時間別節電効果

04/1/11

節電することで、CO2排出量を減らせることを示しましたが、
厳密には節電する時間によって、その効果が違います。

下の図を見てください。


この図は1日の電力需要の変化を表したものです。
横軸に時間をとってあります。

図の見方を説明します。

「需要曲線」が1日の需要の変化を表しているものです。
3時頃に最も需要が低くなり、
15時頃に最も需要が高くなっているのが見て取れると思います。

「流込式水力発電」は河川を流れる水で発電する発電方式で、
川の流れを利用して1日中発電を行っています。

「原子力発電」は原子核が分裂するときに放出するエネルギーを使って
発電する方式で、出力をコントロールすることは可能ですが、
図のように1日中、一定量の発電を行っています。

「火力発電」は石炭、石油や天然ガスが燃えるときに出すエネルギーを使って
発電する方式で、始動・停止が容易なため需要の変化に対応できます。

「揚水式水力発電」「貯水池式水力発電」「調整池式水力発電」
水を溜めておいて、必要なときに流して発電する方式で、
火力発電と同様、始動・停止が容易なため需要の変化に対応できます。
しかし、溜めておいた水を使い切ってしまうと、
水が溜まるまで発電ができなくなるので、大切に使われています。

「揚水用動力」とは、揚水式水力発電に使う水を
下流から上流に上げるために利用される電力で、
電力需要の低い夜間の電力を使います。

これらの発電方式をうまく組み合わせて発電することを
「電源のベストミックス」といい、電力供給の重要な課題です。

さて、前置きが長くなりましたが、
この図を使って、節電とその効果を説明しましょう。

節電方法として、待機電力のカットがありますよね。
使ってないときも消費され続けているテレビやビデオの待機電力。
この待機電力は、図の原子力発電や流込式水力発電によって供給されています。
すなわち、待機電力をカットすることは、
原子力発電や流込式水力発電による電力供給をカットすることになる可能性が高いのです。
この2つの発電方式によるCO2排出量は少ないので、
CO2排出量の削減効果は少ないかもしれません。
どことなく曖昧な言い方をしているのは、
どの発電方式による供給を減らすかは、電力供給側が決めことであって
私たちには分からないからです。
(でも、待機電力のカットも重要ですよ!)

ということは、CO2排出量を削減するためには、
待機電力以外による電力消費を抑えることが重要だということがわかりますね。
すなわち、電気機器の使い方を考える必要があるのです。
暖房、冷房の温度設定をこまめにしたり、
部屋を離れるときは、きちんと電気を消したり、
エレベータの使用を控えたり、etc、etc、…





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