dqay y BOY&GIRL 番外編2 ※後編短いです。すみません; 布団を敷き終えるとアキラは眠りこけているヒカルに声をかけた。 「進藤、布団まで移れる?」 ヒカルはすやすや寝息を立てていて反応はない。 アキラは今しかないだろうチャンスにヒカルを両腕と体の全てで抱きかかえた。 微かにヒカルは身じろいだが目は覚ますことはなかった。 ヒカルは細身とはいえ流石に同じ歳の彼を抱きかかえるのに アキラには大変だった。 それでも役得だとアキラは思う。 アキラはヒカルから伝わる温かさをもっと感じるように頬を寄せた。 触れそうなヒカルの唇がアキラを誘うように微かに開いた。 「塔矢、あいつを幸せにしねえとオレが承知しねえんだからな、」 アキラは全く彼らしくなくそれに動揺した。 寝言だとわかっていても胸がざわざわする。 「進藤?あいつって誰なんだ!!」 彼を抱きしめた腕は震えていたかもしれない。 「そりゃあいつは・・・。」 『あいつは・・?』 そこでヒカルの瞳と視線が合った。まるでいままで本当に寝ていたのかと 言うぐらいパッチリとだ。ヒカルはアキラとの至近距離に相当驚いたようだった。 「塔矢ってお前何してんだよ!!」 「進藤暴れないで、」 「ってオレまさか、また。」 ヒカルははっとしたように自分の胸に手を置いた。 アキラは咄嗟に首を振っていた。 あまりに動揺したのもあるが・・。 何もしていないと言いたかったのもしれない。 「下ろせよ!!」 ヒカルの表情は一瞬緩んだがますますアキラの腕の中でもがくように暴れだした。 「わかったから、進藤暴れないでくれ、」 とうとうアキラは支えきれなくなってヒカルを抱いたまま後ろに大きくよろめいた。 それでもヒカルをかばうことだけは忘れなかった。 2人がバサって落ちたのは幸いな事にアキラが敷いた布団の上だった。 フタリとも心臓がメーターを振り切りそうな程ドキドキとなっていた。 だが、気まずい雰囲気はますます2人の間に広がってる。その証拠にヒカルは 落ちた瞬間咄嗟にアキラと距離をとっていた。 「しん・・。」 アキラは何か言いかけてそれをやめた。 口をひらけば言い訳がましいことを言ってしまいそうだった。 事情はどうあれ、アキラには下心があった。そして今だって本当は ヒカルを抱きしめたい。 このままここに留まればアキラは自身を抑える自信がない。 アキラはそのまま何も言わず立ちあがるとヒカルに背を向けた。 「進藤、おやすみ、」 ヒカルの強い視線を感じながらアキラは部屋を出ようとしたところでヒカルがアキラを 呼び止めた。 「ごめん、オレ対局途中なのに寝ちまって、あのさ、塔矢・・。」 ヒカルは戸惑うように言葉を捜していた。 アキラの胸がトクンと期待に高鳴った。 だが、ヒカルは次の言葉を飲み込んだ。 「塔矢・・おやすみ。」 アキラは想いに耐えるように部屋を出て端までくるとそれを吐き出すように長いため息をついた。 「キミは僕の気持ちを知ってるだろう、」 もっと恨みがましい事が口をつきそうになる。 それでもヒカルが飲み込んだ言葉は自分への想いだとアキラは思いたかった。 あの寝言はどうしようもなくひっかかったが・・・アキラはその全てを払いのけ 自室に向かった。 その夜アキラは不思議な夢をみることになる。 あとがき ここを読んで下さってるお客様がいらっしゃるという事はきっと無事サイト移転ができたんだろうと 思っています(笑)いつもありがとうございます。また今後も末永くお付き合い頂けると 嬉しいです。 えっとなんかお話を書いていてこの設定は書いた覚えがあるぞってずっと考えていたんですが ようやく思い出しました(苦笑) 長編天空の破片の「北斗杯予選のあと」という番外編の設定に似ているのです。 駄目ですね。自分の書いたお話も思い出せなくなるなんて(苦) ※「北斗杯予選のあと」は現在サイトには置いてないです。 BOYandGIRLは続編を書こうかな〜?と思い始めておりまして、 このお話は前作とそのお話との間に入ります。 連載開始は全くの未定ですが・・・(苦笑)
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