タイサンボク(泰山木)

樹形 樹皮
  1. 樹形: 高さ20mに達することもある常緑高木。
        主幹が真っ直ぐに立ち上がり、枝を横に広げて、非常にボリュームのある円錐形や卵形の樹冠を形成します。

  2. 樹皮: 灰褐色で比較的滑らかですが、老木になると不規則に剥がれ落ちることがあります。

  3. : 互生。長さ10〜25cmにもなる大型の長楕円形で、非常に厚みがあり、表面には強い光沢があります。
      葉の裏面に鉄錆色の細かい毛が密生しているのが大きな特徴です。

  4. : 5月〜7月頃、枝先に直径20cmほどにもなる巨大な杯状の白い花を上向きに咲かせます。
      気品のある強い芳香を放ちます。

  5. 果実(袋果): 秋に10cmほどの楕円形の集合果が実ります。熟すと割れ、中から赤い種子が糸を引くようにして現れます。

  6. 肉質果/種子: 赤い外種皮に包まれた種子が一つ含まれます。

  7. 冬芽: 非常に大きく、淡褐色の細かい毛に覆われています。


樹木にまつわるエピソード
名前の由来は、大きな花を「大きな盃」に見立てた「大盃木(たいさき)」が転じたという説や、
中国の聖なる山である「泰山」のように立派で威厳があることから名付けられたという説があります。
その名の通り、公園や大学のキャンパス、寺院の境内などで、周囲を圧倒するような風格を持って立っています。

タイサンボクの花は、その美しさもさることながら、レモンのような爽やかさと甘さを併せ持つ、非常に濃厚な香りが特徴です。
高い位置で咲くことが多いため、姿は見えなくても、香りで「あ、タイサンボクが咲いたな」と気づかせてくれる、
まさに初夏の訪れを告げる香りの女王です。

タイサンボク(マグノリア)は、アメリカ合衆国のミシシッピ州やルイジアナ州の州花でもあり、アメリカ南部を象徴する樹木として知られています。映画や文学の中でも、南部の優雅さや強さを象徴するアイコンとしてしばしば登場します。
日本へは明治初期に渡来しましたが、その堂々とした美しさは、当時の日本人にも深い印象を与え、急速に全国へ広まりました。