If ・・・(もしも) 2章 夜と空2 「言いてえこと?別にオレはお前の考えなんぞお見通しだぜ?今更って感じじゃねえ。
それよりも・・。」 「はぐらかすなよ。そりゃ夜はオレの考えなんてお見通しかもしれねえけどオレは夜の 考えてることなんてわかんねえって。」 夜はらしくなく長いため息をついた。 「で・・・オレの口から何が聞きてえ?」 「らんへの気持ちだよ。」 らん・・・そう口にしただけでオレは全身が震えたような気がした。 それだけで動揺しちまうなんて。 「んなこと聞いてどうするんだ?お前の心はもう決まってるんだろ。」 夜の言うとおり、オレの心は決まってる。 『これから先何があっても七海ちゃんと一緒に生きていくって。七海ちゃんを守る。』って それでもオレは夜に聞かずにはいられなかったんだ。だってそうだろ? 夜とらんはずっと愛し合ってたんだ。 離れ離れになってもお互いを忘れることなくずっとずっと・・・。永遠を誓うぐれえに。 今もきっとお互いを求めてる。 藤守がオレたちを裏切って、兄ちゃんが死んだって聞いたとき オレは夜にだったらオレの体を譲ってもいいとマジで思った。 自暴自棄になってただけじゃねえんだ。 けどそれは出来なくなってしまった。 オレには七海ちゃんっていう守らなきゃならない大事な人ができたから。 だから・・・。 「だから・・。オレに謝りに来たのか? たくよ・・・んなのとっくに知ってたって。 それによ。お前はオレの事なんか気にせず自分の思うとおりすればいいんだぜ?」 「そんなわけにはいかないだろ!!夜はオレと同じ体だろ。」 「そんなわけにはいかねえのか?だったら七海をオレのものにしちまってもいいってか?」 突然話が変わってオレは「は?」って間抜けな声を出しちまった。 一体どうしたらそうなる?ってかんじだった。 「オレとお前は同じ体なんだろ?だったら別にいいじゃねえか。」 意味深にニヤリと笑われてオレはぶち切れそうになった。 人が心配してるってのになんだよ。 オレが怒っているっていうのに夜は楽しそうに話を続けた。 「そうだ。オレとお前で交代で七海を楽しむってのもいいかもな。今度ヤッてみようぜ?」 夜に言われて一瞬その場面を想像しちまってオレは慌てて頭を振った。 振ったって振り払えるわけじぇねえんだけど・・・。 「夜、見損なったぜ。もうお前の事なんかしらねえ!!」 カッとなって吐き台詞を投げ捨てオレは夜の空間を離れていた。 その瞬間オレは夜から肝心の事を聞いていなかった事を思い出した。 「らんの事・・。」 うまくはぐらかされた気もしたがもう1度夜に所に行く気にはなれなかった。 夜は空の気配が完全に立ち去ったのを確認すると、 崩れるように空間に膝をついた。 「ざまねえな・・。」 空に心配させないために必死にこの空間を保っていた夜は今にも倒れ堕ちてしまいそうだった。 「まさかこんな事になるなんてな。 これは相沢の思惑の一つなのか?それとも、」 夜は抱き寄せるように何もない空を掴んだ。 けど・・・持っていってやる。お前の想いも・・。オレのらんへの想いも全部ひっくるめて。 そら・・・お前に気づかれねえようにな。 夜は寂し気に微笑むとまた長い眠りに落ちていった。 3章 目覚めの時 1へ 2章終わりました。このお話は章ごとで中心に描く人物が変わりますが、それぞれに繋がっていきます。 3章は死んだはず??の真一郎と相沢教授のお話です。 先が気になる方はブログが先行しておりますのでそちらもよろしくおねがいします~!! |