ようやくらんが待ちにまった試験休みがはじまる。
試験中はナオからデート禁止令?を出されていたのだが
ようやく今日そのテストも終わって
今夜は夜との久しぶりのデートだった。
らんは幸せそうに夜の胸に頭を預けると夜がぎゅうと抱きしめた。
いつもならこのまま二人でベットになだれ込むのだが
らんは少し気がかりな事があって自分から夜の腕を解いた。
「ねえ 夜?」
「らんどうかしたのか?」
「うん あのね・・空のことだけど・・。」
ナオと空は今日一日ほとんど口をきいて
いなかった。
喧嘩はいつものことだけど・・。
喧嘩するほど仲がいいともいえるあの二人だが
今日の喧嘩はいつもとはなんとなく違っていたのだ。
いつもなら言い争いが続く二人が今日に限って
お互いシカトしたままで同じ部屋にいても目を合わす
こともしなかった。
喧嘩の原因はホンノ些細な出来事だったような
気がするんだけど・・。
「ひょっとして喧嘩のことか?」
「うん。」
「空
ナオの事、怒ってたのかなっと思って。」
夜は再びらんを胸に抱き寄せると笑った。
「怒ったわけじゃねえよ。だたおまえらだけで
危ねえまねしたからな。」
夜がいうおまえらだけっていうのは直とらんのことだ。
ようなくらんは合点がいったとばかりにうなづいた。
今日探偵の仕事を直一人で受け持ったのだ。
ちょっとガラの悪い相手だったけれどただの聞き込み調査
だったし、真一郎も七海も直一人の方がかえって
警戒されなくていいんじゃないかっていうから・・・。
だかそれが空には気にいらなかったらしい。
ナオと空の事だかららんには関係ないといえなくもないのだが
二人がそういう状態だと夜とも会いづらくなるのも事実で。
「ねえ〜夜仲なおりする方法ないかな?」
「あいつらの事だぜ。すぐ戻るって。」
「だったらいいんだけど・・。」
それでも心配するらんの髪を撫でると夜は笑った。
「じゃあオレにとっておきの秘策があるけど試してみっか?」
それを聞いてらんは目を輝かせた。
「夜 本当?」
「ああ。らんが協力してくれればな。」
「もちろんだよ。」
意味深に笑う夜にらんが不思議そうに尋ねた。
「それで夜どうするの?」
「こうするんだ。」
夜は楽しそうにらんに優しく口づけるとベットに押し付けたのだった。
なんかさっきから下半身がすげえ熱くて溶けそうに
締め付けられてんだけど・・・
この感覚ってまさかひょっとして夜?
重いまぶたを開けると思ったとおりオレのすぐ横
いやもう密着するほどすぐ傍に藤守がいて
オレはめちゃくちゃ焦った。
やばいって。オレ藤守と喧嘩中なんだぜ。
らんと夜のやつまた勝手に出てきやがって、少なくとも
おわったならサッサと自分のベットに戻れつうの。
とにかくこのままだとまずいと思ったオレはあいてる藤守の
ベットに移ろうと体を動かそうとして
妙に疼く下半身の違和感に気がついた。
「うん・・・」
藤守がかすかに声を上げた瞬間それはドクンと脈うち
大きくなった。
オレは恐る恐る下肢に手をのばしこの事態に
気づいた。
マジかよ。オレ藤守と繋がったままじゃねえか。
これって夜とらんの仕業?
つうかあいつらしかいねえっていうの。
おい夜 よるてめえなんて事してくれんだよ。
おい 夜 夜ってば出てこい!!
この状況何とかしろよ。
でもオレが何度叫んでも夜は出てこない。
くそ〜夜のやつ。
それにしてもこの状況なんとかしねえとかなりまずい
よな。
なんとか藤守を起こさずに抜こうとするのだが
興奮してんのか朝だちしてんのかわかんねえけど
うまくいかない。
この状況で寝ていられる藤守もすげえと思うんだけど・・
って今は寝てくれてるほうがありがたいかも・・。
「くぅちゃん そこは・・めなの・・。」
抜こうと動かした途端色っぽい藤守の声にオレは
ゴクリと唾を飲んだ。
「藤守起きてるのか?」
声を掛けても返事は返ってこない・・でも・・。
「ふううん。くぅちゃん・・・もっと・・」
喘ぎ声とも取れない藤守の声にオレの理性とは裏腹に
下半身は疼いて・・。
やばいって・・。
つうか藤守もしかして夢の中でオレと・・?
そんな想像をしてオレは藤守の肩をぎゅっと抱き寄せた。
「なあ 藤守いいのか?」
「ん・・・ん いい」
藤守は口を半開きにして喘ぐようにこくりとうなづいた。
オレはそっと藤守の下半身に手を伸ばすと
そこはすでに立ち上がっていてオレはますます興奮する。
「ナオ・・いかせてやろうか。」
「うん・・・?ってなにしてんの 何これ・・?」
オレが藤守をぎゅっと握った途端どうやら目が覚めたらしい。
「藤守起きたのか?」
「な 何さわってんだよ・変態。」
「誰が変態だって?藤守から誘ってきたくせに・・。」
俺はまだ状況が飲み込めていない藤守の腰をぐっと
掴み強く押し付けた。
「な・・に やあ・・。」
「いやじゃねえだろ。こんなに感じてるくせに。」
俺は掴んでいた藤守自身を握りこむと手の平で
撫で上げた。
前も後ろも一緒に攻め立てられて藤守は
逃げるように腰を動かしたがそれは空自身をもっと
刺激して・・。
「ナオ オレもう我慢できなねえ。」
「えっ?」
俺は大きく腰を穿つとナオを攻め立てた。
「ひゃああああやあ。」
濡れた音が響く。
「いやあ・・まだ許してないのに・・。」
「じゃあ許すまでこうしてやろうか。」
「バカ バカくぅちゃんのバカ・・。」
藤守が口にする言葉は拒否の言葉ばかりだけど
オレを受け入れる体は嫌がっていない。
「夢の中でオレとHな事してたんだろ?」
「ちが・・。」
大きく首をふる藤守の体はもう限界とばかりに
震えていた。
俺は容赦なく藤守を握った手に力を込めると
そこが戦慄いて液が零れ落ちた。
その瞬間オレ自身も締め付けられて・・。
「ナオ・・。」
二人一緒にベットに倒れこみしばらく荒い息をついたけど
それが落ち着くと藤守は真っ赤な顔をしてオレの胸を
叩いてきた。
「バカ バカ羽柴のバカ〜。」
オレは叩く腕を掴むと藤守の顔を覗き込んだ。
「お前顔チョ〜顔まっか・・・かわいいぜ。」
「バカオレはまだ許してなんか・・。」
オレはまだ繋がったままの藤守の体をぐっと引き寄せた。
「もうそんな事どうでもいいだろ?」
「誤魔化すなよ。」
「誤魔化してるのは藤守の方だろ?まだこんなに感じてる
癖に・・。」
「くっ・・・」
悔しそうに舌をかむ藤守にオレは微笑むと言ってやった。
「ナオ 好きだぜ。」
ますます顔を真っ赤にさせた藤守の唇にオレはキスを落とす。
「なあまだオレのこと許す気ねえ?」
降参したとばかりに藤守はため息をつくとオレの背に手を伸ばしてきた。
「しょうがないないから・・もう・・いいよ。」
蚊の泣くような声でそういった藤守がめちゃくちゃかわいくて
オレは細い藤守の肩をぎゅっと抱きしめた。
「じゃあ仲直りしたって事でもう1回やろうぜ。」
「それとこれとは話が別だろ!!」
そのあとオレは藤守から顔面に強烈なパンチを食らって、
でも結局美味しく頂いたんだけどな。
この頬の痛みも藤守の愛だって思えるんだからオレって
幸せだよな。
浅い眠りの中けだるい体に藤守を抱きしめ幸せに浸ってると
夜が今更ながら笑ったような気がした。
END