ハニー×2・ホットケーキ
カーテンの隙間から日の光が入ってきてる。
もう朝か?
半分覚醒した頭で思いっきり背伸びしようとしたらオレの腕は
しびれたように感覚をうしなってた。
ん?さてはまたあいつらの仕業か?
薄っすらと目を明けると案の定オレの腕枕で藤守が寝息を立てていた。
やっぱりか・・・。オレはふっ〜と長いため息をついた。
今日は大学は休みじゃねえ。
夜とらんにHを許してるのは休み前日だけだ。けどあいつらはそんな
のお構いなしに出てきていちゃついて、たくこっちの身にもなれってんの。
けどまあ今日は急に午前中の講義は休みになったから登校は昼からだし。
夜とらんはそれを知ってて、したんだろうな。
それにしても・・・。
オレも藤守も忙しくて最近二人で過ごす時間は減ってるってのに
夜とらんは増えてる気がする?それって不公平だよな。
もう1度小さくため息をついたオレは藤守を起こさねえように腕を抜いて、
幸せそうな寝息をたてて眠る藤守をみつめた。
うん、まあけど、こうやって藤守の寝顔を見るのは悪くねえよな。
普段は怒ってばっかの藤守も寝顔は無防備であどけなくて、
しかも、夜とらんがヤった後だからかすげえ色っぽい。
そんなことを考えていたら藤守が寝返りを打って、
布団が肌蹴て・・藤守の素肌がさらされた。
オレは藤守のその素肌に釘づけになった。
藤守の胸には昨日夜が付けた跡が散らばってたんだ。
その色っぽい跡がオレがつけたんじゃねえってのがなんかすげえ悔しかった。
そりゃよ〜、体はオレかもしれねえし、相手はらんだってわかっていてもな。
そんな事を考えていたらオレの下半身が疼きだした。
何考えてんだよ。眠ってる藤守に欲情しちまうなんて。 ううう、オレ朝からやばいかも。
けどちょっとぐらい許してくれるよな?
恋人どおしなんだし。
オレはそんな邪なことを考えながら
藤守の上体に覆いかぶさって唇にキスを落とそうとしたら、
藤守が突然にっと頬を緩ませてつぶやいた。
「ホットケーキ」って。
オレはキスするのも忘れてまじまじと藤守の顔を見つめた。
藤守は、夢の中でホットケーキを食ってるんだろか?
夢の中で幸せそうにホットケーキを食ってる藤守を想像したら
オレは自分の邪な考えなんて飛んでしまっていた。
今すぐ藤守の為にホットケーキを作ってやりたくなったんだ。
夢の中だけじゃなく現実に食わせてやりてえだろ?
オレは藤守の布団から立ち上がると部屋の簡易キッチンに向かった。
「確か、まだ残ってたはずなんだけど。」
小さな冷蔵庫の中にはオレの覚えどおり卵が一つ残ってた。
しめた、ホットケーキつくれるぜ!!
小さなフライパンを取り出すとオレはバターを流しいれた。
「藤守喜んでくれるかな。」
オレは小さな食卓にホットケーキと少し甘めのミルクティを並べると藤守を 驚かせたくてベットの傍に腰掛けた。
「藤守、起きろよ。朝食出来てるぜ?」
「んん?朝・・?」
「ああ、今日の朝食はな・・・。」
「ホットケーキ・・・」
蕩けそうな声でそう返した藤守にオレはへっ?って間抜けな返事をした。
「藤守、ひょっとして起きてる?」
そう聞き返したが藤守はすやすや寝っていた。、今のは寝言か?
「藤守ほら、起きろって。ホットケーキ冷めちゃうぜ。藤守が起きてこなか
ったらオレがぜん〜ぶ食っちまうからな。」
それでもってその後は・・・。
「藤守も食っちまうからな。」
藤守が寝てることをいいことにそんな事をいったら藤守が眠そうに目を擦った。
「あれ?朝??」
「たく、ようやく起きたか。」
「なんで、オレの部屋にくうちゃんがいるの?」
「違えよ。オレの部屋に藤守がいんの。」
まだ寝ぼけてる藤守はベットから起き上がってようやく自分が裸だって
ことに気づいたらしい。慌ててシーツで隠してたけど遅えって。
「バ・・・見るな・・変態!!」
っなんてひでえ事をいいながら枕をオレに投げつけてきたんだけど、
オレはそれを寸でで受け止めた。全くいつものことだろ。
いい加減なれろって。
「いいじゃねえか。恋人どおしなんだし裸なんていつでも見てるんだろ?」
「恋人って・・・。」
藤守はわなわな唇を震わせて面白いぐらい真っ赤になってる。
オレは藤守が嫌がってるのがわかってもじろじろ見ていた。
なんか好きな子に意地悪するガキの気持ちがわかるかも。
その時だった。藤守の生足から白泥したものが流れ落ちるの みてしまったんだ。
藤守の顔はますます真っ赤になって困ったように俯いた。
それは間違いなくオレのものなんだろうけど でも・・・それはやっぱり夜がらんにしたもので納得いかねえっていうか。
だってだぜ、オレの藤守が汚されたような気がしちまったんだ。 土足で真っ白な雪を踏ませれたあとを見てしまったそんな感じ。
オレは我慢できなくなって、藤守からシーツを奪い取った。
藤守の濡れた肌を直接みちまったオレの理性は完全に飛んでしまった。
「藤守・・・」
オレは全裸の藤守をぎゅっと抱きしめた
「何?羽柴??」
「ごめん。オレもう我慢できねえ。」
「何言って??」
オレが藤守に腰を押し付けると藤守は唐突にオレのしようとしてることを 理解したようだった。
「バカ羽柴朝っぱらから何考えてんだよ・・作ったホットケーキが冷めるだろ。」
オレがホットケーキを作った事はこの口調からだとわかってるようだ。
「藤守のためなら何だって何度だって作ってやる・・だから藤守・・。」
懇願するようにいうと藤守はすげえ戸惑った顔をしてた。
「ミルクティも・・・作り直してくれる?」
困惑しながらそう聞いてきた藤守がすげえ可愛くてオレはうんうんと頷いた。
「それにメープルシロップ・・・ついでに生クリームもたっぷりつけてやるから。」
それでどうだってオレが藤守に同意を求めると藤守はゴクリと唾を飲み込んだ。 食いモンで釣るなんてどうよ?とは思ったけど藤守にしてみたらその条件は
捨てがたかったみてえで返事もしねえでぼっと考えこんでた。 あんまり考え込んでたからオレは藤守の頭が完全に起きちまわないうちに ことにうつす事にした。
「藤守、タイムUPな。」
「ええ、ちょっとまっ・・・あっ メ・・」
藤守が言う前にオレは藤守をベットへと押し倒していた。
・・・・・・・・・・・・・・。
そうしてオレは藤守を美味しく頂いちまったってわけだ。
(えっ?美味しく頂いたところはって?
それはもちろんオレと藤守だけの秘密。
オレの可愛い藤守をそう簡単にみせるわけいけねえからな。
そしてオレは再び冷蔵庫の前にいるんだけど、そういや
卵がもうなかったんじゃ・・・(汗)
「羽柴どうかした?」
冷蔵庫の前で途方にくれてたオレにまだベットの中の藤守が
不思議そうに聞いてくる。
「ええ?ああそういや卵がもうなかったって。」
引きつった笑顔でそういうと藤守は拗ねたようにオレを睨んだ。
「ああいや、七ちゃんにもらってきて、ちゃんとホットケーキ作ってやるから。」
オレが慌てて部屋から飛び出そうとすると藤守に呼び止められた。
「羽柴もういいよ。勿体ないからこれ食べよ?」
藤守が示したテーブルの上にはすっかり冷めちまったホットケーキ
が載ってる。
「けど、オレ藤守に作り直すって約束しちまったし。」
「そんなの待ってたらいつになるかわかんないだろ。バカ羽柴!!」
きつい罵声を食らってうう〜って唸ると藤守はベットから起きて服を
着替えだした。
オレがついそれに見とれてると藤守が第2の罵声をオレに浴びせた。
「もう何やってんだよ。早くミルクティ温めなおして、オレお腹すいててもう1
秒だって待てないんだからね。」
藤守の口調は怒っていたが、その顔は耳まで真っ赤になっていた。
「美味しい〜。」
冷めちまったホットケーキを幸せそうに食べる藤守がすげえ可愛くて
愛しくてオレは改めて幸せだなって思った。
「羽柴またホットケーキ作ってくれる?」
藤守は何気なく言ったんだと思うけどそれはすげえ 意味のあることじゃねえかって思った。
「ああ。もちろん。」
「今度はちゃんと出来たての熱々がいいな。」
「そうだな。今度は藤守を食っちまってから作る事にするな。」
オレが抜けぬけとそういうと一瞬で茹蛸状態に
顔を染めた藤守が口をぱくぱくさせてオレを睨んだ。
やっぱりお決まりのアレを言われちまうんだろうと思うとオレはなんでだか
すげえ嬉しくて椅子に座ったまま藤守を抱き寄せた。
「何するんだよ・バッ・・か・・・。」
バカ羽柴は!!二人の唇の中で消えて、かわりに
甘いホットケーキの味がした。
END
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2006 10月18日サイト1周年を迎えました〜。
これもここを読んでくださってるお客様のお陰です。
もちろんここだけでなく他のコンテンツのお客様にも感謝です(笑)
これからもガンガン書いていきたいです〜 堤緋色

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