r3/04/06:更新
HHR-P104充電器の試作
- HHR-P104という型番の充電電池があります。単4型の電池を3本並べてプラのケースに納めたような形状でスマートです。
- ニッケル水素電池 3.6V 830mAhの表示で、専用のホルダも市販されており電子工作には使いやすいのですが、1本ずつに分割できないため、市販の充電器では充電できません。
- それで、この電池パック専用の充電器を試作してみました。
- 急速充電をするには、電池の知識も乏しく危険を感じます。メモリー効果を考慮して、いったん目一杯放電させてからユックリ充電させることにします。
<設計の目安>
- あちこちのサイトや書物を参考に、充電は「容量の1/10の定電流で10時間」というのが相場だそうです。
- また、放電の終了は電圧にして0.9V(3本で2.7V)程度、充電の終わりの目安は1.4V(同 4.2V)程度とします。
- 順序としては、最初に強制的に放電させ、電圧が2.8V未満になれば放電を中止して、定電流で充電を開始する。
- 全体のコントロールはPICとし、放電・充電のON/OFFはトランジスタ、電流のコントロールはLM317で100mA程度の定電流とします。
- 放電・充電のON/OFFは、MOS-FETの方が良さそうですが、コンプリメンタリーの中型Trが手持ちだったので使いました。SBDはなくてもいいかなー・・と思いましたが、もしもの安全のためです。
- LM317の電流設定の抵抗は、W数の大きなものが10Ωしかなかったので、電流値は125mAになりますが、充電時間も短縮と割り切って使用しています。
- 放電用の抵抗10Ωも、同様です。こちらは最大で400mA程度流れますので、かなり発熱します。
==>簡単Ver.ソース(Hi_tech_c)
<プログラムについて>
- 8ピンPIC 12F683を用いた簡単Ver.のものです。
- 充電処理の中で、閾値に差がつけてあるのは、電圧の境界付近でバタバタしないためです。
- keisoku()中の計算で出てくる4920は、7805の出力5Vのはずが、4.92Vだったために変更してあります。
◎これでブレッドボード上で実際に稼働させてみて、長い時間がかかりましたが、実用になりました。
◎しかし、稼働中に表示されるのはLEDのみで、どの程度進行しているのかまったくわからないのは、精神衛生上問題ありと感じました。
◎そこで、稼働中の電圧・電流等をLCDで表示するVersionを考えました。

(※)LCDの配線の一部(RESET)が欠けていました。お詫びして訂正します。
==>LCD_Ver.ソース(Hi_tech_c)
<Version2の説明>
- 基本的な部分は変わりませんが、電圧や電流の表示用にLCD(I2C接続)を入れ、コントロールするPICも16F1827に変更しました。
- LCDの供給電圧が3.3Vのため、レギュレータもLP2950L3.3vに変更しました。また、C1815のBASEへの抵抗値も変更になりました。
- 基準電圧が3.3Vになり、そのままでは4.2Vが測れないため、抵抗で1/2にして計測し、2倍して表示することにしました。
- 放電中や充電中の電流値を表示したいと思いましたが、適当な方法が見当たりません。そこで放電や充電の時の10Ωの両端の電圧を順番に計測して、電位差から電流値を算出することにしました。計測の時間差がありますが、一瞬ですから大きな変動はないものと思われます。
- 実際に稼働させて見て、放電停止の電圧は2.7Vに、充電停止の電圧も4.35Vに変更しました。また、充電を停止した後、再開する電圧も4.15Vにしました。
<コンパクトなプラケースに入れて組立ました。>
- ケースは百均で調達したもので、75mm×2の正方形で高さ45mmです。1mm厚アルミ板で底板を作りました。
- ケースのプラスチックに色(薄紫)が付いているため、LEDの点灯が映えません。透明か、スモークを選択すべきでした。
- 主な部品を載せているのは、よく利用しているユニバーサル基板(サンハヤトICB-86)です。プラケースにピッタリのサイズでした。
- 電源は、HardOffで調達した7V 1.2AのスイッチングACアダプターです。実際は7.12Vの出力がありますが、制御Tr+LM317+SBDで2V弱は降下しますので、電圧的にはギリギリです。
- 9Vのアダプターを使うと、充電時の317(小さなヒートシンクは付けてある)がかなり熱くなります。7.5V辺りが丁度いい感じです。次にリユース店を覗いたときに探してみます。
- 隙間を確かめながらのギリギリの配置で、コンパクトに収まりましたが、ピッタリ過ぎて、何とか部品間のショートを免れている状態です。もう少し、空間の余裕が必要でした。
- 4.35Vに近づいたらLEDを点滅とか、充電が終了したら別の色のLEDを点けたりブザーをならしたりとか、今気付いている改良箇所はありますが、とりあえずしばらく使用してみます。
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最初の表示:押しボタンで開始 |
放電中の表示:2700mVで充電へ |
充電中:4350mVで停止 |
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