最終更新日:2000年05月14日(日)

ドリームキャスト セガ・エンタープライゼス 1998/11/27発売
CPU:
SH4 128bitグラフィックスエンジン内蔵
RISC CPU
(200MHz)
メモリ:
(メイン;16メガビット)
(ビデオ;8メガビット)
(サウンド;2メガビット)
供給メディア:
GD-ROM
(最大12倍速CD-ROMドライブ)
データ記録方法:
ビジュアルメモリ
(128KB)
3D表示能力:
秒間300万ポリゴン
備考:
33.6Kbpsのモデム内蔵
OSはWindows CEカスタマイズ
定価:
19900円
(\29800→\19800)
現在の価格:
19800円ほど

[概要]
「万年2位」のセガが、セガ・サターンの後継機として発売したハード。完全にプレイステーションに負け越したサターンを見限り、それを逆手にとった「がんばれ湯川専務!」のCM戦略で売り出した。

CMの効果もあり、出だしは好調だった。

ところが、ソニーがプレイステーション2を発表。その性能はセガが自信をもって送り出したドリームキャストをはるかに超えるもので、「今世紀最強のゲーム機」という肩書きはあっさり奪われた。PS2のためにドリームキャストは買い控えがすすみ、本当にセガはやばいことになっている。株価も上がる気配がない。
[特徴]
モデムを標準で内蔵しており、ネットワーク対応している。ネット対戦やチャット、メールのやり取りが出来るという、家庭用ゲーム機では初の試みで、ある程度の成功を収めてはいるが、一般的ではない。

128bit CPU機だが、128bitなのはグラフィック関係だけ。他の部分はもう少し性能が落ちるらしい。そういえば、サターンのときも「32bit CPUを二つ搭載しているので、64bitCPU」みたいなことを言っていたな。

供給メディアがCD-ROMやDVD-ROMではなく、ドリームキャストオリジナルの「GD-ROM」である。GはギガのGで、1枚あたりの容量が1ギガ(=約1000MB、CD-ROMは約700MB)である。

コントローラのボタンが「十字キー」(任天堂が特許をとっている)によく似ており、さらに配色がスーパーファミコンそっくりなのは、本気かシャレか…。でも使いづらい。

ドリームキャスト発売前後にCMに出まくっていた湯川常務は、セガの親会社CSK(※)の役員。ドリームキャストの生産が遅れたため、専務から常務に降格された。現在は湯川元専務と呼ばれている。ドリームキャスト関係のイベントによく出現する。そういえば、セガの入交昭一郎(いりまじり しょういちろう)社長(当時)は、ドリームキャストのデモンストレーションのときに、顔がモーションキャプチャされてポリゴン画像になっていた。役員も必死だ。

セガといえば、ゲームセンターなどに置かれているアーケード(業務用)ゲーム業界の最大手である。コンシューマ(家庭用)ゲーム業界では任天堂やソニーにおされ気味で、いまいちぱっとしない。

セガのソフトは、家庭用オリジナル作品は少なく、アーケードからの移植作品がほとんどである。それらはアーケードで高い評価を得たゲームなので質は高いが、反面マニアックな作品が多い。そもそも家庭用ゲーム機でユーザーが求めているものと、アーケードゲームのそれは少し違う気がする。

「DC」と略す。

我が家では「ドリキャス」と略す。「ドキャス」の時もある。

略せるほどに一般的ではないのか、良い略称がないのか知らないが、実際はあまり略さない。

[総評]
どうしてドリームキャストを買ったかと言いますと、『バイオハザード -CODE:Veronica-』(カプコン・サバイバルホラー)がドリームキャストで出ると発表されたからです。あと、弟殿がサターン(後にプレステに移植)で出た『グランディア』(ゲームアーツ・RPG)のファンで、『グランディア2』がドリームキャストで発表されたためでもあります。

プレステ2が発売されたとはいえ、スペックも高く、まだまだこれからのハードでしょう。とはいえ、サターンと同じようにセガはアーケードからの移植をリリースしてばかりだし、サードパーティも少ないし、やばいかな。魅力あるRPGが出ないのもサターンと同じだし。

僕はほとんど遊ばず、弟殿がよく使ってます。

良い
ところ
セガのゲームが遊べる セガのアーケードゲームを家庭で楽しもうと思えば、ドリームキャストである。

『バイオハザード -CODE:Veronica-』(カプコン・サバイバルホラー)、『エアロダンシング』シリーズ(CRI・フライトSLG)、『ソウルキャリバー』(ナムコ・3D VS.ACT)、『クレイジータクシー』(セガ・RCG?)、『首都高バトル』(元気・RCG)

以上、お勧めゲームです。少ないかな。どれもこれも難しい部類に入ると思う。ただし、面白さは折り紙付き。かも…
ビジュアルメモリは安心? セガサターンは本体にセーブできる領域を内蔵しており、セーブが速くて快適だった。が、別売のメモリーROMも内蔵ROMもバグって消えることがあり、安心できなかった。しかし、現在のところはビジュアルメモリでトラブッたことはない。ただ、それ以上に不満が多いが。
駄目な
ところ
マニアックなゲームが多い セガの出すアーケードからの移植作品は、質が高いが難度も高い。ニンテンドウとは別の意味で敷居の高くなっている。セガは家庭でしか出来ない質の高いゲームを、もっと出すべきだと思う。そうじゃないとまたマニア御用達のゲーム機になってしまう…
ビジュアルメモリは駄目だ! ソニーのヒット作ポケットステーションのように、セーブ媒体自体が携帯ゲーム機で、ミニゲームも遊べるのがウリのビジュアルメモリ。しかし、多くのユーザーが別に携帯ゲームで遊びたくてドリームキャストを買ったわけじゃない、ということに気づいて欲しい。プレイステーションは、携帯ゲームが欲しくない人はメモリーカード、携帯ゲームが欲しい人はポケットステーションという選択肢があるが、ドリームキャストはそれがない。しかもセーブできる量が少なすぎる。なにが悲しくて、こんな使わない携帯ゲーム機の出来そこないを2つも買わなあかんねん。
コントローラーが使いづらい! セガの家庭用ゲーム機はコントローラーが使いにくい。サターンの頃から変わっていない悪い癖だ。

ドリームキャストのコントローラーの悪いところは、まず十字キー(にせ)。外見は十字キーだが、実はサターンのような円状のキーの上に十字キーを載せただけのようだ。円(半球)状なのでまっすぐ入力しないといけない。少しでも傾いていると、過敏に反応して、そちらにゆがんでしまう。

次にL, Rボタン。ばねが硬すぎるのか、ボタンが非常に固い。サターンのL, Rボタンがやたらゆるゆるで、押したのか押してないのかわからないのと逆パターンである。L, Rボタンを多用するゲームを長時間していると、指がめちゃくちゃ疲れる。また、ばねの反動が強いせいか、L, Rボタンが壊れやすい。弟殿が『クレイジータクシー』をしていて、あっさり壊れた(壊した)のには驚いた。

十字キーの少し上にあるアナログスティックも使いづらい。プレイステーションのデュアルショックコントローラーのスティックに似ているのだが、あれと同じで、入力している方向がいまいちつかみづらい。

キーの配置も微妙に違和感があり、海外への出荷を強く意識しているのかと思われる。