第3回 19番〜23番

 27日の歩行地図  (赤色表示)
立江寺山門
 
 28日の歩行地図  (赤色表示) 太龍寺境内
   
 29日の歩行地図  (赤色表示)  太龍寺への道すがら
   

 10月27日  釈迦庵 〜19番立江寺 〜 宿  歩行距離15.8km
 高速バス・JR牟岐線と乗り継いであわ赤石駅着11時20分。釈迦庵迄遍路道でなく聞きまくり、此処から立江寺への遍路道3.3km13時に打ち終え山門前で薄皮饅頭2個をほう張りながら赤い白鷺橋を渡って鶴林寺へ向かう、途中ルート22号は車両の通行多く歩き辛い。「星の岩屋」に寄りたかったが片路3kmの登りは時間的に無理、後で写真を見せて頂くが一見の価値あり。15時半に今宵の宿金子やさんに着。

10月28日  宿〜20番鶴林寺 21番太龍寺 22番平等寺 〜 宿  歩行距離20.8km   阿波の三大難所の二つに挑戦。
 冷たい秋雨が僅かに降っている、7時半に宿を出発、眼下にU字型に曲がる勝浦川を見ながら鶴林寺迄3kmで標高500mを登る行程、1時間15分で霧に霞む山門に到着し友人のアドバイスで白衣に鶴の朱印を頂く、39番延光寺で亀の朱印を頂く予定。納経所の美人で親切な女性に気分良くして9時20分に太龍寺に向かう。標高450mを降りて470mを登る6.7kmの行程、下り勾配きつく膝の負担にまいる。10時10分に那賀川の水井橋を渡って登りに入る、岩食む水音を聞きながら心地よい登り、お椀を伏せた形の黄色いキノコ、手のひらサイズの松ぼっくり、親指の先ほどの小さな柿等写しながらの途中女性の遍路さんに出会う、歩き遍路の経験談等話ながら2時間20分を要して太龍寺に着く。霧雨に煙る本堂を見上げながら階段を登る、「西の高野山」と呼ばれるだけあって広大な伽藍に畏敬を感じ参拝も忘れて暫し動けず、霊気を浴びそして胸一杯に吸い込む、龍天井を拝見後去り難く昼食を兼ねて休息。
 平等寺へは10.9km途中に峠越えもあり疲れも有って3時間余りを要した 。寺院の脇でコスモスが満開、疲れが癒された思い、弘法の水はミネラル豊富と検査結果が出たよし、頂いて元気を手に入れる。宿は寺の傍の山茶花さん、メリハリの利いた女将さんで気持ち良い、料理もサービスも良好、同宿5人夕食時の会話が盛上がり2時間程楽しい一時を過ごし熟睡。

10月29日  宿〜23番薬王寺   歩行距離19.7km
 平等寺の霊水を再度頂き7時半に宿を出発、傷みの酷い月夜御水庵を通過し遍路道の分起点で海岸沿いを選ぶ。阿南市小野簡易郵便局で同行二人とトイレ休憩をお願い、温かいコーヒーやチョコレート等の心のこもった接待を受ける、明るくそして綺麗な女性局長さん。
 9km地点、由岐坂峠で眼下に海が盛上がって見え海岸の近いことを知り安堵。美波町の山座峠道に俳句の小径があり入選作が木柱に書かれて有るのを目で追いながら遍路道を進む「亡き妻の励まし背負い夏遍路」に共感、恵比須浜では明日の台風に備えてか漁船が多く繋留されていた。恵比須洞を少し
覗いて先を急ぐ。
 「海がめ博物館」は是非立ち寄りたかったので入館し赤海がめにえさを与えて楽しむ。薬王寺に急いでいると休息して行きませんかと呼び止めていただいたが帰りの時間が気になって丁重に辞退した。大きな草鞋の山門が迎えてくれた薬王寺、途中の道草もあって6時間半掛かった、恵比須浜からの2km程度が重い足取りとなる。今回は薬王寺で打ち止め。近くの日和佐駅で女性遍路さんに再会、同じ高速バスで帰阪、二人とも遍路にハマッテいて車中で話が弾む、今回の遍路旅の満足感と振動が軽い睡眠を誘ってくれた。
 四国遍路は一人旅が多いが「歩き遍路」というキーワードを共有しているので道中で会えば遍路への思いや経験、時には人生経験まで話すことが出来る、楽しくて仕方が無いまさに一期一会だが歩き遍路の魅力と痛感した。焼山寺住職の「自分の足元だけを見て歩くだけで無く広く深く五感を研ぎ澄まして歩かれよ」との講話を思い起こす。   写真は22番平等寺
 

BACE

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