどのウォーキングで見てまわる。
 高い位置から見ると、川Murchison Riverがloop輪を作るようにうねっているのがよく判る。

 ゆったりとうねる広い川岸。川岸を包み込むように、川岸に沿って続く明るい緑の樹々。  気持ちが和むような穏やかに美しい景観だ。

風景  

 ウォーキングの終わるあたりにNatures Windowがある。

 川の景色を見下ろすように突き出た大きな岩が風化して、大きな穴が窓のように空いている。 横幅2m近い、縦は高い部分で1m近くある大きな窓。 その窓から川Murchison Riverと、柔らかい陽に明るく光る川岸が見える。まるで絵葉書にあるような景色だ。

Natures Windowからの景色

 昼頃、カルバリに帰着。
 Jetty Shack Seafoodという名のテイクアウトの店で海老・バーベキュー・バーガーとフィッシュ(フィッシュ&チップスのチップスなしのもの)を買い、宿のテラスで食べる。海老・バーベキュー・バーガーが美味! 一口食べて、その美味しさに思わずツレアイと顔を見合わせた。これまでに食べたことのあるハンバーガーで、これが最高!と意見一致。
 良い気分で、テラスからカルバリの町をゆったりと眺める。

 川Murchison Riverの穏やかな川面は薄緑色に美しい。 白い砂洲を隔ててむこうに真っ青な海インド洋が見える。川岸に沿ってずっと芝生が続き、道路を挟んでホテル・観光案内所などの旅行者用の施設が並ぶ。ここが観光中心の町であることがよく判る。しかし、観光中心の町にしては遊興色というものが全くなく、旅人に安らぎを感じさせる。

 「明日もここに泊まろう。もう1泊、延泊しようよ。」と、どちらから言うともなく、2人とも意見が一致。
 宿に延泊の希望を伝えると「空いてません。Sorry!」。
 海老バーガーが美味しいJetty Shack Seafoodのすぐ近くに、 窓からの景色が良さそうなbeachfrontのホテルがあるので聞いてみると、beachfrontの部屋が幸運にも明日空いている。 tomorrow night ね、と予約を済ませて一安心。
 明日もここで過ごすことになったので、早速、観光案内所に行って、明日の昼間のリバー・クルーズ Kalbarri River Queen Cruise を予約した。

 サンセット・クルーズは午後5時出発。クルーズ船乗り場の桟橋は川から海への出口の位置にあり、ペリカンと釣り人の姿がある白い砂の中洲を正面にして、川と海とを見渡せる場所にある。

 桟橋にある駐車場の近くに、中が綺麗に整備されたちょっとした囲いがあるので子供の遊び場かなと思っていたが「 War Memorial 」の文字に気付いたので、近づいてみた。
 中央に6面の石のパネルで支えられた台がある。 パネルに記された文字はそれぞれ「World War I」(第1次世界大戦)「World War II」(第2次世界大戦)「Boar」(ボーア戦争!) 「Korea」(朝鮮戦争)「Vietnam」(ベトナム戦争)の5面と、あとの1面には「Peace」。 中央に「Lest We Forget」(我々は忘れない)の文字。囲いの内側の壁面には「THEY DIED FOR YOU AND ME」と、1つの文字が1メートル四方はありそうな大きな文字で書いてある。 パネルにある戦争の名を見て、オーストラリアを直接に守るための戦争は1つもない ことに、今更ながら気付く。
 川と海とが見渡せる、いわばカルバリの一等地にこのメモリアルを置いたのは、 カルバリの人々の"彼ら"へのはなむけだろう。

 サンセット・クルーズの正式名称は Spectacular Coastal Cliffs Cruise at Sunset。クルーズ船は、昨日、サーフィンのように波の渦を突っ切るのを岬から見た、あの船である。乗ってみると、釣り船といった感じで8人の客で満席だ。座席は4席で、あとは甲板中央の台に腰掛ける。乗員2人はガイドといった雰囲気はなく、どう見ても漁夫だ。日焼けして全身真っ黒。
 出発。のんびりとしたペリカンや釣り人を眺めるように中州をゆっくりと回り、 川と海が接して立てる白い波の渦を正面にすると突然猛スピードで渦に突入、あっという間に海に出た。
 雲ひとつない青い空。海は果てしなく広く、濃く青い。そして、やはり、強い風。

 ほどなく、イルカが踊るようにして姿を現した。
 海面から飛魚のように跳びあがり、 身体をくねらせて海面に滑り込む。数頭いるが群れているという感じではなく、それぞれが思い思いに?波と戯れている。ペアのシンクロのように、2頭がぴたりと並んで揃って同じ動きで跳ねているのもいる。ぴたりと並んで身体をくねらせた瞬間に見せた2頭の嬉々とした(私にはそう見えた)顔の表情に、ああ、海は、彼らのものなのだ、と私は思った。

 しばらく行くと、赤っぽい色の断崖が続く。 Red Bluff。

 突然、船が激しく揺れた。船がスピードを上げ、波を蹴立てて進む。鯨がいるのだという。
 クルーズ船は鯨を追って右に左にと方向転換。小さなクルーズ船は荒波にもまれる木の葉さながらで、私たちは何かに掴まっていなければ海に投げ出されそうだ。
 時々「あそこに!」というような声が上がるが、私の視線自体が身体の動きに伴って上下左右に大きく揺れるので、よく見えない。突如、目の前2,30メートルくらい先だろうか、鯨の黒い巨体がグワーッと山のように盛り上がり、潮を吹き上げた。慌ててビデオカメラをまわしたが、振り落とされないように片手は船のポールをしっかり握っており、揺れる身体で片手だけでカメラを持っているのでうまく撮れない。後でテープを再生して見ると写っていたのは殆ど空ばかり。私が見た鯨は1頭だけだったが、数頭いたのだという。
風景  
 やがて、クルーズ船は静かに方向を変え、海面を鮮やかなオレンジ色に染める夕陽を眺めながら帰路についた。

 船はカルバリの町に近づくと、船先を海から川に向けると同時に猛スピードで波の渦に乗り、 ジェットコースターのように川に滑り込んだ。

 夕食はホテルPalm Resortのディナーバイキング。旅行前に宿泊予約しようとしたが、"満室"で予約できなかったホテルだ。
 ホテルに行ってみると大型観光バスが何台も停まっている。 大きなレストランはほぼ満席だが、圧倒的部分が団体客で、個人客は私たちを含めて2,3組のようだ。
 料金は$20。ディナーバイキングとしては格安だが、料理は平凡。$20という低料金も含めて、 これは団体客用の料理なのだ、と考えてみれば納得はできる。

 寝る前に、テラスから外に出て、例によって、満天の星を眺めた。

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