オレは一人になって自分の精神奥深くに入り込んでいた。
今藤守がどんな状態なのかオレは少しでもわかりてえって思ったんだ。
ここは薄暗えけどけして居心地の悪いところじゃねえ。
だからつい長居しちまいたくなるけど・・・
藤守もそうなのかな?
「なあもしオレが藤守みてえに心を閉ざしちまったら夜だったら
どうした?」
姿は見えねえけど気配のする夜にオレは聞いてみた。
「そうだな。」
夜の声が響くと夜は突然オレの目の前に姿を現した。
いきなりの夜の出現にオレは驚いて後ろへ数歩下がった。
だいたい距離が近すぎだって。
オレがそんな事を考えていると案の定夜のやつはにやりと
意地悪な笑みを浮かべた。
どうせオレの考えなんて夜には全部お見通しなんだろう。
「そうイジケンなって。お前が心の奥底に閉じ込められちまったら
オレがどうやってお前を助け出すのか知りてえんだろ?」
オレは夜の台詞に思わず閉ざされた暗闇に夜がオレを迎えに
来る図を想像しちまっていた。
「ふ〜ん。空はそうやってオレに助けて欲しいわけ?」
オレは慌てて否定した。
「んなわけあるか。夜が助け出すなんて言うからだろ。」
「オレがどうしたって?」
夜は鬼畜な笑みを浮かべながら含んだような物言いをすると
パチンと指を鳴らした。
その瞬間オレは暗い牢の中に閉じ込められてた。
鉄格子の牢は引こうが押そうがびくともしなかった。
「なんだよ。夜、どういうつもりだよ。」
「もしお前がそうやって閉じ込められちまったらナオはオレのもん
にしてやっから。心配しなくていいぜ?」
冗談では済まねえことを言った夜にオレは怒りを露にした。
「てめえ〜!!」
「な〜に怒ってんだ?ジェラシーってやつ?」
「当たり前だろ、夜、お前でも言っていい事と悪い事ってのがなあ・・・」
オレが最後まで言う前に夜はもう1度パチンと指を鳴らしていた。
すると今度は夜も一緒に牢の中に入っていた。
「夜?」
夜に近づこうとして足を動かそうとしたオレはなぜかツンノメっていた。
「痛ってえ〜!!」
その場に転びそうになって俺ははじめて服装の違和感に気づいた。
「なんだよ〜これ・・ヒラヒラのドレス?しかも純白って・・・」
「空、ほらお望みどおり助けにきてやったぜ?」
「夜、てめえ〜。」
オレが夜に殴りかかると夜はその腕を掴んで夜の胸に引き寄せられていた。
オレはゴクリと唾を飲みこんでいた。このシチュエーションって。
「オレが直に手を出すのはイヤなんだろ?だったらお前をな?」
何でそうなるんだ?と文句を言う前に唇は塞がれてた。
夜の舌はオレの舌を吸い上げるように絡んできてオレはそれから
逃れようとしたが理性とはうらはらに体は勝手に夜の思い通りにされてしまっていた。
「ふうう・・ん。」
やっと唇が解放された時、自分でも嫌なぐらいねとついた
いやらしい音を立てた。それがもっとキスを強請ってるような気がして
オレは体全身が熱くなったような気がした。
「空なかなかいいかんじじゃねえか?その服もよく似合ってんぜ?」
「ば、バカ・・・これはてめえが勝手に着せたんだろ!!しかもいいように
オレのこと弄びやがって。」
「ふ〜ん、全部オレのせいだと思ってんのか?だったら・・・・」
夜はもう1度オレを引き寄せると意地悪く言った。
「なんでこんなに空の心臓の音ははええんだ?顔だって真っ赤だぜ。
本当はこういうことを期待してんじゃねえの?」
夜はそういうと体をもっと密着させてドレスの上からそこに触れた。
「あっ・・。」
オレはその瞬間電流が流れたようにぶるっと震えた。
まどろっこしい感覚、直接触れて欲しいような。
けどそんな事は口が避けても言いたくはなかった。
夜は苦笑しながらドレスを巻くしあげた。
「な・・何すんだよ。」
「空がオレにされてえことに決まってんだろ。」
「誰がてめえなんかに・・・。」
「そうやって強がってる空も悪くねえんだがな。正直になんねえと空が入りこんじまった時に
直をもらうぜ。」
だからなんでそうんるんだと言う前に夜の手は捲し上げられたドレスの下のにまで
伸びてきて・・・・ってうそだろ!!オレ下着はいてねえ?
「夜ぅ・・やめ・・ろって」
夜の指が直接先端をつつくように触れてきてオレはのけぞった。
「いい顔してるぜ。空、ほら、認めちまえよ。」
「ヤ・・・・。」
夜の指はひだをとるようにゆっくりとオレをいたぶる。
それはまどろっこしいくてすげえ気持ちよくてけどイクこともできねえようなそんな
半殺し状態でオレは動かしてしまいそうな腰を夜の腰に押し付けていたがそれも
我慢の限界に達していた。
「ほら・・空・いってみな、どうして欲しい。」
言葉でもいたぶられてオレはもうわけがわからなくなっていた。
「夜もうイカせて・・。」
認めちまった瞬間オレの残った理性もプライドもずたずたになった気分だった。
けどそんなオレを夜は優しく包み込む。
「バカだな。空は、お前はオレにそんな負い目なんて感じる必要ねえんだぜ?
オレにして欲しいことがあったら素直にいえばいいし甘えたらいい。
お前が心を閉ざしてえと思ったら閉ざすのも悪くねえ。出てきたくなったらいつだって助けに
いってやる。」
「けどそれじゃあオレはいつまで夜に頼ってばっかで強くならねえ。」
「空は充分に強えぜ、でねえと相沢を倒す事なんてできなかっただろ?
けど時には逃げたり休んだりする事も必要なんだぜ。それがオレの存在理由なんだからな。」
夜はオレを慰めてくれてるんだろうか?
オレは夜にしがみつきながらドクンと堪えきれなくなった下半身の熱さを
持て余して自分で手を伸ばそうとした。
すると夜がオレの手を掴んだ。
「オレにイカせて欲しいんだろ?」
そういうと夜はドレスの裾を大きく捲し上げてオレの目の前に
ひざまずきそれ含んだ。
クチュクチュっという音が妙に響いて
夜のその姿だけでオレはすげえやらしいことをされてる気がして昂ぶってしまう。
先端をちゅっと吸いながら舌を這わされる。
それは直接神経を触れられたんじゃねえかってぐれえ気持ちよくて
自分ではどうしようねえほどオレは感じていた。
「んんっあああ、夜・・ダメ いっっちまう!!!」
もう立つこともできねえ程にオレは感じすぎちまっていて傍にあった壁にもたれかかると
そこは夜の腕の中のように温かかくてオレはそれに縋った。
「よるぅ よるぅ・・・もう・・・」
限界にきて腰を大きく動かすと夜がそこを舌でくすぐった。
その瞬間オレはイッちまってた。
オレが壁に落ちるように体を弛緩させると夜が心底満足そうに笑ってた。
オレはそれに居心地の悪さを感じた。
だって納得いかねえじゃねえか。
大体なんでこんな事されちまったのか?
そもそもオレがもし藤守のように心を閉ざしちまったらって所から
こうなっちまったわけだけど。
そのことを考えていたら夜のやつが嬉しそうに言いやがった。
「ひょっとしてまだ足らねえってか?」
「バ バカちがうに決まって・・・て。」
って言いかけて俺は唐突にあることに気がついた。
つまりはオレが心を閉ざしたら夜はこうやってオレを助ける
ってことを言いたかったんじゃねえかって。
そこに行き着いたとき夜が苦笑した。
「ようやく気づいたか。」
じゃあ藤守を抱くとかどうとか言うのは?
「オレが直を食っちまえばこんな所にいる場合じゃねえって自分から
出てくんだろ?」
またオレの考えを勝手に読んだ夜はいけしゃあしゃあとそんな事を言いやがるけど。
「な・・・なんだって!!!・・だからって、てめえはなんでそっちの方にしか
考えがいかねえんだよ。」
言われて俺はやられたって思った。
まあ夜らしいっていや夜らしい気もするけど。
でもそんなこと聞いちまった以上オレは絶対に心を閉ざしたりしねえっと心に
誓ったのだった。
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フラスコ番外編です。
唐突にHシ−ンを書きたくなってしまいました(爆)それで予定になかった夜×空;
本編の方でも空(らん)が心を閉ざしたらという話が出ますがそこではこのシーンは曖昧に
流すつもりです。ここではまだ直は心を閉ざした状態になっていますがどちらかと言うと
帰ってきた後のノリで書きました。
早く直くんに戻ってきてもらわないと〜