最終更新日:2000年04月02日(日)

ファイナルファンタジータクティクス シミュレーションRPG PlayStation
SQUARESOFT(スクウェア) 1997/06/20発売 6800円
ファミ通評価;34点/40点 販売本数;不明(100万本超) 俵屋評価; 9点/10点
現在の価格;2500〜3000円(中古) 1ブロック〜 備考;とくになし。

[概要]
 『伝説のオウガバトル』(1993)、『タクティクス・オウガ』(1995)(いずれもクエスト)などの作品を生み出した松野泰己が、1995年にスクウェアに移籍後、初めてプロデュースした作品。余談であるが、これ(=松野氏をはじめとする『オウガ』チームの移籍)のためにクエストは半壊、『オウガ』シリーズの最新作は1999年に任天堂から出ることに…(当時は結構話題になった)
[あらすじ]
 名門貴族の3男である『ラムザ・ベオルブ』(名前変更可)が主人公。とある事件がきっかけで平民出身の友人『ディリータ・ハイラル』を失ってしまうラムザ。その事件後、貴族社会とその価値観に疑問をもったラムザは家を捨て、放浪の道を選ぶ。その数年後、ラムザは信じる道を捜すうちに「歴史の大きな流れ」に関わっていくことになるのだった…
[総評]
 いろいろ欠点もありますが、でも、9点。このゲームはかなり面白いです。ストーリーこそ少しアレですが、演出の巧さでほとんど気にならないと思います。グラフィックはいま2000年でも、プレイステーションではトップクラスです。オープニングムービーも、すごくいいセンスで必見です。逆にそんなに素晴らしいゲームだからこそ、終盤のストーリーのあらが目立つのでしょう。惜しいです。
 なんだかんだ言って、僕はこのゲームに惚れこんでますので、あまり参考にはならないかもしれません。
  総プレイ時間150時間?

↓ネタばれ、あるかも
気をつけて読んでね

良かった
ところ
演出 このゲームの素晴らしさは、演出にあります。台詞まわし、カメラカット、ストーリーの切り方といった演出が、ストーリーの魅力を余すことなく引き出しています。
グラフィック  ビバ!スクウェア。さすがはスクウェア、グラフィックは文句なしに綺麗です。オープニング・ムービーも雰囲気がでていて、すごく良いです。我が家では『幻想水滸伝』(PS,コナミ)と並んで、オープニング・ムービーの双璧と言ってます。ゲーム中画面の綺麗さも文句なしです。
音楽  ゲームの雰囲気とあっていて、良いです。特にオープニング・ムービーの曲はゲームに入っていくには最高です。ゲーム中の音楽も、長時間聴いても聴き飽きない良い曲が多いです。
システム  キャラを育てる楽しさは最高です。FF5のジョブシステムに近いものがあるのですが、主人公をはじめとしたキャラを育てるのに夢中になりました。
 また、本筋のストーリーとは関係のない、儲け話での財宝や秘境の探索もあります。この財宝の中には、サウンドノベルタイプのミニゲームを楽しめるものまであります。
駄目な
ところ
ストーリー  ストーリーも、中盤ぐらいまでは良いのです。が、終盤からエンディングまでのストーリーの運び方は、スクウェアらしく(?)ダメダメです。以下、ネタばれ多いです。要、反転↓
敗戦による王権の失墜とともに起きた2大貴族の派閥争い、そして起こる国を二分して起こる戦争。じつは、これらは権威復活を目論む教会の陰謀だった。
ん〜、壮大。
教会は、戦争の和解を提案することで、争いにんだ民衆の支持を得ようとしていたのだった。教会は聖石に秘められた力を知らなかったのだ。教会が聖石を集めていたのは、聖石にまつわる伝説を、威信回復に利用するためだった。
おぉっ、なるほど。
ところが、その教会の陰謀すら利用し、聖石を集めている集団がいる。
ん?
その正体は、聖石に秘められた力を利用し、復活した魔物たちだ。
え?
彼らの目的は、何かをよみがえらせることにある。ってゆ〜か、ラムザの妹が復活の生け贄いけにえに使われちゃうし、変なの復活したら困るんで、とっととっちゃえ!
…た、倒した。けど、結局なんだったんだ?こいつら…

というわけで、聖アジョラとラスボス(聖大天使アルテマさん、年齢不詳)の関係も、昔に何があったのかも、結局最終目的が何だったのかも、キッパリわかりません。追求される前に、お約束どおり、主人公ご一行を生死不明にして、怒涛のエンディングへ、ごー。というパターンです。


期待してたのに…(;-;)
戦闘システム
バランス
 う〜ん、戦闘システムは、あまり良いとはいえません。地形、高さ、天候状態、相性などさまざまな要素が複雑に存在するのですが、それらと戦略とはほとんど絡まず、シミュレーションとしての魅力は余りありません。まぁ、簡単に言うと、通常の戦闘では適当に攻撃しても勝てるということです。
 また、戦闘に参加できる人数が、最大でも5人(イベントなどでゲストキャラが出てくると、さらに減る)と非常に少なく、マップも小さいために戦略を楽しむといった点では、はっきり言って最低です。
 
バランス面では、2章以降のボス戦、ここらのバランスも少し疑問です。このゲームのボス戦はバランス的におかしい気がします。特に中盤ほどで、神殿騎士ウィーグラフとラムザの一騎打ちがあるのですが、正直言って普通じゃ勝てません。普段の戦闘は簡単なのに、ボスだけ強いというのは納得いきません。
 また、後半に仲間になる「雷神シド」が強すぎます。隠しキャラならまだわかりますが、普通に仲間になるキャラがここまで強いのは、無茶苦茶です。

ゲームに戻る