アキヒカ三銃士








     
ヒカルはこの女の子の声に聞き覚えがありました。

「あれ・・?お前どっかで・・てひょっとしてあかり?」
女の子も驚いてヒカルをみました。

「ヒカル!!一体どうしてこんな所に・・?」

あかりはヒカルと幼馴染でしたが数年前から祖父の家に行くといって村を出たのです。

あかりは村にいた時とは違い華やかなドレスを着ていました。

村にいた頃はヒカルと同じようなすすけた服装で元気よく走りまわっていた
あかりの面影は今はありません。

「この子ヒカルの友達なのか?」

「うん紹介するよ。オレと同じ葉瀬村出身であかりっていうんだ。」

あかりが「はじめまして」と挨拶すると慌てて伊角と和谷
も挨拶を返しました。
こんなレディと対面するのは二人にとっても初めてのことだったのです。

「それにしてもあかりお前変わったな。見違えたぜ。」

ヒカルがそういうとあかりは少し困ったように俯きました。

「実はねヒカル。私ヨウキ様の侍女をしているの。」

「ヨウキ・・て?」

ヒカルがそういうと奈瀬が呆れ顔でヒカルに説明しました。

「ヨウキ様を知らないの?ヨウキ様は王妃様のことよ。
それぐらい常識でしょ。」

「ってことは昨日伊角と和谷が話してくれた
トーヤ派とか座間派とか権力争いしてるっていうあれのこと?」

ヒカルがそういうとその場の雰囲気がきまずくなってヒカルは余計なことを
言ってしまったと後悔しました。

「あかりごめん。おれ変なこと言っちまって。」

「ううん。いいの別に。街の人たちは皆そう思ってるんだから
しかたないと思ってる。でも王妃様は本当はこの国を愛する
素敵な方なのよ。」

そう言ったあかりの表情はどこか疲れていました。

「なあ あかりお前何かあった?」

「えっあううん別に・・なんでも。」

あからさまなあかりの返事に和谷が持ち前の明るさで
いいました。

「言いたくなければいいけどな。でも困ってる事があるなら
遠慮なくいえよ。俺たちでできる事ならどんなことだって手伝うぜ。」

「ヒカルの友達ならオレたちにとっても友達だしな。」

伊角と和谷の間に奈瀬が割って入りました。

「伊角も和谷もレディの扱いがなってないわよ。
そういきなりだとあかりちゃんが余計に警戒するでしょ。
ここは私がね・・。」

三人のやり取りにあかりの表情がようやく緩みました。

「ありがとう。でもこれは難しい問題なの。
それに私の仕事で、絶対やり遂げなければいけないし。」

力強くそういったあかりにヒカルは尋ねました。

「あかりそれはお前一人でできる事なのか?」

あかりの一瞬の躊躇いをついてヒカルは言いました。

「じゃあ俺はあかりの仕事を手伝う。
俺も成し遂げなきゃならねえことがあるからな。」

「もちろん俺たちも手伝うぜ。」

「私もよ。」

ヒカルの肩に載っていたサイも「私もですよ。」と
大きく手を上げてヒカルは笑いました。

「みんなありがとう。」

ようやく笑ったあかりに和谷が高らかに宣言しました。

「じゃあ決まりな。俺たちはこれからあかりちゃんの
ために俺たちのために皆でがんばろうぜ。」


「ああ。一人はみんなのために みんなは一人のために。」

伊角がそういうとその場にいた皆がそれに賛同しました。

一人はみんなのために みんなは一人のために。




7話は緋色担当
ちょっと話が三銃士らしくなったでしょうか?(苦笑)
キャラは出揃った感じしますね〜。さてアキラくんとどう接触させるかです。



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