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ツインズ



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密着した体から藤守だってかなりきてるって事がわかった。
オレだってただ藤守と触れ合ってただけでこんなにきてる。

「藤守!!」

「はし・・・ば」


オレは藤守の素肌が外気にさらされないように毛布で覆いながら指を滑らせた。
藤守が身体を堅くしたけれどオレを拒もうとはしなかった。

小さな突起に触れるとオレは何度もそこを優しく擦った。
藤守はオレの胸にすがって感じねえようにしてたみてえだったけど
そんな姿がオレは逆に感じちまって・・。もっと藤守に触れたくて
もっと藤守を感じたくてオレは体中を密着させた。
お互い心臓の音は振り切れそうなほど早くなってる。

下半身に指を滑らせようとした時それまで抵抗しなかった藤守がオレの手を
強く跳ね除けようとした。

「くぅちゃんダメ!!」

今までとは違う明らかな拒否。

「藤守・・・優しくする・・痛えことはしねえから。」

「やだ!!」

身体を大きく震わせた藤守をオレはもう1度抱き寄せようとしたが藤守は
それさえ拒否しようとした。
けどオレはもうやめてやる事なんて到底できなくて、
強引に藤守を床に押し付けていた。その瞬間お互いのものが服の上から触れて
電流がながれたように体中に火花が散ったような気がした。

「やっ・・くぅちゃん・・やめて!!」

オレは自分の体重で藤守を押さえつけると一気に藤守のベルトをひき抜いて
ズボンと下着に手をかけた。

「ヤッ見ないで!!」

そこがあらわになった瞬間藤守は顔を手で覆って嗚咽をあげた。

「藤守!?」

暗くて見えなくても藤守に触れただけでわかっちまった。
藤守のそれはまだ大人には成長してなかった。
あんなに抵抗したのはこのせい?藤守恥ずかしかったのか?
オレはすげえ愛おしい気持ちでいっぱいになってた。

「藤守・・すげえかわいいぜ。」

「バカ、バカ、羽柴のバカ!!」

藤守は顔を覆ったまま大きく首を横に振って泣いていた。けどそんな姿も
愛しくてかわいいっておもっちまうんだから俺も重症だな。

「藤守んなこと気にしなくていいんだぜ。オレだって1年前まではまだ
・・・だったんだし。」

そういいながらオレは藤守のを剥いてやろうとすると藤守が顔を覆っていた
手を取ってオレの手を払おうとした。

「ヤダ。くぅちゃんやめて!!」

「こんなになってる癖に。藤守辛えだろ?」

「ヤっ!!」

オレは藤守の手を掴むと熱くなったオレのものの上に触れさせた。

「ああっ。」

逃れようとした藤守の手を強引に押さえ込むとオレのものを
ズボンから取り出した。

「藤守・・・オレのももうこんなになってる。」

オレは自分のと藤守のが触れ合うように身体を重ねるとお互いのものを
擦り合わせた。
触れ合った部分から体中が麻痺したように甘く疼く。
もっと藤守が欲しい。藤守を感じてえ。オレの欲望はますます膨らんで
ガクガクと震える藤守の腰にオレは貫くぐらえ強く腰を押しつけて何度も
打ち付けた。
濡れた音が図書室に響いて藤守はオレの肩に手を食い込ませた。

「ダメ!!くぅちゃん!!オレもう・・」

さすがに藤守も我慢できなくなったのか腰をオレに押さえつけてきて
それが嬉しくてオレはますます激しく動かした。

「藤守、一緒にいこうな。」

「あああ、くぅちゃん!!」


藤守は一際高い声を上げた瞬間弓のように背をしならせて床に倒れこんだ。
オレはそれでもやめる事ができなくて藤守に押し付けると一気に欲望を
吐き出していた。






カーテンから朝の光が入り始めてた。
もう朝か?
オレは硬い床に寝ていたせいでだるい体を起こすと傍に寝てる
藤守から目を離せなくなった。

オレが起き上がった時に肌蹴けちまった毛布から藤守の素肌が
覗いてた。
昨夜は真っ暗でみえなかったけど藤守の身体はしみ一つなくて小さくて
オレはまた欲情が上がってくるのを感じた。

「オレのバカ、朝っぱらから何考えてんだよ。」

オレは頭の中のやばい妄想を追い払うように大きく首を振って
藤守の毛布を掛け直してやった。

「けどいつまでもここにいるわけにもいかねえよな。」

朝7時をすぎると当直の先生が各部屋の鍵を開けに来るんだ。
オレの勘だとおそらく今6時を廻ったところぐれえだって思う。
いつもこの時間からランニングをするから時計がなくても時間の感覚に間違いは
なかった。

オレは毛布の上から藤守を揺り動かした。

「藤守、起きろよ。もうすぐ当直の先生が鍵あけに来る時間だぜ?」

「うるさいな・・もう・・あと10分・・・」

あと10分って・・・。オレは相変わらずの藤守の寝起きの悪さに
苦笑しながら毛布を無理やり取り上げた。
その瞬間オレは藤守のあまりに無謀な姿に目を奪われた。

「もう、らんのバカ!!寒いよ〜布団返してよって?あれ?」

ようやく寝覚めた藤守は自分の置かれた状況にようやく気づいたようだった。

「な・・・なんで・・・オレ裸・・?」

藤守ひょっとしてまだ寝ぼけてるとか?昨日の晩の事忘れちまったわけじゃ
ねえよな?
オレが危惧してると藤守が真っ赤な顔をして「バカ羽柴!!」っと
大声で怒鳴ってきた。

その声がすげえ図書室に響いたもんだから藤守はあわてて口を
おさえるとオレの腕から毛布を取り上げて身体を覆った。
今更隠してもみちまったあとだって。
けどマジ昨日の事覚えてねえってことねえよな・・?
さっきオレのこと「らん」って呼んでたしな。
オレが頭をかかえていると藤守は怒ったように言った。

「羽柴、向こうむいててよ。」

「なんで?」

「着替えるからに決まってんだろ!!」

「そんなのいいじゃねえか、男同士なんだし大体昨日は・・。」

オレが最後まで言う前に藤守のパンチが飛んできた。

「痛え〜藤守なにすんだよ。」

「バカ羽柴、こっち向いたらまた平手うちだからね。」

「へいへい。」

オレは殴られた頬をさすりながらけど明後日の方を向いて苦笑した。
藤守の顔が真っ赤だったんだ。ちゃんと昨夜の事覚えてるって
証拠だ。





オレたちが並んで学園を出た所で夜とらんに出くわした。
らんは藤守の顔を見ると崩れ落ちそうな顔をして藤守に抱きついた。

「ナオどこ行ってたの?僕も祭もすごく心配したんだよ。
空に変なことされたりしなかった。大丈夫だった?」

「えっと、その・。らん・・?」

藤守は真っ赤な顔をしてしどろもどろしてる。そんな風に反応しちまったら
昨晩何かあったってすぐにバレちまうだろう。オレが頭を抱えるとらんが
キッとオレを睨みつけてきた。

「空!!ナオを傷つけるような事をしたら承知しないんだからね。」

「へいへい。わかってるって。」


なんとなくこのときわかった気がしたんだ。
ひょっとして・・らんの方が藤守にってことじゃねえかって。

「らん!オレと羽柴は何もないよ。何でもないんだから・・。」

藤守が慌てて否定してたけどもう遅いって。
怒ってさっさと歩き始めた藤守のあとをらんが慌てて追いかけてる。
そんな二人を目で追いかけながら夜はふっと長いため息をついた。

「たく、世話やかせやがって。」

「夜、お前がいえることじゃねえだろ?けど夜が来るなんてな。」

「らんがどうしてもナオを迎えにいくってきかねえからしょうがねえだろ?」

不貞腐れたように夜はそういってたけど夜も藤守のこと心配してたんだって
オレにはわかった。

オレたちのかなり前方ではらんと藤守が仲むつまじく手を繋いでる。
それにちょっとだけジェラシーを感じてたら、夜がオレに手を差し出してきた。
何のつもりだよ!?

「ほら、オレらも繋ごうぜ。」

その手を払いのけてやろうとも思ったけどオレは思いきって差し出された
夜の手を握ってやった。
夜はまさかオレが握り返すと思ってはなかったみてえでらしくなく
視線をオレから逸らした。
たく恥ずかしいんだったらやらなきゃいいのによ。

けど、なんか気分がよくてそのまま夜の手を握ったまま歩き出した。
たまにはこういうのも悪くねえかもな。




「空、直の手を絶対はなすなよ。」

ふいに夜に言われてオレは言ってやった。

「わかってるって。夜こそらんを大事にしろよな。」

「てめえに言われるまでもねえ。」


らんと藤守がオレたちに大きく手をふっている。

オレと夜は掴んだ手を同時に離すとお互いの恋人の元へ競争するよう
に走りだした。





                                          END
     
                             



あとがき

まずここまで読んで下さった皆さんありがとうございました!!
ツインズは空と夜そして直とらんがそれぞれ双子だったらと言う妄想
をしてるうちに出来たお話です(笑)空と直の想いを成就するまでと
思って書き始めたんですがなかなか結ばれてくれなくて(汗)
書きながら直くんはやっぱり意地っ張りでかわいいな〜と思いました(照)

11話を読みかえしてナオくんの夢を書いていなかったことに気づきました;が
直くんの夢も空と同じだったってことでお願いします。


                                2007年 1月27日  緋色