リサイクル

04/4/17

リサイクルとは?

言葉ばかりが先走ってしまって
内容が分かりづらい分野ですが、
じっくり考えることで内容を理解しましょう。

リサイクルとは、
原材料から製品が作られ、その製品が役目を終えて廃棄されるとき、
廃棄するのではなく、もう一度原材料に戻して、
再び新しい製品として利用しようという考え方です。
下図はその流れを単純化したものです。



木材などの資源は、
パルプなどの原材料に加工されます。
その原材料をつかって製品が作られ、
利用された後、廃棄、または原材料にリサイクルされます。
図中の E0 などの記号は、
資源から原材料に加工するのに消費されるエネルギーなどを表します。
この消費エネルギーがリサイクルの難しさに関わってきます。

例えば、使い捨ての場合と一度だけリサイクルした場合を考えます。

使い捨ての場合のルートは、
資源 → 原材料 → 製品A → 廃棄物
となります。
このときに消費されるエネルギーの合計 Eone
E0 + E1A + E3A
となります。

一度だけリサイクルした場合のルートは、
資源 → 原材料 → 製品A → 原材料 → 製品A → 廃棄物
となります。
このときに消費されるエネルギーの合計 Erecycle
E0 + E1A + E2A + E1A + E3A
となります。

一度だけリサイクルした場合には2個の製品Aが作られますので、
使い捨ての場合にも2個の製品Aを作ると考えて、
「2倍の Eone」 と 「Erecycle」 を比べます。
すると、
「E0 + E3A」 と 「E2A」 の比較をすればよいことが分かります。

E0 + E3A > E2A の場合、
すなわち、使い捨てのほうがエネルギー消費が多い場合、
リサイクルを推進することが BEST であるといえます。

また、逆の場合には、
資源の量とエネルギー問題を考えて答えを出さなければならず、
非常に難しい問題だといえます。

その他にも、リサイクルの過程で不純物が混ざるため
製品Aから製品Aに再生できない場合もあります。
こういった場合は、
資源 → 原材料 → 製品A → 原材料 → 製品B → 廃棄物
というルートをたどる事になります。

ここでは、エネルギーを主体にリサイクルを考えましたが、
他にも資源の量費用も考えなければならず、
リサイクル理論は非常に複雑です。
また、最新技術に精通しておかなければ
誤った判断をしてしまうこともあるため、
普通の人には手の出しにくい分野とも言えます。
しかし、リサイクルは理論で終わってはならず、
実践してこそ、その意味があるものです。

そこで、もう一度リサイクルの図を見てください。



実は、ここに示されたルートは消費者が作るのです。
製品を消費者が買わなければ、
誰も資源から製品を作ろうとはしません。
製品を買う人がいるから(需要があるから)
製品を作ろうとする人がいるのです(供給があるのです)。
役目を終えた製品を資源回収にまわしたとして、
リサイクルされた製品を買わなかったどうなりますか?
誰もリサイクル製品を作ろうとはしません。

つまり、次の3原則が重要なのです。

・ 買った製品は大切に使う。
・ 使い終わった製品は資源回収にまわす。
・ リサイクル製品を購入する。

これらの事を実行しながら、リサイクルの図を思い浮かべると
自然とリサイクル理論が理解できるようになってくると思います。





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