恋が始まりそうな二人にとってこの夕焼けはどんなにロマンチックか語り合う... 映画のワンシーン 『ラ・ラ・ランド』
2016年・アメリカ制作
中盤まで耐えられたら最後まで観られるし感動できる...
たしかにアカデミー賞6部門を受賞した映画
 2017年の各種映画賞をにぎわした映画と言えばこれ。でも一体どんな映画なんだろう? 『ラ・ラ・ランド』を今日はご紹介する。
 舞台はロサンゼルス。俳優になることを夢見てハリウッド近くのカフェで働きながらオーディションを受け続けるミア・ドーランのロス暮らしももう6年になる。なかなか夢が結実しない日々だが持ち前の前向きな性格で日々元気に暮らす彼女。そんなある日、脚本家達に出会えるパーティの帰り、車をレッカー移動されてしまった彼女はあるラウンジに入る。そこで目を覚めるようなピアノ演奏をする男、セバスチャン・ワイルダー(セブ)に出会い声をかけようとするが、彼はそんな彼女を無視して去ってしまう。なぜならラウンジのオーナーにクビを宣告された直後だからだ...。
 映画はいきなり渋滞の高速道路の場面から始まる。突然踊り始めるドライバー達。いかにもミュージカルなオープニングだがかなり唐突である。実はミアとセブはこの場面ですでに出会っているのだが、訳がわからないで観ていると見落としてしまう。最初の方はそんな調子でちょっと退屈になる。本当にアカデミー賞14部門ノミネート!という歴史的な映画なのか?
 季節は冬から春に移りミアはまた別のパーティに顔を出す。そこで80年代のテクノポップを生演奏しているバンドに出会う。そのバンドでキーボードを演奏していたのはあの時の男、セブだった。そんな彼らに別のテクノ・ポップ曲をリクエスト(フロック・オブ・シーガルズの一発屋ヒット「アイ・ラン」)するミア... これが本格的な二人の出会いだった。古典的なジャズに傾倒し本物のジャズが聴ける店を出すことが夢だと語るセブに恋心を抱くミア。
 夏になり昔の友人のキースからセブに声がかかる。バンドでキーボードを弾いてくれ、と。しかしこのバンドはセブが目指すようなものではなくテクノロジーを駆使した現代的なサウンドで注目されていた(Native Instruments製の先進のサンプリング装置、MASCHINE が大写しになる)。夢を叶えるためには資金が必要だ。苦渋の選択をするセブ。だが予想以上に人気を博したバンドはツアーに明け暮れミアとのすれ違いが始まる。
 秋になり一人芝居の準備に余念がないミア。しかし当日約束していたはずのセブは現れない上に集客は最悪、さらに廊下を歩き去る“あれは大根だね”“俳優は無理だな”という声を聞いてしまった彼女は絶望、故郷に帰ってしまう。だがある日、特徴的なホーンの音。セブの車だ。セブの携帯に一人芝居を観たというキャスティング会社の人から連絡がありミアにオーディションを受けに来て欲しいという。果たしてミアの夢は叶うのだろうか? そして二人はどうなっていくのだろうか???
 最後まで見終わってなるほど!と膝を打った。たしかにアカデミー賞6部門を受賞した映画である。主演女優賞に輝いたのはミアを演じるエマ・ストーン。演技もさることながら古き良き時代の女優さん達を思い起こさせる大作りな顔がイイ。この映画のためにダンスとピアノを猛特訓したというセブを演じるライアン・ゴズリングが弾き語る哀愁の曲「シティ・オブ・スターズ」は歌曲賞。そしてショッピングセンターと高速道路だらけというロサンゼルスのイメージを膨らませながら自身の境遇を重ねたというデミアン・チャゼルが監督賞。でもこれはミュージカル映画だと思わない方が良い。基本普通のラブ・ストーリーだと思って観るべきだ。正直なところ中盤まで耐えられたら最後まで観られるし感動できる、『ラ・ラ・ランド』はそういう映画である。
 ちなみにライアンはこの映画の後「ブレードランナー2049」の主役に抜擢された。だが彼が俳優の傍らで続けているミュージシャン業ではあまり成功を収めていない(デッド・マンズ・ボーンズというバンドを率いて活動。でも担当はギターとボーカルのようである)...。
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