恋する少年
       
  
         
※上様有利の言葉遣いおかしいです〜つうか難しい(苦笑)


上様モードになった有利は大抵自身の気が済めばもとの有利にもどるのだが
その風貌のままにコンラッド、グェンダルたちの元へ、すさまじいまでの
魔力を身にまといながら戻ってきた。

まだ終わっていないのだろうかと誰もが思ったときヴォルフラムがおずおずと
有利に駆け寄った。

「有利、大丈夫か?ケガはないか。」

兄やウェラー卿に先にこされぬように、婚約者としての意地をヴォルフラムは
見せたかったのだ。

「大事無い。」

有利はただ一言そう告げるとそのまま馬に跨ろうとしたのでヴォルフラムは
その後を追った

「有利、なぜその姿のままなのだ?まだ何かあるというのか?」

有利が繭を上げヴォルフラムを睨みつけた。

「主に向かってその物言い聞き捨てならんな。」

ヴォルフラムは顔を真っ赤にさせ激怒した。

「オレは有利の婚約者だ。確かにお前のためならこの身も投げ出す
覚悟もあるが婚約者としてはお前と対等でいたいのだ。」

馬に跨った有利がヴォルフラムを冷ややかな目で見下ろした。
ヴォルフラムはそれでも引き下がらなかった。

「待て有利、逃げる気か!?」

「そちがよの婚約者?本気の沙汰か。」

「当たり前だ。求婚したのはお前だろう。忘れたとは言わせない。」

ヴォルフラムは拳をたたきつけるように有利の気迫に負けじと詰め寄った。

「その覚悟があるなら今宵、よの夜伽にこい。」

「なっ?」

ヴォルフラムは冷や水を掛けられたように気がした。
本来なら胸が騒ぎ喜びに満ちてるだろうに。

「有利、それは僕と結婚するということにほかならないんだな?」

「お前に出来ればな。」


その場に立ち尽くすヴォルフラムを追いて有利は余裕気にそのまま馬を走らせた。
そのあとを慌ててウェラー卿が追っていく。

少し離れて有利とヴォルフラムの様子を見ていたアニシアを含める女官たちが
「結婚式の準備をしなければ」と黄色い声を上げ、
ギュンターは余りの事に動揺してわけのわからない言葉を発してる。

「本当に、夢ではないのか?」

ヴォルフラムは自身の頬をつねってみる。

「イタって、夢ではないのだな。本当のことなんだな!!
・・ってこうしてる場合じゃない。急がなければ、」

痛みを感じた頬にヴォルフラムはようやく有利と結婚するのだという実感が
わいてきたのだった。



→2話へ