眼球の調節機能

04/1/18

眼球には優れた調節機能があります。
注視している対象物を常にクリアに映し出す機能です。
カメラのオートフォーカス機能と同じですが、
カメラが外界から入ってくる光の量を自動調節できないのに対し、
眼球は光の量を調節し、対象物を常にクリアに映し出そうとします。

どこに映し出すのか?
もちろん、網膜です。

それでは、眼球の調節機能について説明しましょう。
下の図をご覧ください。



左の図が遠くを見ている時、
右の図が近くを見ている時の眼球の前部の状態です。

遠くを見ているときは、毛様体にある毛様体筋
収縮していない状態にあります。
この時、水晶体はチン氏帯により引っ張られており、
水晶体は薄くなっています。
こうして水晶体の厚さを薄くすることで、
遠くにある対象物を網膜に映し出します。

遠くを見ていて、次に近くを見ようとすると、
毛様体筋は収縮し、チン氏帯が緩み、水晶体が厚くなります。
これは水晶体自体の丸くなろうとする力によるものです。
水晶体が厚くなることで、
近くにある対象物を網膜に映し出します。

すなわち、
遠くを見ている時は、
毛様体筋は緊張していない自然な状態ですが、
水晶体は引っ張られた状態にあり、
近くを見ている時は、
毛様体が緊張した状態で、
水晶体が自然な状態にある。
という事になります。

最近では、あまり言わなくなりましたが、
毛様体筋が緊張した状態から戻らなくなった状態を
「仮性近視」または「偽近視」と言い、
近視とは少し違う見方をしていました。

また、水晶体は加齢とともに硬くなるために、
毛様体筋を収縮させ、チン氏帯を緩めても、
水晶体の厚さが戻らないようになってきます。
そうです、これが「老眼」の原因です。





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