「放射性廃棄物」とは放射能を持った廃棄物のことです。
放射能とは放射線を出す性質のことを言います。
放射線とは人体にとって有害な電磁波です。
難しい事はさておき、「放射性廃棄物」とは、
人体にとって有害な廃棄物だと思ってください。
ここで問題なのは、
『どの程度有害なのか』
ということです。
人体にとって有害な物質といえば、
環境ホルモン、ダイオキシン、…
いろいろと思い浮かぶでしょうが、
放射性廃棄物はそういった物質とは違うものです。
何が違うのか?
もっとも大きな違いは、環境ホルモンなどが
人体に取り込まれたときに毒性を発揮するのに対して、
放射性廃棄物はそばに置いておくだけでも毒なのです。
それは、放射線が出ているからです。
すなわち、この放射線が有毒なのです。
放射性廃棄物は密封容器に入れても、
放射線が容器を透過してきます。
もちろん放射性廃棄物が漏れ出ることも許されません。
そこで、放射性廃棄物の処分方法として、
地中深くに埋設するという方法をとっています。
詳しい話は原子力発電環境整備機構のHPに載っています。
問題は埋設後なのです。
放射性廃棄物には、放射能が強い「高レベル放射性廃棄物」と
比較的、放射能が弱い「低レベル放射性廃棄物」があります。
低レベル放射性廃棄物については、
青森県六ヶ所村に処分場があります。
放射能が漏れ出して生活環境に到達しても
無視できるレベルに減するまで約300年!
ずっと管理し続けるのです。
高レベル放射性廃棄物においては、
何万年、何十万年と管理し続けなければならないかもしれません。
現在、高レベル放射性廃棄物の処分場の候補地探しが行われています。
もしかすると、あなたの住んでるところにできるかもしれません。
使ってしまったエネルギーはもとには戻せません。
すでに出来てしまった廃棄物は、私たちの世代で処分方法を決め、
子孫に管理を任せるという、負の遺産なのです。
これ以上、負の遺産を増やさないために、
一人一人が考えていくしかないのです。