体温調節と省エネ

04/4/25

そろそろ暑さを感じる季節になり、
エアコンに頼りたくなってきた人もいるのではないでしょうか。
実は、この季節に体温管理に気をつけると、
省エネがしやすくなるかもしれないのです。

ヒトの体は常に体温を一定に保つようにできています。
そうです、恒温動物です。
体温を一定に保つために体内でエネルギーを燃やし、熱を得ているのです。
ヒトの体温は36℃ぐらいですね。
気温のほうは、というと…
真夏でも36℃を超える事は少ないですね。
自然界(物理)の法則「熱は高いほうから低いほうに移動する」
を適用すると、熱の移動は
ヒトの体 → 空気
なのです。
つまり、ヒトの体は真夏でも熱を放出しているのです。

では、なぜ「暑い」と感じているのか?
それは、人体の持つ放熱機能による放熱量と、
体内での熱の発生量のバランスが悪くなるからです。

例えば、500kcal の熱を発生させたとして、
450kcal の熱しか体外に放出できなかったら、
体内には 50kcal の熱が残ることになります。
これが続くと、体温は上昇し続け、いずれは死に…
というのは大げさですけど(笑)

人体の持つ放熱機能はとても優れています。
たとえ気温が 40℃あっても、汗などにより放熱できます。
でも、暑いという感覚はあります。
暑いという感覚はあっても、しっかり放熱していると
暑さに耐えられるのです。

では、具体的にはどうすればよいか。

一、
発熱量をできるだけ抑える。
二、
放熱機能を強くする。

この2つのイメージを頭に焼き付けてください。
体は気温が上がるにつれて、発熱量を抑えて放熱機能を強化していきます。
発熱量の抑制が間に合わなければ、放熱機能を強化し、
放熱機能の強化が間に合わなければ、発熱量を抑制します。
こうして、適応していくのです。
ただし、時間がかかります。個人差もあります。

下のグラフを見てください.。



これは2003年5月の東京の気温変化をグラフにしたものです。
(↑気温データのページ by 中村(ナカムー)さん)
このグラフから最高気温、最低気温ともに
上がったり下がったりしていることが分かります。
気温が上がっていく時は暑さを感じるので、
少しずつ軽装になっていきます。
しかし、気温が下がったとき、(グラフ上の 5/8 → 5/9 など)
もとどおりの服装に戻していますか?
ここで服装を涼しい時の状態に戻すことで、
体の発熱量を抑えることが可能なのです。
体に寒さや涼しさを感じさせないことによって、
発熱量抑制と放熱機能強化を継続させるのです。
これなら、そんなに我慢する必要もありませんしね。

こうして、体に気温が上昇していることを教えてあげ、
夏に向かって、暑さに対応できる体をつくるのです。
もちろん、夏場も体を冷やさないことによって、
発熱量抑制と放熱機能強化を継続させるのです。

その結果、エアコンに頼る機会が減れば省エネになるのです。





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