2022南九州の山旅 高千穂岳、大崩山、由布岳

51日、2日 
 自宅を昼過ぎにゆっくりと出発、高速には乗らずに神戸三宮をめざす、三宮のスーパーで夕食を買って、フェリーに乗船、コロナも収まりつつあり、GWのフェリーは満席(ベットは半分に制限していた)だった。太平洋航路で揺れを心配していたが、さほどのこともなく、気持ちよく夕食でいっぱい飲んで、ゆっくりと寝られた。起きたらすでに、日が上がっていた。
 宮崎港の接岸前にはヤシの木の並木がみえて、南国ムードのある宮崎港に到着、すぐにコンビニで昼食を確保、今回は荷物を少なくするためにバーナーなどはなしにした。携帯グーグルマップを頼りに、高速に入り、都城から高千穂岳をめざし国道へ、九州のツーリングは気持ちがいい、予定通りに高千穂河原に到着、観光客、登山者が結構いる。登山口ではミヤマキリシマか、ツツジが咲いていた。新緑のきれいな遊歩道のような道を抜けると、火山のためか木がなくなり、歩きにくい火山礫、ところどころ溶岩が露出している急な斜面を一気に登る、御鉢に出る、このあたりのミヤマキリシマはまだ咲きかけだった。火口をみながら、馬の背、背門丘へ、少し下り、鳥居ごしに高千穂岳山頂をみあげる、歩きにくい急登が続くが1時間半かからずに山頂に到着、桜島まできれいにみえる。とても気持ちのいい登頂だった。
 下山は、自然研究路を経由して駐車場に、バイクで、延岡をめざした。麓のワインディングロードとそこからの高千穂連峰の景色を楽しむことができた。信号がなく気持ちがいい、西宮崎まで国道を走り、時間短縮のために少し高速を使う、日南市で高速を降り、海沿いを走ったつもりだったが、意外に海の近くを走ることはすくなかった。
 延岡ではワシントンホテルに泊まった。一泊4000円で安かったが古い建物だった。シャワーを浴びて、そこから飲み屋街まで散策に、下調べした店に行くも連休中で休みか、予約のお客のみでなかなか入れない。30分ほど歩きまわり、無難な感じの居酒屋を見つけて、入った、「源太」さんだ。これは大当たりで、地元の魚、貝などもある炉端だった。吉田類さんの写真が飾ってあった。これは本物だ。亀手そっくりの貝「カメの手」「まるみな」「からしみな」と貝の煮物の盛り合わせ、「あげみ」という名のさつま揚げ、ニラが入っていておいしかった。焼酎「天孫降臨」を1合たのむと、お銚子に原液きっちり入れて、氷とグラスとお水を出してくれた。さすが焼酎の国。
 2軒目は、ネットで調べて行きたかったオーセンティックバー「マイスター」に行った。九州の地方都市とは思えないお洒落なお店、カクテルからウィスキー銘柄もすごい、しかも、「バイクでキャンプに行く」というマスターからいろいろな情報をお話してもらった楽しい夜だった。

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 ホテルで、コンビニで買ったお湯を入れてかき混ぜるだけの「ハヤシめし」で朝食をすませ、祝子川(ほうりがわ)をめざす、朝の気持ちのいい山道をすすむ、段々細くなり、最後の民家を過ぎると舗装されているもののほぼ林道だった。ホテルから1時間で祝子川登山口に着いた、なんと凄い縦列駐車、「数えた」という登山者の話では75台!人跡の少ない秘境の山と思ったが、2百名山のGWとなると全国から登山者が来るようだ。
 川沿いのトラバース気味の道を30分で大崩山荘を通過、1時間でワク塚コースへの渡渉点に出た、水量もあり、どうしても水の中に入りそうなので、靴を脱いで、素足で渡渉した。そこから原生の深い森と岩山の世界だった。どんどんと傾斜が増し、梯子が連続してあらわれる。岩尾根を高度をあげていくと、平行している坊主尾根の岩山がみえてくる、壮大な大スラブの大岩だ、坊主岩、小積タキだ、こちらも下ワク塚、中ワク塚、上ワク塚と、大岩の上を行く展望コース(迂回コースもあったようだ)があった。GWで若者のグループも多く、大岩の上でインスタ映えするヒヤリとする写真を撮っていた。自分はクライミングするもののロープなしで岩の端に立つなんてできなかった。それでもクライミング気分になっていたのか、気がつけば3点支持でかなりやばいボルダリングをして岩山のトップに立ったが、先が断崖で道を失った。振り返ると若い女子のグループが「そこは登山道ではないですよね、下ですよね」と声をかけてくれた。「よかった、やっぱり登山道にしてはムーブが厳しかった」と思い、今度は怖いクライムダウン、女子からは「上手に岩を登ってましたね」とほめられた。上ワク塚の岩山の基部もまいて、コルまで登ると景色は一変した。穏やかな尾根となり、やがて巨木の森の中をすすんだ。坊主尾根コースと合流すると山頂に向かう尾根が近くにみえた。アケボノツツジがピンクの大きめの花をつけている。宇土内分岐を過ぎると、アケボノツツジの群生が山頂まで続いた。あの厳しい梯子の連続した岩山の山頂とは思えない穏やかな山容だ。
 山頂は凄い人でいっぱいだった。東京から来たカップル、九州の人、いろいろな会話も弾んでいる。地元の人は「こんなたくさんの人と会うのははじめです」と言っていた。いつもは人に会うことのない秘境の山らしい。
 下山は、登ってきた穏やかな尾根を下る、坊主尾根コースに入ると傾斜がきつくなり、どんどん高度を下げる、やがて小タキの岩山の展望台に上がる、すごい巨大な岩だ。そこから急な下りで、まず、象岩のワイヤーをつかんでのトラバース、登山道とは思えない、足元はスタンスは切ってくれているが浅い、その下は急な1枚スラブの崖で切れている、落ちたら助からない、怖がりの登山者では通過は無理かも、そこからは梯子の連続となる、運悪く前に20名くらいの関東の山岳会(ややお年のいったメンバーの・・)、当然、梯子の度に渋滞となる、人数も多く、抜くこともできず、渡渉点までこのパーティの後を続く、東京から来たカップルと百名山の話をしながら待つことが多かった。川の渡渉は、先行の高齢パーティーは靴を脱がずに渡っている。石づたいでなんとかなりそうだった。それでも23人転倒してずぶ濡れになる人もいた。ギャラリーが多く、緊張したがなんとか足元をぬらさず、渡れた。
 登りはコースタイム通りの4時間30分、下りは待たされたこともあり、膝も痛く、コースタイムを越える3時間30分、久しぶりに8時間超えるハードな山行となった。下山後は、美人の湯と言われる祝子川温泉にゆっくりつかり、延岡のホテルに帰った。
 夕食は、マイスターのマスターに紹介してもらった居酒屋を3軒ほど行ったが入れず、昨日いった「源太」に行き、延岡発祥の「チキン南蛮」、手引きイワシを食べた。そのあとはオーセンティックバー「マイスター」に常連のような顔してカウンターに座った。

































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 延岡のホテルを早朝に出て、高千穂峡をめざす、快適な川沿いの国道をバイクで快調に走る。午前7時半に、高千穂峡に着く、GWなのか、コロナ後なのか、すでに観光客で賑わっている、手漕ぎボートがいっぱいでていた。神話の伝わる神秘的な景色だった。お決まりの渓谷の写真を撮り、朝のデザートのプリンを食べる。そこから、さらに山添いに走り、高原のような蘇陽町に着いた。旧役場で待っていると「自然屋かわじん蘇陽峡カヌー体験」のガイドさんがワンボックスカーで来た。コロナ禍で、1組に1ガイドでやっているという、ガイドは2人来たが、自分にはNさんという女性のガイドさんだった。サップが専門らしい、川への急で細い道を上手に運転されていた。しかも、そこは地元民家の生活道路と聞いてびっくり、カヌーからみえた急峻な崖下の民家からあいさつしてくれる方がいた。壇ノ浦で敗れた平家の隠れ里と伝わっている。確かに外部から侵入できないところに住んでおられた。
 カヌーはダムでせき止められた湖のような流れのない、川幅のある川を漕ぎ出す。水はきれいだった。もともとは急峻な渓谷なので、川岸には阿蘇の溶岩が固まった柱状節理や緑豊かな山肌、きれいな滑状の滝口などゆっくりと自然を味あうことができた。ガイドさんと2人だけのプライベートツアーになり、いろいろと話しながら楽しく漕ぐことができた。上流の流れのあるところまで漕ぎあがり、河原に上陸して休憩した。日南の甘夏ジュースが美味しかった。
 2時間弱のカヌーツアーを終え、ガイドさんに教えてもらった高森町の阿蘇牛の美味しい店まで行ったが、すごい行列で、20組待ちと言われ、あきらめ次の店へ、どの店も人があふれている、GWの観光地はランチもあたらない、幸い、お店がないことも想定し、山崎のランチパックを一つ買ってあった。それと南阿蘇の公園の入口にキッチンカーがあり、並ばずに甘辛チキンを買えた。阿蘇の雄大な景色を見ながらランチになった。
 そこからは観光渋滞を避け、中九州道を通り、大分市へ、さらに海沿いの気持ちのいい国道を別府市へと抜けていった。きょう、お世話になる日出町の先輩の家まではすぐだ。午後4時過ぎに到着し、さっそく、近くの地元の温泉に連れていってもらった。夕食は、日出であがったぶり刺し、マグロ、フグ、大分牛のステーキなど食べきれないくらいのご馳走で歓待していただいた。K夫妻、ありがとうございます。

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 朝からうなぎのかば焼きや茶碗蒸しなどのご馳走をいただき、日出町のK夫妻の家を出発し、由布岳をめざした。高速に乗り、湯布院に出て、そこから由布岳へと登るドライブウエーを走る、もう3回目になるか、カッコのいい由布岳を見上げながらのワインディングロードは素敵だ。登りきったところに由布岳正面登山口がある。牧場のような草原が広がり、由布岳がそびえる。30分ほどで森の中はいる。富士山のような火山の山だが、意外にもそこに深い森があった。新緑のトンネルを登っていく。時折、眼下に湯布院のまちを見下ろすことができる。樹木が低木に変わり、溶岩や火山礫の間をつづら折れに登っていく、かなり高度をかせいだ。上部は溶岩の岩峰になっている。火口壁の鞍部にはたくさんの登山者がいた。子ども連れも多い。そこから西峰をめざす、鎖場もあり、急峻な岩峰だ、残念ながらそのあたりからガスがかかり、展望がきかなくなった。山頂には2時間ちょっとで着いたが、風もあり展望もないので早々に山頂をあとにした。風のないコルまで下り、コンビニで買ったランチにした。
 下山は、膝の痛みもあり、コースタイムより少し時間がかかってしまった。バイクで別府に下り、坊主地獄などを観光し、「ひょうたんの湯」にゆっくり浸かった。別府観光港から大阪南港行きのフェリーに乗り込み、夕食は船内のバイキングを楽しみながらお酒を飲んだ。54日の南九州の山旅は終わった。

51 守口市13:0050k→神戸三宮港18:00-宮崎カーフェリー
52日 ―宮崎8:40-高千穂河原968 10:45-御鉢 1140-高千穂1574 12:10-高千穂河原13:30-延岡ワシントンホテル 17:30  250
53日 延岡ワシントンホテル 620-祝子川登山口6257:20ー大崩山 11:50 12:20-登山口15:55―祝子川温泉 16:10 17:00-延岡ワシントンホテル 17:50  70
54日 延岡ワシントンホテル-6:30―高千穂峡7:30-蘇陽峡 9:30-自然屋かわじん蘇陽峡カヌー体験-12:00-日出町 16:00     200K
55日 日出町 8:00-由布岳登山口9:30-西峰1583 11:45 -正面登山口 14:10-別府温泉14:30-ひょうたんの湯―別府観光港15:30 18:45-  40k
56日 -大阪6:35-自宅8:00 30k   

オートバイ走行距離 640


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