相沢 「ほら 私の子猫ちゃんおいで。」
空 「いやニャ・・くるニャ〜」
壁際まで逃げた空に相沢は首の周りや脇の
下をネコじゃらしで追い詰める。」
空 「あっそこは・・ダメニャ、」
頭ではダメだとわかっているのに空の体は勝手にネコじゃらしに
反応してしまう。
相沢 「いいのか・・・羽柴空。」
空 「ううう・・・・ニャァ〜ニャァ〜ニャア〜!!」
必死に抵抗しても体は思い通りにいかず空はやがて相沢の腕
にもたれかかるようにすっぽりと収まった。
相沢 「いい気持ちだろう。またたびもあるぞ〜。」
鼻の下を伸ばした相沢は空の目の前で今度はまたたびを
揺らして見せつける。
空はまたたびを取ろうと大きくジャンプしたが
相沢はすんでで空からまたたびを取り上げてしまう。
空 「ニャー ニャーギャー!!!」
暴れまくる空の目の前で相沢はまたたびをこれみよがしに揺らす。
相沢 「欲しいのか?」
空はゴクリと喉を鳴らした。
空 「欲しいのニャ〜 またたび欲しいのにゃー!!」
大暴れする空に相沢が息を吹きかけると空の体は
ぷるぷるっと震えてか弱い泣き声を上げた。
相沢 「またたびが欲しかったら私の言う事を聞くのだ。」
空 「聞くにゃ。何でもきくニャ〜。」
その時突然空は頭をゴツンと叩かれたような衝撃が起こった。
夜 「空、目え覚ませ!!お前にはプライドってものはねえのニャ!」
空 「よ 夜!?夜もネコ語にゃのにゃ〜!!」
迫力に欠ける夜のネコ語に空はげらげら笑い出した。
夜 「てめえ〜!!オレと交代にゃー!!」
問答無用とばかりに夜は空の体をのっとると相沢と対峙した。
夜 「よくもオレの体に勝手なことしやがったにゃ〜!」
相沢 「ほほう。これは羽柴空のもう一つの人格の夜・・・。」
どうやら相沢には夜が出てきたのも予測のうちだったらしい。
夜は手元にあったネコじゃらしを掴むと相沢に向かって放り投げた。
相沢がひるんだすきに逃げようとしたのだが・・。
相沢 「私は羽柴空のような子をいじめるのも好きだが、
君のような子にいじめられるのも好きでね〜。」
夜は背中に走った悪寒にぞっとした。
相沢 「遠慮しなくていい。君がしたいなら役を交代してもいいぞ〜。」
夜 「一人で勝手にやってニャ!!」
夜は相沢をおもいっきり蹴飛ばすとその場から逃げるように走り
さったのだった。
END